松永浩二(沖縄地方協力本部長・陸将補)|第36期・陸上自衛隊

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その松永が陸上自衛隊に入隊したのは平成4年3月。

1等陸佐に昇ったのが23年1月、陸将補に昇ったのが29年8月であったので、36期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。

陸上自衛隊では、1選抜で将官に昇ることは直接、近い将来の陸上幕僚長に選抜されたことを意味する。

そういった意味では、松永もまたその一人と言って良いだろう。

(画像提供:自衛隊沖縄地方協力本部公式フェイスブック

原隊(初任地)は、静岡県御殿場市の滝ヶ原駐屯地に所在する普通科教導連隊。

その後職種部隊では、埼玉に所在する第32普通科連隊を経て、中隊長ポストはこちらも御殿場市に所在する板妻駐屯地の、第34普通科連隊で務めた。

連隊長ポストは、宮城県の第22普通科連隊長兼ねて多賀城駐屯地司令で上番している。

その間中央(陸上幕僚監部)では、防衛部運用課、運用支援・情報部運用支援課、人事部補任課などを経て、班長ポストは防衛部防衛課の業務計画班長、課長ポストは防衛部防衛課長など、エリートど真ん中の要職を歴任。

また海外経験は、米戦略大学への留学を経験するなど、絵に描いたような出世ルートを駆け上がってきた。

そして平成29年8月、陸将補に昇任すると中部方面総監部の幕僚副長に着任。

その後職として自衛隊沖縄地方協力本部長を任され、この非常に大事なポストでも手腕を発揮している。

36期組を代表し、活躍を続ける最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その松永と同期である、36期組の人事の動向について見てみたい。

36期組は、2017年8月の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。

そして、2019年2月現在でその任にあるのは、以下の幹部たちだ。

 

松永浩二(第36期)・沖縄地方協力本部長(2017年8月)

德永勝彦(第36期)・教育訓練研究本部研究部長(2017年8月)

堺一夫(第36期)・富士学校普通科部長兼富士学校諸職種協同副センター長(2017年8月)

藤岡史生(第36期)・北部方面総監部幕僚副長(2017年8月)

若松純也(第36期)・東部方面総監部幕僚副長(2017年12月)

南川信隆(第36期)・教育訓練研究本部訓練評価部長(2018年3月)

※肩書は全て2019年2月現在。( )は陸将補昇任時期。

※2018年夏の将官人事以降に昇任した将補について、年次未確認のために追記する可能性あり。

 

以上のようになっており、まずは松永、徳永、堺、藤岡の4名が、36期組の最高幹部人事では、先に昇任を果たしている形だ。

恐らく今後の陸将人事も、この4名を中心に選抜が進められていくことになるのではないだろうか。

 

松永については、中央での補職に加え、この難しい時期に沖縄地方協力本部長を任された事を考えても、間違いなく36期の本命幹部だ。

師団長、方面総監といったポストまで昇り、やがて陸上幕僚長に昇ることも十分考えられる、今注目の「若手陸将補」である。

その活躍は要注目であり、ますます動向を追い続けていきたい。

そして変わらず、応援を続けていきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

画像提供:自衛隊沖縄地方協力本部公式フェイスブック

◆松永浩二(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
4年3月 陸上自衛隊入隊(第36期)
5年3月 普通科教導連隊(静岡県御殿場市)
7年8月 幹部候補生学校(福岡県久留米市)
10年3月 第32普通科連隊(埼玉県さいたま市)
12年8月 幹部学校付(東京都目黒区)
14年8月 第34普通科連隊中隊長(静岡県御殿場市)
16年3月 陸上幕僚監部防衛部運用課(東京都新宿区)
18年3月 陸上幕僚監部運用支援・情報部運用支援課(同上)
19年8月 陸上幕僚監部人事部補任課(同上)
22年3月 幹部学校(東京都目黒区)
23年1月 1等陸佐
23年3月 中央情報隊本部付(米戦略大学留学)
24年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課業務計画班長(東京都目黒区)
26年8月 第22普通科連隊長兼ねて多賀城駐屯地司令(宮城県多賀城市)
27年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課長(東京都新宿区)
29年8月 中部方面総監部幕僚副長(兵庫県伊丹市) 陸将補
30年3月 自衛隊沖縄地方協力本部長(沖縄県那覇市)

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