山根寿一(やまね・としかず)は昭和41年7月生まれ、鳥取県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第33期の卒業で幹候70期、出身職種は野戦特科だ。
平成30年8月(2018年8月) 第13旅団長・陸将補
前職は東北方面総監部幕僚副長であった。
なお、第13旅団長としての指導方針は以下の通り。
【統率方針】
信頼
【要望事項】
鍛錬せよ 挑戦せよ そして結集せよ
(画像提供:陸上自衛隊第13旅団公式ツイッター)
2019年1月現在、広島県の海田駐屯地に所在する、第13旅団長を務める山根だ。
第13旅団は中国地方をその警備担当区域として受け持つが、主力3普通科連隊はいずれも軽編成になっており、機動力を重視したコンパクトな部隊となっている
なお山根の名前だが、「寿一」と言えば日本陸軍の寺内寿一元帥大将を思わせるが、読み方は「としかず」。
寺内寿一元帥は「ひさいち」なので、特にあやかったということではないのかも知れない。
その山根について。
33期1選抜で陸将補に昇っており、そのキャリアはどれも印象深いが、敢えて一つ挙げるとすれば、それは沖縄地方協力本部長のポストだろうか。
沖縄地方協力本部長は、2008年3月に陸将補ポストに格上げとなって以来、同期陸将補1選抜クラスのエースが着任する指定席となっている。
2019年1月現在で、現役の沖縄地本長経験者でみてみると総勢で5名。
第21代~第24代の地本長ということになるが、以下のような錚々たる顔ぶればかりだ。
第21代 上尾秀樹(第29期)・防衛大学校幹事(陸将)
第22代 本松敬史(第29期)・統合幕僚副長(陸将)
第23代 山根寿一(第33期)・第13旅団長(陸将補)
第24代 井土川一友(第35期)・北部方面総監部幕僚副長(陸将補)
第25代 松永浩二(第36期)・沖縄地方協力本部長(陸将補)
※肩書はいずれも2019年1月現在。
このような、将来の陸上幕僚長候補ばかりが沖縄地本長に着任するのには、もちろん大きな理由がある。
ひとつには、政権と自衛隊が沖縄をそれだけ大事であると考えていることの証左ではあるが、やはり大きいのは、直近の国防の最前線にある地域であるからだ。
いうまでもなく、尖閣諸島を始めとした南西方面島嶼部は、中国人民解放軍の理不尽な野心に晒され続けている。
そのため、宮古島や石垣島には新たに、陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊と地対空ミサイル部隊が展開する駐屯地の準備が進められているが、その地ならしはやはり非常に厳しい任務だ。
そのような地元対応をはじめ、様々な形での地元への貢献活動を進める責任者である沖縄地方協力本部長に求められる対処能力は極めて大きなものがある。
余人をもって充てられず、エース級が必ず投入されるのも当然と言うことであろう。
なお、にも関わらず、という表現をしてもよいだろうか。
2018年12月には、沖縄地方協力本部の庁舎窓ガラスが割られ、放火されるという凶悪な事件が発生している。
非常に残念なことではあるが、このように過激な暴力運動を展開する勢力は間違いなく、地元沖縄の人の意志を代表していない。
このような手段に訴える、常軌を逸した活動家と沖縄県民を同一視しては絶対にならない。
その上で、沖縄の歴史に寄り添いながらしっかりと、沖縄地方協力本部の活動を応援して行きたいと願っている。
では、そんな重要なポストで重い責任を担い続けてきた山根とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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