内倉浩昭(うちくら・ひろあき)第31期・航空自衛隊

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内倉浩昭は昭和40年1月生まれ、鹿児島県出身の航空自衛官。

防衛大学校第31期の卒業で幹候77期、出身職種は飛行であり、F-15戦闘機パイロット、いわゆるイーグルドライバー上がりの将官だ。

 

平成28年7月(2016年7月) 航空幕僚監部防衛部長・空将補

前職は統合幕僚監部防衛計画部副部長であった。

 

31期の絶対エースにして、5~7年後の航空幕僚長候補筆頭と言っても良い内倉だ。

そのキャリアは、最高幹部に昇るために必要なポストの全てを経験したものになっており、これからもその王道を歩んでいくことは間違いないであろう。

 

航空自衛隊に入隊したのが昭和62年3月であり、1等空佐に昇ったのが平成18年1月。

空将補に昇ったのが平成24年7月なので、ともに第31期組1選抜であり、これ以上はない早さでのスピード昇任である。

31期組は、最初の空将に昇るものが2018年夏の人事で誕生する予定だが、内倉が1選抜で空将に昇らない事態は考えられない。

まず間違いなく、31期組最初の空将に昇任となるだろう。

 

なお2017年11月現在で、空将補の階級にあり、内倉とともに切磋琢磨する最高幹部には以下の者たちがいる。

 

内倉浩昭(第31期)・航空幕僚監部防衛部長(2012年7月)

森川龍介(第31期)・航空教育集団幕僚長(2012年7月)

引田淳(第31期)・西部航空方面隊副司令官(2011年6月)

後藤雅人(第31期)・第4術科学校長(2013年12月)

荒木哲哉(第31期)・航空幕僚監部総務部長(2013年8月)

西谷浩一(第31期)・防衛監察本部監察官(2013年8月)

秋山圭太郎(第31期)・第5術科学校長(2016年7月)

※肩書はいずれも2017年11月現在。( )内は空将補昇任時期

 

上記の並びは、空将補に昇任した早さで並べたものだが、このうち引田が例外的に、1選抜の時期よりも早く昇任しているのは、米国防衛駐在官として赴任することが決まっていたためだ。

部内の扱いとしては内倉、森川とともに1選抜と言うことになるだろう。

まずはこの3名の中から2名が、2018年夏の人事で空将に昇るものが選抜されることになる。

そして31期組の航空幕僚長レースは、その2名を中心に動いていくことになるだろう。

 

 

次に、その31期組の航空幕僚長候補筆頭と言っても良い内倉のキャリアについてだ。

パイロットとしての初任地は、北海道の第2航空団(千歳)。

その後、平成10年の3等空佐の時代には当時の統合幕僚会議で、米軍とともに日米共同作戦のプランニングを担当。

さらに陸上自衛隊に出向し陸海空統合任務の研究を行い、その時の経験を2等空佐時代に、「統合の現在と未来」と題したレポートとして発表し、全軍を俯瞰する立場からの作戦立案を提言している。

 

F-15戦闘機パイロットとしての経験も極めて充実している。

第2航空団で最前線勤務を経験したのを皮切りに、飛行隊長は第6航空団(小松)において着任。

航空団司令職は第5航空団(新田原)であり、我が国の戦闘航空団において、広くその指揮能力を発揮してきた。

 

高級幹部としての経験だが、米国経験は米空軍指揮幕僚課程を修了し、なおかつ米国ブルッキングス研究所への留学などを経て、幅広い知見と人脈を獲得。

中央では、一貫してエリート畑である防衛部において要職を歴任し、2016年7月には防衛部長に着任し、手腕を発揮している。

 

最高幹部に昇ることはもちろん、航空幕僚長候補に昇るものとしてふさわしいキャリアになっているが、強いていえば足りないものは、南西方面での指揮経験が不足していることであろうか。

そのため空将に昇任すれば、ほどなくして南西航空方面隊か、あるいは西部航空方面隊といった、我が国の安全保障政策上のホットスポットである空域を担当する司令官に着任することになるだろう。

そうなればもはや足りないものはなく、31期組の航空幕僚長候補して、その存在感が確実なものとなる。

 

注目のその人事は恐らく2018年夏の将官人事だ。

内倉に限らず、31期組の人事が大きく動くタイミングでもあるので、要注目の人事異動になるだろう。

31期組のエリートたちの動向に注目し、そして応援して欲しい。

 

◆内倉浩昭(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
62年3月 航空自衛隊入隊(第31期)

平成
2年 月 第2航空団(千歳)
10年1月 3等空佐
13年7月 2等空佐
15年12月 第6航空団飛行隊長
18年1月 1等空佐
18年3月 航空幕僚監部防衛部(次期戦闘機企画室)
19年8月 幹部学校付
20年8月 航空幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
21年12月 航空幕僚監部防衛部防衛課付(米国ブルッキングス研究所)
22年7月 航空幕僚監部防衛部防衛課長
24年7月 空将補
24年12月 第5航空団司令
26年8月 航空総隊司令部防衛部長
27年8月 統合幕僚監部防衛計画部副部長
28年7月 航空幕僚監部防衛部長

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 主要装備公式Webサイト(F-15画像)

http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/sentouki/F-15/index.html

防衛省九州防衛局 公式Webサイト(講演会画像)

http://www.mod.go.jp/rdb/kyushu/seminar/024/index.htm

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