船倉慶太(第1輸送航空隊司令・空将補)|第35期相当・航空自衛隊

その船倉が航空自衛隊に入隊したのは平成3年3月。

1等空佐に昇ったのが平成20年8月であったので、35期組が1選抜(1番乗り)で1佐に昇任する人事考課の規定よりも1年半も早い。

これは、中国に防衛駐在官として赴任するための特別な人事の措置のためだが、実は呼称は1佐に昇任しても行政官としての等級は昇任していないという裏話があるのはナイショである。

事実上、35期組1選抜での1佐昇任と言ってよいだろう。

(画像提供:航空自衛隊小牧基地公式Webサイト

(画像提供:航空自衛隊小牧基地公式Webサイト

パイロットとしての初任地は、平成7年7月からの配置である第7航空団第204飛行隊。

204飛行隊は当時も今もF-15戦闘機を運用する飛行隊なので、船倉のパイロットとしての最初の仕事は、イーグルドライバーであったということになりそうだ。

その後9年3月に鳥取県の美保基地に所在する第3輸送航空隊第403飛行隊に異動になり、5年半に渡り、輸送機パイロットして現場の最前線に立ち指揮を執ることになる。

以降は職種部隊から少し離れ、中央(航空幕僚監部)での活躍が目立つが、防衛部運用課、防衛部装備体系課、運用支援・情報部情報課など幅広い職務を経験。

班長ポストは運用支援・情報部運用支援課の輸送室長で、課長ポストは運用支援・情報部の情報課長でそれぞれ務めた他、24年12月からは情報本部で画像地理第4課の課長ポストも任された。

その他、地方隊や組織などでは、西部航空警戒管制団で基地業務群司令を、また先述のように在中国防衛駐在官の要職を歴任するなど、そのキャリアは非常に幅広く極めて充実したものとなっている。

そして29年12月に空将補に昇り、我が国の戦略輸送の根幹とも言える第1輸送航空隊司令兼ねて小牧基地司令に着任した。

35期のみならず、航空自衛隊を代表する最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

(画像提供:防衛省防衛白書平成29年度版公式Webサイト

なお、その第1輸送航空隊と小牧基地に関する余談である。

上記画像の女性は防衛白書平成29年版に登場した、第1輸送航空隊で運用班長を務める樋口美登里・2等空佐だ。

平成29年に小牧基地に異動になったので、船倉の部下として大いに活躍する幹部自衛官の一人である。

C-130H輸送機の機長も務める、才色兼備の極めて優秀な女性自衛官だ。

平成19年には、まだ2歳になったばかりの息子を日本に残しイラクに赴任したこともあるなど、まさに男女の関係なしに困難な任務を次々にこなしてきた。

第1輸送航空隊司令である船倉をご紹介する際には、ぜひ樋口の活躍もご紹介したいと思い、この場を借りて記載させて頂いた。

「女性の活躍」といえば、象徴的なポストばかりについ目が行く人も多いかもしれない。

しかし、こと自衛隊においては、樋口のように男女の区別なく、「適材適所」で過酷な任務を任されている女性幹部もとても多い。

ぜひ、このような女性幹部の活躍にも、改めて目を向けて応援をしてもらえればと願っている。

では最後に、その船倉と同期である35期組の人事の動向について見てみたい。

35期は、2016年夏の将官人事でに最初の空将補が選抜された年次にあたる。

そして2019年3月現在で空将補の任にあたっているのは以下の幹部たちだ。

熊谷三郎(第35期)・北部航空方面隊副司令官(2016年7月)

亀岡弘(第35期)・防衛監察本部監察官(2016年7月)

船倉慶太(第35期)・第1輸送航空隊司令(2017年12月)

稲月秀正(第35期)・第9航空団司令兼ねて那覇基地司令(2017年12月)

福田隆宏(第35期)・第5航空団司令兼ねて新田原基地司令(2018年8月)

※肩書は全て2019年3月現在。( )は空将補昇任時期。

以上のようになっており、まずは熊谷と亀岡が、35期の航空幕僚長候補として抜け出している状況と言って良さそうだ。

この両者には今のところ差はほとんどなく、今後も切磋琢磨しながらともに空将に昇り、より重い責任を担っていくことになるだろう。

船倉については、一般幹部候補生(一般大学出身)でありながら、同期3番手で空将補に昇った最高幹部だ。

また輸送の現場を多く経験しただけでなく、中国の政治・軍事にも精通し、情報系幹部としても大いに実績を残すなど、非常に充実した職務を経験してきた。

今の我が国周辺を取り巻く安全保障環境を考えると、ますますその活躍の場を広げ、さらに重い責任を担っていくことは確実であると思われる。

その動向は今後とも要注目であり、そして変わらず応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:航空自衛隊小牧基地公式Webサイト

◆船倉慶太(航空自衛隊) 主要経歴

平成
3年3月 航空自衛隊入隊(第35期相当)
7年7月 第7航空団第204飛行隊
9年3月 第3輸送航空隊第403飛行隊
14年9月 航空幕僚監部防衛部運用課
年 月 航空自衛隊幹部学校
16年3月 航空幕僚監部防衛部装備体系課
18年4月 航空幕僚監部運用支援・情報部情報課
20年8月 在中国日本大使館防衛駐在官 1等空佐
24年12月 情報本部画像地理第4課長
26年8月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課輸送室長
27年12月 西部航空警戒管制団基地業務群司令
28年12月 航空幕僚監部運用支援・情報部情報課長
29年12月 第1輸送航空隊司令兼ねて小牧基地司令 空将補

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