林佐光は大阪府出身の陸上自衛官。
防衛大学校第33期の卒業で幹候70期、職種は野戦特科だ。
生年月日は判明しないが、防大33期はストレートであれば、昭和41年度生まれの年次にあたる。
平成30年3月(2018年3月) 第1特科隊長を命ずる兼ねて北富士駐屯地司令・1等陸佐
前職は自衛隊山梨地方協力本部長であった。
なお、自衛隊山梨地方協力本部であった時の指導方針は以下の通り。
【統率方針】「全員で任務完遂」
【要望事項】「キラキラ輝け!」「山梨県民とともに!」
2018年3月現在、第1特科隊長兼ねて北富士駐屯地司令を務める林だ。
前職では自衛隊山梨地方協力本部長であったが、本記事を書いているのは異動直後のタイミングため、ここでは山梨地方協力本部長時代までの林について記していきたい。
地方協力本部は全国の都道府県に設置され、自衛官候補生や防衛大学校等の自衛隊各種学校を受験しようとする若者の募集業務を行うだけでなく、退職自衛官に対し、その第2の人生を斡旋する再就職支援業務も行う。
また、地域の学校や企業などの要請に応じ、危機管理や防災対応と言った、自衛隊の持つノウハウを講演会の形などで提供し、地域貢献活動も行っている。
自衛隊好きであれば、関わったことが無い人はいないであろう、一般市民と自衛隊を繋ぐ架け橋となる、重要な役割を担う組織だ。
なお上記の画像は平成29年7月10日、平成28年度の募集業務において優秀な成果を残した山梨地本に対し、岡部俊哉(第25期)・前陸上幕僚長から林に対し、第2級賞状と募集褒賞が授与された時のものだ。
林は地本長着任早々に大きな結果を残したことになり、これからもより一層の存在感を発揮していくことになるだろう。
ところで岡部は、この時から1ヶ月も経たずに南スーダンの一件で詰め腹を切らされることになり、長年奉職した陸上自衛隊を去ることになった。
返す返すも本当に残念であり、やりきれない人事であった。
さてその林だが、陸上自衛隊入隊は平成元年3月。
野戦特科の現場で指揮を執った後、30代以降は教育と研究の現場での補職が目立つキャリアになっており・・・というよりもほぼ全てだ。
第13特科連隊の中隊長として指揮を執った後は、林自身がCGS(指揮幕僚課程)の学生として幹部学校にあった時を除き全て、研究職か指導教官になっている。
そういった意味では山梨地本長が久しぶりの、研究もしくは教育以外の補職になるが、一方で地本長は自衛隊を志す若者の募集も重要な任務なので、広い意味では教育・訓練の入り口とも言えるだろう。
おそらくこの分野では、林の右に出るものはいないというほどに能力の高さを示している、ということになりそうだ。
次にその、林を含む33期の人事の動向について見てみたい。
33期組は、2014年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。
2018年3月現在で51歳~であり、2020年代前半から中盤にかけて、我が国の国防を中心になって担っていく世代だ。
そして2018年3月現在で陸将補にあるものは以下の通りとなっており、それぞれのポストで責任ある任務を背負っている。
冨樫勇一(第33期)・統合幕僚監部報道官(2014年8月)
山根寿一(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2014年8月)
牛嶋築(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2014年8月)
末吉洋明(第33期)・統幕運用部副部長(2014年8月)
廣惠次郎(第33期)・通信学校長(2015年3月)
児玉恭幸(第33期)・第1空挺団長(2015年8月)
梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長(2015年12月)
酒井秀典(第33期)・航空学校副校長(2016年3月)
宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長(2016年12月)
堀江祐一(第33期相当)・第8師団副師団長(2017年3月)
楠見晋一(第33期)・東京地方協力本部長(2017年8月)
※肩書はいずれも2018年3月現在。( )内は陸将補昇任時期。
陸上幕僚長候補レースという意味では、まずは冨樫、山根、牛嶋、末吉の4名が抜け出した状況だと言っていいだろう。
そしてこの4名を中心に、2020年夏の将官人事で陸将に昇任し、師団長に着任する幹部が選抜されていくことになるはずだ。
林については、その豊富な教育・訓練系の経験から、あるいは2018年3月に新編され発足する陸上自衛隊教育訓練研究本部や、各種学校において、さらに要職を歴任していくことになるだろう。
陸自の未来を支える人材を育てる林の活躍には、我が国の国防そのものが託されていると言っても過言ではない。
その活躍には注目し、今後とも応援していきたい。
◆林佐光(陸上自衛隊) 主要経歴
元年3月 陸上自衛隊入隊
2年3月 第13特科連隊
8年3月 第13特科連隊中隊長
10年3月 富士学校特科部研究課研究員
11年8月 陸上自衛隊幹部学校指揮幕僚過程
13年8月 防衛大学校訓練部次席指導教官
15年8月 富士学校特科部研究課研究員
17年3月 統合幕僚会議事務局第3幕僚室教育訓練班
18年3月 統合幕僚監部総務部人事教育課教育班
20年3月 陸上自衛隊幹部学校教官
22年3月 防衛大学校訓練部首席指導教官
24年8月 富士教導団本部第3科長
25年12月 防衛医科大学校学生部主任教官
27年12月 陸上自衛隊幹部学校教官
28年8月 自衛隊山梨地方協力本部長
30年3月 第1特科隊長兼ねて北富士駐屯地司令
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。
【引用元】
防衛省 山梨地方協力本部公式Webサイト(顔写真など)
http://www.mod.go.jp/pco/yamanashi/tayori1.html
コメントを残す