関谷拓郎(派遣海賊対処行動支援隊司令・1等陸佐)|第32期・陸上自衛隊

関谷拓郎(せきや・たくろう)は昭和40年5月24日生まれ、北海道岩内郡岩内町出身の陸上自衛官。

防衛大学校第32期(機械)の卒業で幹候69期、職種は普通科だ。

平成30年8月(2018年9月) 陸上総隊司令部運用部付兼ねて派遣海賊対処行動支援隊司令・1等陸佐

前職は第10普通科連隊長兼ねて滝川駐屯地司令であった。

なお、第10普通科連隊長であった時の指導方針は以下の通り。

【連隊長要望事項】

現場第一

日々向上

(画像提供:防衛省統合幕僚監部公式ツイッター

2019年2月現在、第10次派遣海賊対処行動支援隊の司令を務める関谷だ。

派遣海賊対処行動はアフリカの東、ソマリア沖のアデン湾において暴れ、世界の海上交通を破壊している海賊を取り締まる国際貢献活動であり、関谷はその陸上における行動支援隊の司令を務める。

中央即応連隊を基幹とした110名の精鋭を率いて、厳しい任務にあたっている・・・と言いたいところなのだが、実は関谷が率いていた第10次派遣海賊対処行動支援隊は、2019年1月25日にその主力部隊が帰国している。

おそらく現在、関谷は現地で任務の引き継ぎを行っているのか、あるいは既に帰国し次の任務の準備を始めていると思われる。

間もなくその人事も発令が出るはずだが、今のところまだ発令が為されていないので、現行ポストに在るものとして進めていきたい。

ところでこの、ソマリア沖の海賊対処について、詳細を知る国民はほとんどいないのではないか。

下手をしたら聞いたことすら無い人もいるのではないかと思うので、まずはこの点から触れておきたい。

まずこの活動は、どこで誰が、何のために行っているのか、ということについてだ。

以下の画像を見て欲しい。

(画像提供:グーグルマップ)

自衛隊が日本を離れ遥か遠く、アフリカの東で任務を行っているのは、このマーカーが示す辺りだ。

より詳細に言うと、下の画像で「ジブチ」と表記がある辺りの沖合ということになる。

海賊の立場で考えれば明らかだが、それほど大きくない小型の船で商船を襲撃する場合、どのポイントで行動を起こすか。

おそらく遠洋に出ること無く、なおかつ極めて高価な積み荷を満載している船が、狭い海域に密集し速度を落とす辺りであろう。

つまり、ご覧頂ければわかるように、画像でいうとアデン湾と紅海の間に位置する最も狭い、バブ・エル・マンデブ海峡付近ということになる。

この辺りは、アラビア海からアデン湾に入り、紅海からスエズ運河を経由し地中海に抜けるという世界の海上交通の、ちょうど中央にあたる。

そのため、アジアからのあらゆる貨物がここを通過し、また欧州からアジアに向かうあらゆる貨物が同様に、ここを通過していく。

当然我が国の船荷も、ここを通過して欧州に輸出され我が国の経済を支えており、また欧州からの農業製品や工業製品などの輸入品も、ここを通して我が国に届けられる。

そしてこの、ジブチ沖の極めて狭小な海峡で、その高価な積み荷を狙った海賊が我が国や世界の商船に襲いかかって来ることになる。

もし自衛隊がこの海域で、海賊対処行動を実施しなければどうなるか。

その答えは明らかであり、貿易が停滞して我が国の経済は極めて深刻な打撃を受け、また輸入物資も滞ることから国内におけるものの値段は激しく高騰していくだろう。

あるいはこの海域を避け、アフリカの西廻りで欧州と交易しても同様である。

1ヶ月以上も荷物の遅延が発生し、さらに燃料費や運搬にかかる人件費などの諸経費が高騰すれば、輸出品目は競争力を失い、輸入品の値段もやはり激しく高騰する。

私たちの生活は確実に大混乱に陥って、大きな社会不安が発生することになるだろう。

つまりこの海賊対処行動は、直接私たちの生命と財産を守ってくれている行動ということだ。

日本国民のおそらく大多数が、これほどまでに私たちの生活に密接に関係する領域で、自衛隊が戦ってくれている自覚がないのではないだろうか。

なおこの海域で跋扈する海賊は、何かのアニメのような昔ながらの海賊ではなく、軍用の小銃はもちろん、対空・対艦の火力で重武装しており、極めて危険な存在である。

そのような輩を相手に、我が国お決まりの、正当防衛や緊急避難でもなければ武力を行使してはいけないという手足を縛られた状態で、自衛隊の諸部隊は任務にあたってくれている。

ぜひ、この事実を一人でも多くの国民に知ってもらいたい。

自衛隊は今日も、私たちの知らないところで、遠く離れたアフリカの地にあって日本国民の生活を守ってくれている。

では、そんな危険な任務に従事し、司令として任務を全うした関谷とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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コメント

  1. ひろっち より:

    関谷1佐が大村で中隊長の時お世話になりましたが厳しくもありましたが陸曹、陸士の意見もしっかり聞いてもらったり新年会を小隊単位でしかも1日で時間を決めてしてもらったり一番思い入れのある人です。

    • ytamon より:

      ひろっち様、大変貴重なコメントありがとうございます!
      厳しそうなキャリアをお持ちの方ですが、どこか部下思いの優しさがお顔に出ている方であると思います。
      次回の更新時に、中隊長時代のエピソードとして書かせて頂きます!
      ありがとうございました。