秋山圭太郎(あきやま・けいたろう)|第31期・航空自衛隊

Pocket

秋山圭太郎は昭和40年1月3日生まれ、石川県出身の航空自衛官。

防衛大学校第31期、幹候は77期の卒業だ。

出身職種は判明しないが、その経歴から要撃管制と思われる。

 

平成29年8月(2017年8月) 航空自衛隊第5術科学校長・空将補

前職は統合幕僚監部報道官であった。

 

2017年11月現在、第5術科学校長にある秋山だ。

第5術科学校は愛知県の小牧基地に所在し、要撃管制や航空管制技術を教育する役割を担う。

陸海自衛隊の管制要員の教育も行うなど、管制教育・技術研究に関しては自衛隊内での存在感も非常に大きい。

 

その秋山のキャリアを見ると、西部航空警戒管制団や南西航空警戒管制隊司令など、要撃管制の現場で指揮を執ってきた経歴が目立つ。

しかしながら、特筆するべきはやはりベルギー防衛駐在官のポストだろう。

 

防衛駐在官のポストと言えば、アメリカやドイツなどの国ばかりが目立つかもしれないが、実はベルギー防衛駐在官のポストは極めて重要な役割を担い、またエリートが補職されるポストとして知られている。

なぜ、我が国と特段の利害関係も無さそうなこの小国で防衛駐在官を務めることがそれほど重要なのか。

それはひとえに、ベルギーにはNATOとEUの本部が設置されている事によるものだ。

地図で確認してもらうとよく分かるが、ベルギーは西でフランス、東でドイツと国境を接しており、近代以降の欧州2大大国の間に位置するという地政学的条件を持つ。

そのようなことから、ここベルギーは軍事上の緩衝地帯であり、また大国同士の利害調整の舞台となり続けてきた歴史がある。

 

そして、このような背景を持つベルギーの首都には、アメリカを凌ぐ数の外交官が、世界中から集結する。

地球規模の外交が展開される極めて重要な地であり、その舞台に軍人外交の担い手として赴く防衛駐在官の任務は極めて重い。

秋山が任されたベルギー防衛駐在官とは、そのようなポストであった。

 

 

その秋山はベルギーから帰国後、空幕の要職を歴任し、また南西航空警戒管制隊の現場で司令として指揮を執ると平成28年7月から統合幕僚監部の報道官に着任。

これまでとやや毛色の違うポストであるが、同ポスト着任と同時に空将補に昇任した。

その後、要撃管制の後進を育成する責任者である第5術科学校長に就き、その知見を活かしながら活躍をしている。

 

なお、秋山は防衛大学校31期組だが、31期組はもっとも早いもので2018年夏の人事で、最初の空将に昇るものが選抜される年次にあたる。

いわば、今まさに空将補として最後の空幕長レースの真っ最中に在ると言うことだが、その31期組の陸将補を見てみると、以下のような状況になっている。

 

内倉浩昭(第31期)・航空幕僚監部防衛部長(2012年7月)

森川龍介(第31期)・航空教育集団幕僚長(2012年7月)

引田淳(第31期)・西部航空方面隊副司令官(2011年6月)

後藤雅人(第31期)・第4術科学校長(2013年12月)

荒木哲哉(第31期)・航空幕僚監部総務部長(2013年8月)

西谷浩一(第31期)・防衛監察本部監察官(2013年8月)

秋山圭太郎(第31期)・第5術科学校長(2016年7月)

※肩書はいずれも2017年11月現在。( )内は空将補昇任時期

 

なお上記の空将補昇任時期で、引田が31期の1選抜よりも1年以上早く空将補に昇っているが、これはアメリカ防衛駐在官として外務省に出向する前に昇任をしているもので、扱いは1選抜と同じと思われる。

その為、31期組の1選抜空将補は内倉、森川、引田の3名と考えて良いだろう。

まずは2018年夏の空将人事では、この3名のうち2名が空将に昇ることはほぼ確実だ。

そしてその半年~1年以内に空将に昇るものがいれば、その3名が31期組の航空幕僚長候補して、最後まで切磋琢磨する最高幹部となるだろう。

 

秋山については、空将補に昇った時期の関係で考課期間が短く、2018年夏の人事での昇任はない。

しかしながら、これから先の5年ほどは確実に、この世代が我が国の防衛を支えていく世代となる。

その中核たる空将補の秋山だ。

日本の平和と安全に大きな影響を与えることになるその活躍には、注目してこれからも追っていきたい。

 

◆秋山圭太郎(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
62年3月 航空自衛隊入隊(第31期)

平成
10年1月 3等空佐
13年7月 2等空佐
13年8月 航空幕僚監部人計課(人事計画課)
14年8月 西部航空警戒管制団
17年4月 航空中央業務隊付
18年7月 1等空佐
19年3月 航空幕僚監部運用支援・情報部情報課付
19年6月 在ベルギー日本国大使館防衛駐在官
22年7月 幹部学校
22年12月 航空幕僚監部防衛部施設整備企画調整官
23年8月 航空幕僚監部防衛部施設課長
26年12月 南西航空警戒管制隊司令
28年7月 統合幕僚監部報道官 空将補
29年8月 航空自衛隊第5術科学校長

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 第5術科学校公式Webサイト(管制画像)

http://www.mod.go.jp/asdf/komaki/info/5ts.html

防衛省 統合幕僚監部公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/js/Joint-Staff/js_dpa.htm

Pocket