2019年9月、陸上自衛隊1佐・1佐職の人事異動が防衛省から発令された。
2018年夏の人事異動の頃から、陸上自衛隊は基本的に定時(3-4月、7-8月、12-1月)異動以外での異動が無くなっていたような印象があったのだが、当月は小規模ながら付異動と、それに伴う配置換えがあった。
詳細は下記から参照して欲しい。
なお今回の記事では異動の情報が少ないので、少し豆知識を加筆してみたい。
今回異動になっている「高級幕僚」というポジションについてだ。
高級幕僚とは何のことか、イマイチわからない人も多いかも知れないが、これは団編成の組織における幕僚のトップという意味であり、団長の方針を実際にオペレーションする実務責任者にあたる。
言い換えれば、師団や方面隊における幕僚長のポストに相当する。
指揮官は方針を策定し、決心をする責任者。
それを実行するのは幕僚の仕事だが、その実務を担う責任者が師団や方面隊では幕僚長であり、団編成の組織では高級幕僚と呼称される。
誤解を恐れずに言えば「第1空挺団」など、我が国を代表する精鋭部隊でも実は「団長」もさることながら「高級幕僚」に誰が付くのか。
それが、その組織の能力を左右する、とても注目を集める人事である。
なおかつ、陸上総隊と方面隊の幕僚長を除き、「幕僚長」「高級幕僚」の肩書を持つことが許されるのは、さらなる活躍が期待されている1等陸佐に限定される。
※方面隊の幕僚長は陸将補、陸上総隊の幕僚長は陸将ポスト
ぜひ、この「高級幕僚」というポジションと、その組織において実務の責任を担う1等陸佐の活躍にも、注目して欲しい。
特に第1空挺団の実務責任者たる高級幕僚は、海外要人の接遇をお膳立てし、また新年初降下で防衛大臣を始めとした政府要人を迎える段取りを指揮するなど、あらゆる面で高い能力が要求されるポストだ。
また今回異動になっている富士教導団の高級幕僚も、陸上自衛隊の諸職種混合作戦の訓練やプラニングを担う、極めて重要なポジションである。
ぜひそのような意味でも、二宮充史・1等陸佐の活躍に注目をして欲しいと願っている。
余談ついでで恐縮だが、この高級幕僚は部内で通称「高幕(こうばく)」と呼ばれる。
しかし、同じポストの名前を持たない海自では、幹部の人にも「◯◯団の◆△高幕ですが~」と話題を振っても、
「・・・コウバク?」
と通じないことがある。
組織が変われば、ポストの名前も色々である。
なお、例によってアイキャッチ画像の美しい女性は、人事異動とは何の関係もない。
千葉で発生した台風災害で、遠く山形から入浴支援に駆けつけた、第6後方支援連隊の隊員の皆さんだ。
第6後方支援連隊と言えば、陸上自衛隊で女性初の連隊長に着任した、澤村満称子(第39期相当)が率いる部隊である。
大学卒業後、名古屋で1年ほどイベントコンパニオンとして活躍するなど、当時の美貌を今も感じさせる美人連隊長だ。
その、女性連隊長が率いるきめ細やかな被災地での活躍にも、ぜひ注目して欲しい。
その他、詳細な人事異動の内容は以下の通り。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊東部方面隊公式ツイッター)
陸上自衛隊教育訓練研究本部付を命ずる
(陸上自衛隊教育訓練研究本部)
1等陸佐 田村浩幸
(以上2019年9月19日付)
防衛省発表資料
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0919a.pdf
富士教導団本部高級幕僚を命ずる
(富士教導団本部)
1等陸佐 二宮充史
陸上自衛隊中央業務支援隊付を命ずる
(富士教導団本部高級幕僚)
1等陸佐 妹尾研作
(以上2019年9月1日付)
防衛省発表資料
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0901a.pdf
(師、旅)団長、副(師、旅)団長、(幕僚長)高級幕僚というのは一般の学校でいう校長、副校長、教頭みたいな関係なんですかね。
あー、なるほど(笑)
余り教育現場の権限には詳しくありませんが、
責任者-次席-実務責任者
という構図であれば、確かに似ているかも知れませんね!
https://www.mod.go.jp/gsdf/nae/11d//images/siryou/kibou/596.pdf
11旅団OBです。
旅団の情報がもっと見たいです。
承知しました!
頑張って記事を増やしてまいります!
/)`・ω・´)