岡本宗典(陸上総隊司令部報道官・1等陸佐)|第37期・陸上自衛隊

Pocket

その岡本が陸上自衛隊に入隊したのは平成5年3月。

1等陸佐に昇ったのが24年7月であったので、37期組1選抜後期(1番手グループ)となるスピード出世であった。

原隊(初任地)は大分県の玖珠に所在していた第8戦車大隊第1中隊であり、同地で初級幹部として、厳しい自衛官生活のスタートを切っている。

(画像提供:陸上自衛隊第3普通科連隊公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊第3普通科連隊公式Webサイト

その後職種部隊では、第8戦車大隊第1中隊で戦車小隊長を、富士に所在する偵察教導隊でも小隊長を経験。

平成23年3月には、2等陸佐の数少ない現場指揮官ポストである第13偵察隊長兼ねて出雲駐屯地司令に、1等陸佐昇任後の27年8月には、伝統ある第3普通科連隊長兼ねて名寄駐屯地司令に上番している。

またその間、中央(陸上幕僚監部)では、運用支援・情報部情報課、防衛部情報通信・研究課、防衛部情報通信・研究課研究班装備係長など要職を歴任。

幕僚やスタッフのポジションでは、富士学校機甲科部研究課研究員、東北方面総監部防衛部防衛課運用幹部(防衛)、富士学校主機甲科部教育課の戦術班長といった研究畑でも多く活躍した。

そして29年12月、中央即応集団司令部報道官に転じ、30年3月に陸上総隊に組織替えがあった際にはそのまま横滑りで、陸上総隊司令部報道官に着任している。

偵察や情報収集、さらに試験研究にも強みを見せる、いま我が国にとってもっとも必要となる高級幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その岡本と同期である37期組の人事の動向について見てみたい・・・

ところなのだが、37期組は2018年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜されたばかりの年次だ。

そのため、この際に陸将補に昇任した幹部を見ると白川訓通(第37期)、田浦尚之(第37期)の両名が37期であることは確認できているものの、後の2名がまだ確認できていない。

おそらく、前職や過去のキャリア、着任時期から考えて、2018年8月に昇任した前島政樹と上野和士の2名も37期ではないかと推測をしているものの、断定はできない。

このあたりは、また判明次第追記していきたい。

 

いずれにせよ、岡本を始めとした37期組は2020年代後半にかけて、我が国の平和と安全を守る中心となって力を尽くしてくれる世代だ。

その中でも、岡本の豊富な現場経験、また研究開発や情報分析畑での活躍は特筆するべきキャリアであり、今後ともこの分野において、要職を歴任していくことになるのではないだろうか。

その活躍こそが、我が国の安全保障体制に非常に大きな影響を与えることになるであろう、岡本のご紹介であった。

これからもその動向には特に注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第3普通科連隊公式Webサイト

◆岡本宗典(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
5年3月 陸上自衛隊入隊(第37期)
5年10月 第8戦車大隊第1中隊付(玖珠)
6年3月 第8戦車大隊第1中隊戦車小隊長(玖珠)
10年3月 偵察教導隊斥候班長(富士)
11年8月 偵察教導隊小隊長(富士)
13年8月 幹部学校付・第47期指揮幕僚課程(目黒)
15年8月 富士学校機甲科部研究課研究員(富士)
17年8月 東北方面総監部防衛部防衛課運用(防衛)幹部(仙台)
19年3月 陸上幕僚監部運用支援・情報部情報課総合情報班情報計画担当(市ヶ谷)
19年8月 陸上幕僚監部運用支援・情報部情報課総合情報班中期見積担当(市ヶ谷)
21年3月 陸上幕僚監部防衛部情報通信・研究課研究班装備係(市ヶ谷)
22年1月 陸上幕僚監部防衛部情報通信・研究課研究班装備係長(市ヶ谷)
23年3月 第13偵察隊長兼ねて出雲駐屯地司令(出雲)
24年7月 1等陸佐
24年8月 陸上自衛隊幹部学校付・第64期幹部高級課程・第14期高級課程(目黒)
25年8月 陸上自衛隊富士学校主任教官・機甲科部教育課戦術班長(富士)
27年8月 第3普通科連隊長兼ねて名寄駐屯地司令(名寄)
29年12月 中央即応集団司令部報道官(朝霞)
30年3月 陸上総隊司令部報道官(朝霞)

Pocket