石原由尊(いしはら・よしたか)|第40期・第3地対艦ミサイル連隊長

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石原由尊(いしはら・よしたか)は昭和48年12月18日生まれ、兵庫県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第40期の卒業で幹候77期、職種は野戦特科だ。

 

平成30年3月(2018年3月) 第3地対艦ミサイル連隊長・1等陸佐

前職は統合幕僚監部防衛警備班長であった。


(画像提供:陸上自衛隊上富良野駐屯地公式Webサイト


(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト

2019年7月現在、北の精鋭・第1特科団隷下の第3地対艦ミサイル連隊で、連隊長を務める石原だ。

迫力あるルックスと分厚い胸板で、迷彩服を着ているとまるで怖い職業の人のようだが、まぎれもない幹部自衛官である。

なおかつマラソンを趣味にしており、ハーフマラソンを1時間40分ほどで走るなど、体格や年齢を考えると驚異的なタイムを叩き出す。

それもそのはずであり、石原は原隊(初任地)となる第6特科連隊(福島県郡山)で初級幹部として経験を積むと、2年余りで第1空挺団の特科大隊に転じ、空挺レンジャーのバッジを取得。

さらに23年3月からは、米海兵隊の指揮幕僚課程に留学するなど、細マッチョの体力オバケで頭もキレるという、非の打ち所のないキャリアを誇っている。

なおかつ、任務における指導では非常に厳しい一面がある反面、部下の面倒見の良さでも知られ、愛妻家・家族思いでも知られる幹部だ。

 

古い時代の自衛官像では、ひたすら精神論の姿勢が評価されていた時代があるのかも知れない。

しかしながら現在では、家族という守るべきものがあり、地域という帰るべき場所があるからこそ戦う事ができるという考え方が、当たり前となってきた。

おそらくこの考え方は、東日本大震災の際に具体的な形になってきたのではないだろうか。

 

あの震災で私たち国民は、自衛官の献身的で危険を顧みない数々の活躍に心を打たれた。

その様子は感動的ですらあり、一部政治勢力が喧伝する自衛官像を一蹴するほどのインパクトが有ったことは、多くの国民の一致する考え方であろう。

しかしその裏で、実は家族の安否を確認することすらできず、公務を優先し、被災者支援に従事し続けた自衛官たちが多くいた。

特に、被害の大きかった福島や宮城の駐屯地、例えば第22普通科連隊(多賀城)などでは、隊員本人や家族にも多くの被災者が出たが、それでも「最初の72時間」が経過するまで、任務優先が厳命された。

そのため、震災から4~5日めにして初めて家族の安否を確認することが許された隊員たちの中には、避難所に無事避難していた妻子を確認すると駆け寄り抱きしめ、人目もはばからずに大声で泣き出した者もいたという。

 

私たち国民は、自然災害等の際に自衛官たちが過酷な環境で献身的な活躍をすることまでは、知っているかも知れない。

人目につかないところで、冷えた缶メシ(缶詰の戦闘用糧食)を隠れて食べていることも、インターネットという情報媒体のおかげで知ることができるようになった。

しかしながら、その活躍の裏で自衛官たちの家族もまた、自衛官たちと共に戦っている事実には、どれほどの国民が思いを馳せているだろうか。

もっともそばに居て欲しい時に、大事な人が留守にしている不安にどれほど寄り添えているだろうか。

 

愛妻家として知られる石原も、有事の際にはきっと、愛する令夫人や家族を置いて私たち国民のために力を尽くしてくれるだろう。

であれば、その自衛官の配偶者や家族を守るのは、私たち国民の義務であるのではないだろうか。

不安に苦しむ家族の心に少しでも寄り添い、力づけることこそが、私たち国民にできる最大の、国防への貢献ではないだろうか。

 

自衛官は確かに、一般人よりも心身ともにとても強い。

しかしその強さに甘えること無く、国防とは国民ひとりひとりの自覚であり覚悟であると考えた時に、私たちには何ができるのか。

その答えの一つが、有事の際に残された自衛官の家族に対する献身的な支援であるはずだ。

ぜひ、地域で不幸にして自衛隊の支援が必要な災害に見舞われた際、わずかでも余裕があれば、自衛官の家族にも思いを馳せて欲しい。

そして救いを求めていれば、積極的に支援し協力をして貰えれば幸いだ。

そうすることで自衛官たちは、後顧の憂い無くますます、私たち国民のために力を尽くしてくれることだろう。

 

石原が愛妻家であるという話から、ついつい大きく脱線してしまった・・・・。

では、そんな細マッチョで体力オバケのキレ者である石原とはどんな幹部であり、どんなキャリアを歩んできたのか。

少し詳細に見ていきたい。

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3件のコメント

遅くなりましたが、石原一等陸佐殿の陸将補への昇任をお祝い申し上げます。
益々のご活躍をお祈り申し上げます。

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