戒田重雄（かいだ・しげお）｜第35期・第1空挺団長

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その戒田が陸上自衛隊に入隊したのは平成3年3月。

1等陸佐に昇ったのが22年1月、陸将補に昇ったのが28年7月なので、35期組1選抜（1番乗り）となるスピード出世だ。

先述のように、その原隊は第1空挺団の普通科群であり、初級幹部として配置された平成4年から26年の時を経て、第1空挺団長に着任している。

（画像提供：航空自衛隊習志野分屯基地公式Webサイト）

（画像提供：航空自衛隊習志野分屯基地公式Webサイト）

そして第1空挺団で初級幹部としての任務を終えると、陸幕の防衛部運用課などを経て米陸軍の指揮幕僚大学にも留学。

さらに連隊長は、金沢に所在するエリートの指定席である第14普通科連隊長に着任している。

なお第14普通科連隊は、連隊編成でありながら、富山県・石川県、福井県嶺北の実に3県にまたがる担当地域を持つ、少し驚くような重い責任を担うポストだ。

いうまでもなく、その連隊長ポストは普通科の幹部の中でも、特に選りすぐりの1等陸佐が着任することが慣例となっている。

近年の第14普通科連隊経験者には、2018年8月に東北方面総監で退役となった山之上哲郎（第27期）や、2017年8月に第5旅団長で退役となった正木幸夫（第28期相当）などがいる。

さらに現役では、冨樫勇一（第33期）・陸上幕僚監部人事教育部長や松永康則（第34期）・中部方面総監部幕僚副長など、連隊長経験者の多くが将官に昇っており、そしていうまでもなく戒田もその一人だ。

陸上自衛隊の場合、1選抜で陸将補に昇ることはそのまま、1選抜で陸将に昇るもっとも近い場所にいることを意味している。

そう言った意味で、その位置にいる戒田は、補職、経験などあらゆる意味で、近い将来の陸上幕僚長候補の一人と言ってよいだろう。

では最後に、その戒田と同期である35期組の、人事の動向を見ておきたい。

35期組は、2016年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。

そして2019年9月現在で、その任に在る幹部は以下の通りだ。

井土川一友（第35期）・統合幕僚監部運用部副部長（2016年7月）

上田和幹（第35期）・需品学校長兼ねて松戸駐屯地司令（2016年7月）

遠藤充（第35期）・富士学校普通科部長兼ねて諸職種協同センター副センター長（2016年7月）

戒田重雄（第35期）・第1空挺団長兼ねて習志野駐屯地司令（2016年7月）

坂本雄一（第35期）・陸上総隊司令部運用部長（2017年3月）

武田敏裕（第35期）・防衛監察本部監察官（2017年8月）

青木誠（第35期）・陸上幕僚監部監察官（2017年8月）

垂水達雄（第35期）・第2師団副師団長（2018年8月）

※肩書は全て2019年9月現在。（　）は陸将補昇任時期。

※2019年夏の将官人事で昇任した陸将補の期別が未確認のため、追記する可能性あり。

以上にような状況になっており、まずは井戸川、上田、遠藤、戒田の4名に続き、坂本、武田、青木の3名が、35期で将官に昇っている形だ。

この7名については恐らく、陸将まで昇り要職を歴任していく最高幹部となるのではないだろうか。

戒田については、先述のように非常に充実したキャリアを誇る、35期を代表する陸上自衛官の一人である。

おそらく今後、師団長、方面総監と要職を歴任し、我が国と世界の平和のためにますます力を尽くしていってくれるのではないだろうか。

いずれにせよ、35期組は2020年代後半に掛けて我が国の国防を中心になって担う世代だ。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

（画像提供：陸上自衛隊第1空挺団公式Webサイト）

◆戒田重雄（陸上自衛隊）　主要経歴

平成
3年3月　陸上自衛隊入隊（第35期）
4年3月　第1空挺団普通科群
14年1月　3等陸佐
14年8月　陸上幕僚監部防衛部運用課
17年6月　米陸軍指揮幕僚大学留学
17年7月　2等陸佐
18年8月　陸上幕僚監部防衛部防衛課
22年1月　1等陸佐
22年3月　陸上自衛隊研究本部研究員
22年8月　陸上幕僚監部補任課
23年8月　陸上幕僚監部補任課人事第1班長
25年8月　第14普通科連隊長
26年8月　統合幕僚監部運用第2課長
28年7月　西部方面総監部幕僚副長　陸将補
30年3月　第1空挺団長

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