原田智総（第15旅団長・陸将補）｜第31期・陸上自衛隊

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その原田が陸上自衛隊に入隊したのは昭和62年3月。

1等陸佐に昇ったのが平成17年6月であったので、こちらは同期1選抜（1番乗り）である18年1月より半年も早くなっているが、これは米国防衛駐在官として赴任する前の、特別な措置だ。

陸将補に昇ったのは24年7月であったので、こちらは同期1選抜となる、堂々の将官昇任であった。

（画像提供：陸上自衛隊第15旅団公式フェイスブック）

原隊（初任地）は青森県に所在する第9通信大隊。

その後、平成11年にはイスラエルとシリアの停戦を監視する国連の部隊、UNDOFの司令部要員として中東ゴラン高原に赴くなど早くから海外で活躍をする。

大隊長ポストには、伊丹に所在していた第104基地通信大隊で上番した。

また平成17年6月には、先述のように米国防衛駐在官という要職中の要職を任され渡米。

3年間に渡り軍人外交を展開し人脈を広げるなど、自衛隊の最高幹部にとって不可欠な米軍とのコミュニケーションも万全に備えた。

なおその間、中央（陸上幕僚監部）では、班長ポストを運用支援・情報部の運用支援課企画班長で、課長ポストは人事部人事計画課で、部長ポストは運用支援・情報部でそれぞれ務めている。

そして平成28年7月に第15旅団長に着任し、現職で非常に重い責任を担い続けているのが、2019年1月現在の状況だ。

31期のみならず、陸上自衛隊を代表する最高幹部の一人と言ってよいだろう。

では最後に、その原田と同期である31期組の人事の動向についてみてみたい。

31期組は、2018年夏の将官人事で1選抜の陸将が選抜されたばかりの年次にあたる。

そして2019年1月現在では、以下の幹部たちがその任にあたっている。

竹本竜司（第31期）・第1師団長（2018年8月）

沖邑佳彦（第31期）・第4師団長（2018年8月）

前田忠男（第31期）・第7師団長（2018年8月）

※肩書はいずれも2019年1月現在。（　）は陸将昇任時期。

上記のようになっており、31期組についてはこの3名で、同期の陸幕長候補が出揃ったと考えてよいだろう。

通例であれば、4名が1選抜で陸将に昇任するのが1選抜での陸将人事なのだが、2018年夏の将官人事では3名の陸将昇任に留まっているのが、31期組人事の特徴だ。

そして本来であれば、その4人目が原田であったはずなのだが、あるいは陸自大改革の影響か、もしくは沖縄を巡る容易に動かしがたい人事の影響もあったのであろうか。

おそらく10年ぶりくらいであろう、1選抜での陸将昇任が3名という人事となって、今に至っている。

とはいえ、原田が務めるのは要職中の要職である第15旅団長。

後職では何れかの師団長に昇ることに疑いの余地はなく、すなわち陸将に昇任することになるだろう。

そしてそれは、おそらく2019年3月の異動であり、あるいはそのまま西部方面隊の護りの要・第8師団長に着任することになるのではないだろうか。

いずれにせよ、2020年代なかばにかけて、我が国の平和と安全に最も重い責任を担っていくことは間違いのない最高幹部の一人である。

その動向には今度も注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

（画像提供：陸上自衛隊第15旅団公式フェイスブック）

◆原田智総（陸上自衛隊）　主要経歴

昭和
62年3月　陸上自衛隊入隊（第31期）
63年3月　第9通信大隊

平成
6年8月　調査学校
7年8月　幹部学校付・CGS学生
9年8月　陸上幕僚監部防衛部運用課
10年1月　3等陸佐
11年1月　陸上幕僚監部防衛部付・平和協力隊UNDOF司令部
12年4月　陸上幕僚監部人事部補任課
13年7月　2等陸佐
14年8月　第104基地通信大隊長
15年8月　幹部学校付・防衛研究所
17年6月　米国防衛駐在官　1等陸佐
20年8月　陸上幕僚監部運用支援・情報部運用支援課企画班長
21年12月　東部方面通信群長
23年4月　陸上幕僚監部人事部人事計画課長
24年7月　西部方面総監部幕僚副長　陸将補
25年12月　中央即応集団副司令官（国際）
26年8月　陸上幕僚監部運用支援・情報部長
28年7月　第15旅団長

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