上ノ谷寛（南西航空方面隊司令官・空将）｜第30期・航空自衛隊

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その上ノ谷が航空自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

1等空佐に昇ったのが平成17年1月であったので、30期組1選抜（1番乗り）となるスピード出世だ。

空将補には25年3月、空将には29年12月に、それぞれ昇任している。

（画像提供：航空自衛隊南西航空方面隊公式Webサイト）

（画像提供：航空自衛隊南西航空方面隊公式Webサイト）

パイロットとしての初任地は、千歳に所在する第2航空団。

その後、築城に所在する第8航空団などで勤務し、航空隊司令のポストは小牧に所在する第1輸送航空隊司令で務めた。

平成26年8月からは、改編前の南西航空混成団で、副司令の要職も経験している。

その間中央（航空幕僚監部）では、防衛課などでの勤務を経て、班長相当ポストを防衛調整官と運用支援調整官で着任。

課長ポストは統合幕僚監部運用部の運用第1課長で、部長ポストは航空幕僚監部運用支援・情報部長でそれぞれ務めた。

また18年6月から、韓国防衛駐在官として現地に赴任していたことは前述のとおりだ。

そして29年12月、空将に昇任すると南西航空方面隊の第2代司令官に着任。

我が国の国防の最前線で、ますますその腕をふるっている。

30期のみならず、我が国を代表する航空自衛官の一人であると言ってよいだろう。

では最後に、その上ノ谷と同期である、30期組の人事の動向についてみてみたい。

30期組は、2017年夏の将官人事で最初の空将が選抜された年次にあたる。

いわば、そろそろ同期の航空幕僚長候補が出揃ったと考えても良い頃ということになるが、その候補者たる空将として活躍しているのは、2019年3月現在で以下の幹部たちだ。

金古真一（第30期）・中部航空方面隊司令官（2017年8月）

井筒俊司（第30期）・西部航空方面隊司令官（2017年8月）

上ノ谷寛（第30期）・南西航空方面隊司令官（2017年12月）

※肩書はいずれも2019年3月現在。（　）は空将昇任時期。

以上のようになっており、まずはこの3人が、30期組の航空幕僚長候補として今後も人事の中心になっていくのではないだろうか。

上ノ谷については、先述の通り、直近の人事ではもっとも重視される傾向がある南西航空方面隊の司令官である。

そういった意味では、次のポストとしてあるいは航空総隊に行くことがあるのか。

30期組の中から誰が、次に航空総隊司令官や航空幕僚副長のポストに着任するのか、といった辺りが、30期組の人事の興味と言うことになりそうだ。

いずれにせよ、上ノ谷を含めてこれら最高幹部は、今まさに、我が国の平和と安全にもっとも重い責任を担っている真っ最中である。

その活躍にはこれからも注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

（画像提供：航空自衛隊知念分屯基地公式Webサイト）

◆上ノ谷寛（航空自衛隊）　主要経歴

昭和
61年3月　航空自衛隊入隊（第30期）
61年9月　航空教育集団司令部付（浜松）

平成
元年8月　第2航空団（千歳）
9年1月　3等空佐
9年3月　韓国指揮幕僚課程（韓国）
11年1月　航空幕僚監部防衛課（桧町）
12年7月　2等空佐
13年8月　第8航空団（築城）
16年4月　中央業務隊付（市ヶ谷）
17年1月　1等空佐
18年6月　韓国防衛駐在官（韓国）
21年7月　航空幕僚監部防衛部防衛調整官（市ヶ谷）
22年7月　航空幕僚監部運用支援調整官（市ヶ谷）
23年4月　統合幕僚監部運用部運用第1課長（市ヶ谷）
25年3月　第1輸送航空隊司令（小牧）　空将補
26年8月　南西航空混成団副司令（那覇）
27年12月　航空幕僚監部運用支援・情報部長（市ヶ谷）
29年12月　南西航空方面隊司令官（那覇）　空将

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