藤田悟は埼玉県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第39期の卒業で幹候76期、職種は航空科で、回転翼航空機のパイロットだ。
公式Webサイトに記載がないので生年月日は不明だが、第39期の卒業生は、ストレートであれば昭和47年度の生まれにあたる年齢である。
平成29年8月(2017年8月) 東北方面航空隊長・1等陸佐
前職は陸上幕僚監部教育訓練部総括班長であった。
2017年11月現在で、東北方面航空隊の隊長を務める藤田だ。
第39期出身の高級幹部であり、40代なかばの1等陸佐で、まさに今が戦闘現場での指揮官としてもっとも活躍する時期にあたる。
39期組は、1選抜で将補に昇る者が出始めるのが2020年の夏、つまりこの記事をポストしている時から数えて3年後ということになり、現行ポストと次のポストでの活躍で、最初の将補に昇る者の評価が固まるという非常に重要な時期ということになる。
そして藤田が預かる東北方面航空隊は、宮城県の霞目駐屯地を中心に展開する部隊であり、東北方面隊直轄の航空戦力となる。
対戦車ヘリコプターであるAH-1S(通称コブラ)を運用する他、タマゴヘリの愛称で知られる観測ヘリOH-6D、ニンジャの愛称で知られる偵察機OH-1、様々な用途に用いることが可能な汎用ヘリUH-1も運用し、地上ユニットと連携しながら偵察・観測・攻撃の任務をこなす。
また方面航空隊は、その特性を活かし災派(災害派遣)でも縦横無尽の活躍を見せる。
東日本大震災においては、地震の揺れが収まってから直ちにヘリを飛ばし状況確認を開始。
津波の到来を知らせるなど最前線の目となって、情報収集に中心的役割を果たした。
また同様に、平成28年熊本地震では被災地に観測機を派遣して被害の全体把握と情報収集に大きな役割を果たすなど、大規模災害では常に最前線で活躍。
地域の山火事ではUH-1による放水作業を行うなど、国民を守る自衛隊の活動において、必ず最前線に立ち、活躍を見せてくれた部隊である。
その東北方面航空隊を率いる藤田だが、陸上自衛隊に入隊し幹部候補生学校を卒業するとすぐに北宇都宮の第12飛行隊に配属。
その後、第12師団が第12旅団へと縮小改変された際に、逆に第12飛行隊は1個飛行隊を新たに追加して第12ヘリコプター隊に改編されたのだが、まさにその平成13年に再び第12ヘリコプター隊に配属となって、北宇都宮の地で任務と訓練に励んだ。
第12旅団は我が国で唯一、空中機動旅団して定義された戦力だ。
その航空戦力は、師団(旅団)隷下にある航空隊として最大の人員と数を誇る部隊であり、有事の際には普通科と連携し、空中機動を行い速やかに戦力の展開を行うことを目的とする。
その為、第12旅団に配置されている機甲科は第12偵察隊のみであり、戦車部隊の設置はなされていない。
空中機動による普通科隊員の展開に、その戦力を特化させているためだ。
まさに、第7師団が機甲科の聖地であるとすれば、ここ第12旅団は、飛行科の聖地であると言っても良いだろう。
藤田はそんな第12飛行隊(ヘリコプター隊)で若き士官時代を過ごし、腕を磨いた。
その後、飛行隊長経験は第13旅団隷下にある第13飛行隊で経験。
2等陸佐として防府分屯基地司令も務め、航空科幹部として十分な経験を積んだ上で1等陸佐に昇任し、東北方面航空隊を任されることとなった。
2017年現在の陸上自衛隊は、特に機甲科と野戦特科(地対艦ミサイル連隊を除く)にとっては真冬の時代だ。
予算削減と部隊の縮小が進む中で組織の改変が進められているが、この際に重要になるのは戦力の集中と機動展開となる。
その機動展開には、輸送手段としても敵情観測手段としても、陸自航空隊の活躍はますます欠かせないものとなっていくだろう。
まして我が国には、6500を越える島嶼部が存在する。
これら島々に対し警戒監視を行い、有事の際に速やかな戦力の展開を図ることが出来るのは空中機動のみであり、その実行能力を持つのは、航空隊や第1ヘリコプター団といった航空戦力のみだ。
そのエキスパートである藤田に対する期待はますます大きくなり、高級幹部としてさらに責任ある仕事が任されていることだろう。
その活躍と異動については、今後も注目して追っていきたい幹部の一人である。
◆藤田悟(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
7年3月 陸上自衛隊入隊(第39期)
7年10月 第12飛行隊(北宇都宮)
9年8月 第117教育大隊(武山)
13年3月 第12ヘリコプター隊(北宇都宮)
14年8月 航空学校(明野)
17年3月 10師団3部(守山)
17年8月 幹部学校付(#51CGS)(目黒)
19年8月 12旅団3部(相馬原)
21年3月 陸上幕僚監部人事部補任課(市ヶ谷)
23年4月 第13飛行隊長(防府)
24年3月 陸幕教育訓練部教育訓練計画課(市ヶ谷)
26年8月 幹部学校付(防研)研修(目黒)
27年6月 陸上幕僚監部教育訓練部総括班長(市ヶ谷)
29年3月 東北方面航空隊長(霞目)
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。
【引用元】
防衛省陸上自衛隊 霞目駐屯地公式Webサイト(顔写真)
http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neaavn/sirei/kidosirei.html
防衛省 自衛官募集公式Webサイト(東北方面航空野整備隊集合写真)
http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/college/12_g_02.html
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