1佐人事・1佐職人事|2019年9月・海上自衛隊

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2019年9月、海上自衛隊1佐・1佐職の人事異動が防衛省から発令された。

 

海上自衛隊は、陸海空自衛隊の中で一番、「人事異動の時期」が曖昧な組織だ。

もちろん、将官人事は陸・空と同じく春(3-4月)、夏(7-8月)、冬(12-1月)に行われるが、こと1佐人事に関しては、毎週・毎日のように発令される。

これは中の人から聞いた話によると、

「海上自衛隊は、洋上での任務を終えて寄港のタイミングで人事を発令する慣例が在ったので、今もそれがのこっているのではないだろうか」

とのことであったが、真偽は定かではない。

 

もう一つ、海上自衛隊の人事の特徴で、「主力艦艇の責任者から主力艦艇責任者への異動」も、見逃せない人事異動ではないだろうか。

例えば陸上自衛隊で、第3普通科連隊長から第51普通科連隊長への異動など、まずありえない。

例外なくありえないわけではないが、このような「同じレベルの現場責任者」のポストを横滑りするのは、相当稀だ。

管理人(私)は、過去に数回見た覚えがあるが、詳細は覚えていないものの、相当珍しい事例であったと理解している。

その上で、今回の海自の異動では、最新鋭護衛艦である「いずも型」2番艦である「護衛艦かが」の副長から、「ひゅうが型」2番艦である「護衛艦いせ」の艦長に1等海佐・飯ケ谷孝広が転任となっている。

※当初、艦長と副長を見間違えておりました。失礼しました。

 

また洋上を中心に仕事を重ねる幹部は「艦方(ふなかた)」と呼ばれ、これも海自の伝統的な人事の考え方であるようだ。

「現場で力を発揮する幹部は、現場で働かせるべき」という考え方であり、とても参考になる。

というよりも、アメリカが誇るSFドラマ「スター・トレック」がそうであるように、現場で力を発揮する指揮官はやはり、美しくカッコいい。

中央に異動し提督の階級章を襟につけたピカード艦長など誰も見たくないように、現場で尊敬される指揮官は現場で働き、そのまま現役を終えるべきだという美意識は、世界中の海軍にあるのかも知れない。

それが、国の誇りを掛けて運用している最新鋭の艦(ふね)であればなおさらだ。

ふと、そんなことを考えさせられる今回の海自の人事異動であった。

 

なお例によって、アイキャッチ画像は人事異動とは何の関係もない。

令和元年度の遠洋練習航海部隊において、洋上に在って各種訓練を行う若く美しい女性隊員を写したひとコマだ。

もはや自衛隊は、民間に先駆けて女性登用の模範たる職場になりつつあります!

/)`・ω・´)

 

その他、詳細な人事異動の内容は以下の通り。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:海上自衛隊公式Webサイト

統合幕僚監部運用部運用第1課事態対処調整官を命ずる
(統合幕僚監部運用部運用第1課)
1等海佐 石田徹

 

海上幕僚監部防衛部防衛課勤務を命ずる
(海上幕僚監部人事教育部補任課)
1等海佐 原田康平

 

自衛艦隊司令部勤務を命ずる
(統合幕僚監部運用部運用第1課事態対処調整官)
1等海佐 新妻嗣礼

 

(以上2019年9月30日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0930a.pdf

 

 

自衛隊中央病院整形外科勤務を命ずる
(自衛隊舞鶴病院付)
1等海佐 岡林俊貴

 

(以上2019年9月27日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0927a.pdf

 

 

第81航空隊司令を命ずる
(航空集団司令部)
1等海佐 宮地裕

 

(以上2019年9月19日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0919a.pdf

 

 

おうみ艦長を命ずる
(余市防備隊司令)
1等海佐 鈴木拓哉

 

航空集団司令部勤務を命ずる
海上自衛隊第1術科学校主任教官兼研究部員
1等海佐 山田元昭

 

余市防備隊司令を命ずる
(護衛艦隊司令部)
1等海佐 大森浩昭

 

海上自衛隊第1術科学校教育第1部長事務取扱を解く
(海上自衛隊第1術科学校副校長)
1等海佐 天沼秀俊

 

海上自衛隊第1術科学校教育第1部長を命ずる
(おうみ艦長)
1等海佐 藤原秀幸

 

海上自衛隊第1術科学校主任教官を命ずる兼ねて研究部員を命ずる
(海上自衛隊第1術科学校)
1等海佐 岩波俊行

 

(以上2019年9月17日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0917a.pdf

 

 

統合幕僚学校国際平和協力センター教育・研究室主任研究官を命ずる
(第203教育航空隊副長)
2等海佐 瀧川寛子

 

護衛艦隊司令部勤務を命ずる
(いせ艦長)
1等海佐 大森浩昭

 

いせ艦長を命ずる
(かが副長)
1等海佐 飯ケ谷孝広

 

(以上2019年9月13日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0913a.pdf

 

 

統合幕僚監部運用部運用第1課勤務を命ずる
(第12護衛隊司令)
1等海佐 石田徹

 

第4護衛隊群司令部首席幕僚を命ずる
(第4護衛隊群司令部)
1等海佐 小圷聖一

 

第12護衛隊司令を命ずる
(第4護衛隊群司令部首席幕僚)
1等海佐 一柳公大

 

(以上2019年9月9日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0909a.pdf

 

 

統合幕僚監部運用部運用第1課勤務を命ずる
(海上幕僚監部指揮通信情報部情報課付)
1等海佐 野間俊英

 

統合幕僚監部運用部運用第2課運用室運営班長を命ずる
(統合幕僚監部運用部運用第2課)
1等海佐 山田健一

 

海上幕僚監部総務部総務課勤務を命ずる
(海上幕僚監部防衛部運用支援課兼統合幕僚監部運用部運用第2課)
1等海佐 鬼頭祐介

(海上幕僚監部装備計画部装備需品課後方運用班長)
1等海佐 大宅学

 

海上幕僚監部人事教育部補任課勤務を命ずる
(第2護衛隊群司令部首席幕僚)
1等海佐 工藤正徳

 

海上幕僚監部装備計画部装備需品課後方運用班長を命ずる
(海上幕僚監部装備計画部装備需品課)
1等海佐 川嶋潤子

 

海上幕僚監部装備計画部装備需品課資材班長を命ずる
(海上幕僚監部装備計画部装備需品課)
1等海佐 長野晋作

 

第2護衛隊群司令部首席幕僚を命ずる
(佐世保地方総監部防衛部第3幕僚室長兼第5幕僚室長)
1等海佐 土屋剛

 

第4護衛隊群司令部勤務を命ずる
(統合幕僚監部運用部運用第2課運用室運営班長)
1等海佐 小圷聖一

 

くにさき艦長を命ずる
(横須賀海上訓練指導隊副長兼指導部長)
2等海佐 樋之口和隆

 

横須賀地方総監部監察官を命ずる
(くにさき艦長)
1等海佐 松尾淳

 

佐世保地方総監部防衛部第3幕僚室長を命ずる兼ねて第5幕僚室長を命ずる
(佐世保地方総監部防衛部)
1等海佐 坂井喜一郎

 

海上自衛隊補給本部会計監査官を命ずる
(海上幕僚監部装備計画部装備需品課資材班長)
1等海佐 福田理

 

海上自衛隊補給本部付を命ずる
(海上自衛隊補給本部会計監査官)
1等海佐 布施壮一

 

(以上2019年9月2日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/0902a.pdf

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2件のコメント

かが艦長ではなく副長のようですよ。1佐だし、私も見間違えました。確かに艦長→艦長は多いですよね。

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