伍賀祥裕(海上幕僚監部総務部副部長)|第35期・海上自衛隊

伍賀祥裕(ごか・よしひろ)は昭和43年11月生まれ、岡山県出身の海上自衛官。

防衛大学校第35期の卒業で幹候42期、水上艦艇畑出身の最高幹部の一人だ。

平成30年8月(2018年8月) 海上幕僚監部総務部副部長・海将補

前職は護衛艦隊司令部幕僚長であった。

なお判明する指揮官ポスト時代の指導方針をご紹介すると、第1護衛隊群司令であった時の指導方針は以下の通りであった。

【指導方針】 至誠  献身  団結

(画像提供:海上自衛隊公式Webサイト

2019年1月現在、海上幕僚監部で総務部副部長の要職にある伍賀のご紹介だ。

35期1選抜(1番乗り)で出世を続ける同期のエースであり、水上艦艇畑のど真ん中を歩んできた最高幹部である。

海上自衛隊の幹部に求められる「軍人外交」の経験も豊富で、数多くのシーンで日本と世界の平和に大きく貢献してきた実績が輝く。

その伍賀について。

1選抜で将官に昇るような幹部なのでそのキャリアはどれも印象深いが、あえて一つ挙げるとすれば、それは平成28年7月(2016年7月)からつとめた、第1護衛隊群司令のポストだろうか。

海将補に昇任後、最初の補職で第1護衛隊群司令となった伍賀は、在職中に非常に多くの印象的な活躍をしている。

例えば今も多くの人にとって印象深いと思われるのは、朝鮮半島危機が極限まで高まっていた2017年5月の任務だ。

アメリカ海軍が朝鮮半島を攻撃圏内に収める形で展開している時、海上自衛隊は史上初めて、米海軍輸送艦の護衛任務に就いた。

この任務は、2016年3月に施行された安全保障関連法の初めての実施事例となったものだが、この時に任務にあたったのはご存知、海上自衛隊の最新鋭DDH(ヘリ搭載型護衛艦)いずも。

そしてそのいずもを含む艦隊群の指揮を執っていたのが、当時第1護衛隊群司令の伍賀であった。

そしてこの時、いずもはさざなみとともに3日間にわたり米艦の護衛を実施したが、実はこの任務には続きがあり、その後、伍賀に率いられたいずもとさざなみは一路、東南アジア・インド洋に進んでいる。

表向きの任務は

「パシフィック・パートナーシップ2017におけるベトナム(カムラン)での活動に参加し、関係国との間の相互理解及び協力の促進を図る。」

というのが公式発表だが、もちろんそれだけではない。

この米軍艦艇の護衛を実施した時期は米トランプ大統領が朝鮮半島に2隻の空母を派遣し、北朝鮮有事の可能性がもっとも高まっていた時期にあたる。

その時期に米艦護衛を実施したいずもは、そのまま米空母打撃群と合流するのではないか、という憶測が流れたが、結果として南シナ海方面に航路を進め、中国の強引な海洋進出に苦しむベトナムや東南アジア諸国に艦を進めた。

そしてシンガポールで国際観閲式に参加し、次の寄港地であるフィリピンではドゥテルテ大統領を艦上に招き、両国の親密ぶりを内外にアピールする。

これらの動きは「日本は朝鮮有事だけではなく、南シナ海問題にも関与する」という日本政府の強い意志表示である。

そして実際にいずもは、これら一連の行事が行われた帰路において、中国が独自基準で「九段線」と名付け管轄権を主張する海域を通行し、中国を牽制する動きを見せた。

この時、いずも艦上には経由地で乗艦した東南アジア諸国から10名の士官が乗っており、レーダーには接近する中国軍機の機影も映るなど、緊迫した場面も実際に生起している。

これらいずもの行動につき伍賀は、「日本版航行の自由作戦ではない」と述べ、その意図を中国に向けたものではないとしながらも、「法の支配に基づく自由で開かれた海を守る活動の一環だ」とも語り、事実上、中国を牽制するものであることを示唆した。

海上自衛隊を代表する最新の護衛艦を預かり、そして政治的な機微のギリギリのところで作戦を遂行しながら、想定外の事態には冷静かつ毅然と対応するなど、これ以上はない指揮ぶりをみせた伍賀であった。

報道されることなどほとんどないが、我が国の海上自衛官は国防の最前線でこのように、文字通りギリギリの意思表示を戦わせ合いながら国益を守っている。

中にはおもしろ動画を8カ国語で世界に流し、自爆を楽しむ変な国もあるが、もちろん中国はそこまで甘くはない。

ぜひ、メディアでこれら自衛官の活躍を見かけたら、そんな見えない部分での駆け引きにも注目して、さらに応援をしてもらえれば幸いだ。

では、そんな要職で活躍をし続けてきた伍賀とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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コメント

  1. 読者A より:

    管理人様、いつも記事の更新・管理お疲れさまです。楽しく読ませていただいております。

    さて、先ほどwから始まる某巨大データベースサイトをサーフィンしておりましたところ、かつて海上自衛隊に、こちらの伍賀海将補と同じ苗字・岡山県出身の伍賀守雄元海将(海兵61期・練習艦隊司令官や幹部候補生学校長を経て海上幕僚副長で退官)という方がいらしたことを知り、珍しい名字なのでもしかして血縁者かもしれないと思い、こちらにコメントしてみました。
    ちなみに、調べたところ海兵61期は1933(昭和8)年11月卒業だそうで、そうするとおそらく1930年入校となりますが、16~19歳の入校年齢制限があったことから伍賀元海将は1911(明治44)~1914(大正3)年ころの生まれとなり、仮に血縁だったとしても1968(昭和43)年生まれの伍賀海将補とは祖父と孫ほどの年齢差があるようです。
    …とまあ長々と書いてしまいましたが、仮に血縁関係がなかったとしても何らかのロマンを感じずにはいられず、このような投稿となってしまい、大変失礼いたしました。今後も楽しみにしております。

    • ytamon より:

      おぉ~興味深いお話ですね!
      ただでさえ、自衛隊は2代、3代と続いている方が多いですので、きっと血縁の方のような気がします。
      とはいえ、さすがに根拠はありません
      (^_^;)

      貴重な情報、ありがとうございました!