武本康博(第3普通科連隊長・1等陸佐)|第38期・陸上自衛隊

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その武本が陸上自衛隊に入隊したのは平成6年3月。

原隊(初任地)は名古屋市の守山に所在する第35普通科連隊であり、同地で初級幹部に任官し、厳しい自衛官生活のスタートを切っている。

(画像提供:陸上自衛隊第3普通科連隊公式Webサイト

その後、富士学校普通科部教育科の訓練教官を経て、多くの幹部自衛官が「思い出深いポスト」と語ってくれる中隊長には、第1空挺団普通科群第2普通科大隊本部中隊で着任。

我が国を代表する習志野の精鋭集団を直接率いる中隊長を経験しているのが印象的だ。

そして指揮幕僚課程にも進むが、こちらは陸自の幹部としては数少ない海上自衛隊の指揮幕僚課程で学び、3自衛隊の統合運用にも理解を深めるなど、非常に充実したキャリアを積む。

またその間、中央(陸上幕僚監部)では防衛部防衛課の編成班と防衛部教育課教育班でそれぞれ係長に着任。

北部方面総監部では人事課人事第1班長を、第1師団司令部では第3部長などの要職をそれぞれ務め、そして平成29年12月に第3普通科連隊長兼ねて名寄駐屯地司令に上番し、厳しい任務にあたっている。

職種部隊では精鋭集団を任され、また幕僚としては教育・訓練系に強みのある、38期を代表する高級幹部の一人と言ってよいだろう。

 

では最後に、その武本と同期である38期組の人事の動向についてみてみたい・・・ところだが、38期組は2019年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜される予定になっている年次だ。

そのため今回はそのご紹介は割愛し、2019年夏以降に改めて加筆をしたい。

 

武本については、中隊長ポストを第1空挺団で務め、また幕僚としての任務は第10師団(名古屋)、第1師団(練馬)で経験するなど、軽武装・高機動力を活かした都市防衛にも経験豊富なキャリアを誇る幹部だ。

かと思えば、現職の第3普通科連隊長のように正面戦闘の指揮官としても高い評価を受けている幹部であることから、恐らく今後は、西方(西部方面隊)や陸上総隊の要職に転じ、さらにその活躍の場を広げていくことになるのではないだろうか。

歴史と伝統を誇る、名寄駐屯地と第3普通科連隊を預かる武本のご紹介であった。

ぜひ、この厳しい自然環境の中にあって国境を護る「北の防人」たちの活躍に目を向けて、一人でも多くの国民に、武本以下の精鋭たちを応援して欲しいと願っている。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第3普通科連隊公式Webサイト

◆武本康博(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
6年3月 陸上自衛隊入隊(第38期)
6年10月 第35普通科連隊(守山)
13年3月 富士学校普通科部教育科訓練教官(富士)
16年3月 第1空挺団普通科群第2普通科大隊本部中隊中隊長(習志野)
17年3月 海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程(目黒)
18年3月 第10師団司令部第3部訓練班長(守山)
20年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課編成班係長(市ヶ谷)
23年4月 陸上幕僚監部防衛部教育課教育班係長(市ヶ谷)
24年8月 北部方面総監部人事部人事課人事第1班長(札幌)
26年7月 1等陸佐
26年8月 防衛研究所研修員(出雲)
27年8月 第1師団司令部第3部長(練馬)
29年8月 研究本部主任研究開発官(朝霞)
29年12月 第3普通科連隊長兼ねて名寄駐屯地司令

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