武本康博(たけもと・やすひろ)は昭和45年6月生まれ、大阪府出身の陸上自衛官。
防衛大学校第38期の卒業で幹候75期、職種は普通科だ。
平成29年12月(2017年12月) 第3普通科連隊長兼ねて名寄駐屯地司令・1等陸佐
前職は陸上自衛隊研究本部研究員であった。
なお、第3普通科連隊長及び名寄駐屯地司令としての指導方針は以下の通り。
【連隊長統率方針】
即動必遂
【連隊長要望事項】
不撓不屈
【駐屯地司令要望事項】
訓練精到 家族との連携 地域との連携
(画像提供:陸上自衛隊第2師団公式Webサイト)
(画像提供:陸上自衛隊第3普通科連隊公式Webサイト)
2019年1月現在、北海道の北、名寄駐屯地に所在する第3普通科連隊長を務める武本だ。
名寄駐屯地は、自衛隊の第1線級の部隊としては最北に位置しており、名実ともに対ロシア戦闘の最前線にある。
そのため伝統的に質・量ともに非常に充実した戦力が備えられ、また指揮官として赴任するものもあらゆる分野に卓越した幹部が着任することで知られる。
そんなこともあるのだろう。
この第3普通科連隊長ポストは、実は「陸上幕僚長最多着任回数」を誇り、いわば将来の陸上幕僚長候補たちの多くが、ここ名寄で連隊長に上番しているということだ。
2019年現在で、陸上幕僚長は第36代となり、つまり36人を数えるが、そのうちの実に3名が第3普通科連隊長を経験している。
以下の顔ぶれだ。
第10代陸上幕僚長 中村龍平(陸士49期)
第14代陸上幕僚長 高品武彦(陸士54期)
第32代陸上幕僚長 火箱芳文(第18期)
その他にも、第35代陸上幕僚長着任が確実視されながらも、西部方面総監を最後に退役した番匠幸一郎(第24期)は第28代の連隊長にあたる。
そして番匠はまさに、この第3普通科連隊長時代に隷下部隊を率いて初代イラク復興支援群長を務め、極めて困難で危険なイラク復興任務を完遂した。
このようなエピソードだけでも、ここ名寄駐屯地と第3普通科連隊には、我が国を代表する素晴らしい精鋭たちが集結しているのか、おわかり頂けるのではないだろうか。
ちなみに2019年1月現在でだが、陸上自衛隊において連隊編成にある部隊は、普通科連隊だけでも52を数える(廃止されたものを含む)。
これ以外にもちろん、機甲科、野戦特科、高射特科、後方支援系などに連隊編成の部隊があるわけだが、陸上幕僚長に昇ったものは36名に過ぎない。
つまり、一つの連隊から1人の陸幕長を出すことも難しいところ、第3普通科連隊長経験者のみが、3名陸幕長に昇っているということになる。
これもまた、いかにこのポストに着任する幹部が選りすぐりばかりであったのかを知ることができる数字と言ってよいだろう。
「北鎮師団」・第2師団の中にあって戦後長きに渡り我が国の国境を守り、その精強さを抑止力として、ソ連(ロシア)の侵攻を挫き続けてきた誇りある部隊である。
では、それほどの精鋭部隊を任された武本とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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