三谷直人(みたに・なおと)は昭和36年4月生まれ、石川県出身の航空自衛官。
防衛大学校第29期の卒業で幹候75期、出身職種は航空機整備だ。
平成29年8月(2017年8月) 航空自衛隊補給本部長・空将
前職は中部航空方面隊司令官であった。
(画像提供:航空自衛隊第4補給処公式Webサイト)
(画像提供:航空自衛隊中部航空方面隊公式Webサイト)
2019年2月現在、我が国の兵站の大元、航空自衛隊補給本部長を務める三谷だ。
陸上自衛隊の補給統制本部、海上自衛隊の補給本部と同じ十条基地(十条駐屯地、十条地区)に所在しており、航空自衛隊のあらゆる物資、資材の調達や保管を行う。
後方支援部隊の心臓部とも言うべき最重要ポストの一つであり、その本部長を務める三谷にかかる期待と責任は極めて重い。
なお補給と言えば、一般には継戦能力を左右する上で重要であると考えられるが、もちろんそれほど単純な話ではない。
物資そのものも非常に重要だが、それ以上に平時においては、この十条を流れる物資に関する情報こそが国家の安全保障を左右するほどに重要なものになる。
なぜか。
例えば、ある会社のB/S(貸借対照表)をみれば、その社長がどういう性格の人間なのか、ある程度の事がわかる。
P/L(損益計算書)を見れば、その会社が何をしてきたのか、そしてこれから何をしようとしているのか、ある程度のことが予想できる。
だからこそ、上場企業は決算を公表し自分たちの意志を開示して、広くマーケットから株主を募ることができる。
同様に組織の補給を担うということは、単に公開されている防衛費の使いみちや予定ということだけでなく、我が国がどのような資材をどのような単価で調達し、そしてそれを何に使いどのように国防体制を構築しようとしているのか。
さらに、防衛白書などで一般に公開されているようなわかりやすいお金の使いみちだけでなく、その裏に隠されている我が国の意図までも、全て掌握することが可能になるポストであるということだ。
もちろん、調達に苦労している資材や物資、それに全国のどの補給処にどのような資材を集中的にストックしているのか、という防衛戦略すら全て把握する。
このように、お金の使い方は国家の意志そのものだ。
だからこそ、補給本部長のポストは極めて重い。
そういった意味でも、この三谷が務める補給本部長の職責の重さをご理解頂けるのではないだろうか。
では、それほどまでに思い職責を担う三谷とはこれまで、どのようなキャリアを歩み空将まで昇った幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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