寺﨑隆行(てらさき・たかゆき)|第36期・航空自衛隊

寺﨑隆行(寺崎隆行)は福岡県筑紫野市出身の航空自衛官。

防衛大学校第36期の卒業で幹候82期、出身職種は飛行でF-4戦闘機のパイロットだ。

防衛省の公式発表は無いものの、卒業年次と昇進の状況から考えて昭和44年度の生まれであり、2017年現在、48歳(もしくは48歳になる年度)であると思われる。

平成29年9月(2017年9月) 第2航空団司令兼千歳基地司令・空将補

前職は航空幕僚監部人事教育部教育課長であった。

2017年9月、第2航空団司令着任のタイミングで空将補に昇進を果たした寺﨑だが、36期組としてはこれ以上無い早さでの昇進速度での空将補昇進だ。

1ヶ月前の2017年8月に、鮫島建一(第36期)が僅かに早く同期一番乗りで空将補に昇進し第3航空団司令に着任しているが、寺﨑と鮫島を併せて、36期組の将官一番乗りと言って良いだろう。

この昇進の速さなので、1等空佐への昇進も、ふたりとも平成23年1月の1選抜で間違いないだろう。2017年夏の人事で昇進を果たしており、最新の防衛年鑑でも間に合っていないので確認はとれないが、ほぼ間違いないと思われる。

そのため36期組は、当面のところ鮫島と寺﨑の2名を中心に将来の航空幕僚長候補が展開することになり、この2人が2017年10月現在で大きなアドバンテージをもっていることになる。

あるいは8~10年後の2025~2027年頃には、この二人のどちらかが航空幕僚長に昇っているかもしれないという超スーパーエリートの一人だ。

なお、寺﨑の前任であった安藤忠司(第33期)は、寺﨑との司令官交代で航空戦術教導団司令にポストに栄転となっている。

さて、その寺﨑のキャリアを見ると、その最初の赴任地は第6航空団の306飛行隊。

石川県小松基地の戦闘航空団で、我が国の国防最前線の航空自衛隊基地だ。

若き駆け出しパイロットであった寺﨑はこの地で、日夜防空警戒任務にあたり、時にスクランブルにも上がるなど、青年期を最前線における国防任務に捧げる。

なおこの時代、第6航空団306飛行隊の装備はF-4EJ改であり、寺﨑が次の赴任地へと転属になった平成9年からF-15戦闘機の戦闘航空団に機種変更が為されている。

その後、第3航空団時代でF-4戦闘機を運用していた第8飛行隊を経て米国に留学。

帰国後は第83航空隊(2017年現在:第9航空団)に赴き、南西方面の守りについたのが平成17年。

戦闘機パイロットとしての現場指揮はこの沖縄の地で卒業し、以降は空幕などでキャリアを重ね、高級幹部としての指揮能力に厚みを積み成果を上げ続けた結果、36期組の出世頭として名乗りを挙げた。

2017年現在の安全保障環境を考えると、航空自衛隊の幹部に関する人事権者が南西方面における現場経験、あるいは指揮官経験を重視していることは間違いない人員配置となっており、また実績評価にもなっている。

我が国の防衛政策上の最前線が南西方面における対中国人民解放軍となっているためだが、そういった意味では寺﨑の第83航空隊における現場指揮経験は非常に大きい。

やはり実際にこの空域を飛び、スクランブルにも上がり続けた経験は、有事の際には大きな知見となるためだ。

そのような観点からみれば、同期のライバルである鮫島は平成26年から南西航空混成団(2017年現在:南西航空方面隊)の防衛部長を務めており、南西方面で有事が発生した際を想定した指揮官経験を経験している強みがある。

まさにこの両者は長い時間をかけて、将来の最高幹部として育成するべくそのキャリアが設計されたライバルであったのだろう。

空将補昇進までのレースでは、どちらにもアドバンテージといえるほどのリードは無いように思われる。

なお余談だが、2017年10月現在で航空幕僚長を務める杉山良行(第24期)は、寺﨑と同じF-4戦闘機パイロット出身であり、なおかつ第83飛行隊の302飛行隊長を経験している。

そして航空方面隊(相当)職が当時の南西航空混成団司令。

国防の最前線を知り尽くした上で、後職として航空総隊司令官に昇りつめ、その勢いのまま航空幕僚長に就任した。

杉山が航空幕僚長に就任した当時から今に至るまで、中国人民解放軍の挑発行為は続いており、ある意味でこの人選は極めて妥当なものであっただろう。

パイロットとしても指揮官としても現場を知り尽くす男が航空幕僚長に就いたのだから、その人事をもって、我が国がどの方面隊を重視し、また侵略行為を許さないか、という意思表示にもなっている。

そのような意味では、2017年10月現在で統合幕僚長を務める河野克俊(第21期)の後任には、2017年12月でその任期を終えると考えられている杉山が選ばれる可能性が高いと言えるだろう。

このような直近の人事の動きを考えれば、寺﨑か鮫島、どちらが南西航空方面隊の司令官ポストに座るのか。

恐らく方面隊司令官ポストに座るのはまだ6~8年程度先であるとは思うが、或いはそれが、空幕長レースの最後の試金石になるかもしれない。

まだまだ先のことではあり、その時まで2人がどのような成果を出し続けるかによる以上、今の段階で予想できることなど無さそうだ。

ただ、36期のスーパーエリートである2人には、切磋琢磨して我が国の国防のために、今後も変わらず力を尽くしてくれることを期待したい。

◆寺﨑隆行(航空自衛隊) 主要経歴

4年3月 航空自衛隊入隊(第36期)
4年9月 航空教育集団付
7年6月 第6航空団第306飛行隊
9年3月 第3航空団第8飛行隊
14年3月 幹部学校付(米空軍大学指揮幕僚課程)
15年7月 航空幕僚監部防衛部運用課
17年8月 第83航空隊第302飛行隊
18年7月 航空幕僚監部防衛部防衛課
20年2月 航空中央業務隊付
22年8月 航空幕僚監部防衛部防衛課
23年8月 幹部学校
23年12月 航空幕僚監部防衛部装備体系課装備体系第1班長
25年8月 統合幕僚監部総務部総務課渉外班長
26年8月 第6航空団飛行群司令
27年8月 航空幕僚監部人事教育部教育課長
29年9月 第2航空団司令兼千歳基地司令

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 千歳基地公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/chitose/kichishirei/index1.html

防衛省航空自衛隊 装備品紹介公式Webサイト(F-4戦闘機写真)

http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/sentouki/F-4/

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする