京都府京都市出身で慶応義塾大学の学生であった今西太一 命は回天特別攻撃隊・菊水隊の攻撃隊員として昭和19年11月20日、ウルシー海域で出撃し、敵艦に体当たりを成功させ戦死。
享年26歳であった。
出撃命令が下ったまさにその日、家族を案じる悲しい遺言を、内地に向け送っている。
只今出撃致します
お父様、フミちゃん。
太一は本日、回天特別攻撃隊の一員として出撃します。
最後のお別れを十分にして来る様にと家に帰して戴いたとき、実のところはもつともつと苦しいものだらうと予想して居つたのであります。
しかしこの攻撃をかけるのが、決して特別のものでなく、日本の今日としては当たり前のことであると信じてゐる私には何等悲壮な感じも起らず、あの様な楽しい時をもちました。
何も申上げられなかつたこと申訳ないことと思ひますが、これだけはお許し下さい。
お父様、フミちゃんのその淋しい生活を考へると、何も言へなくなります。
フミちゃん立派な日本の娘になつて幸福に暮して下さい。
これ以上に私の望みはありません。
お父様のことよろしくお願ひ致します。
お父様泣いて下さいますな、太一はこんなにも幸福にその死所を得て征つたのでありますから、そしてやがてお母様と一緒になれる喜びを胸に秘めながら、軍艦旗高く大空に翻るところ菊水の紋章もあざやかに出撃する私達の心の中何と申上げればよいのでせう。
回天特別攻撃隊菊水隊今西太一只今出撃致します。
【注記】
このページに使用している画像は、防衛省のルールに従い防衛省のHPから引用。
※画像は、軽量化やサイズ調整などを目的とし、オリジナルからトリミングし切り取って用いている。
【引用元】
防衛省海上自衛隊 防府南基地公式Webサイト(回天記念館参拝写真)
http://www.mod.go.jp/asdf/hofuminami/9kouhosei_hofu.html
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