國松 剛|航空学生34期・海上自衛隊

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國松 剛は福岡県出身の海上自衛官。

航空学生第34期で海上自衛隊入隊は1982年。

 

平成28年8月(2016年8月) 小月教育航空隊司令・1等海佐。

前任は下総航空基地隊副長であった。

 

2017年7月現在で國松が補職されている小月教育航空隊は、海上自衛隊の航空戦力要員を目指す候補生に一元的に基礎教育を施す教育機関であり、海上自衛隊のパイロットと戦術航空士(TACCO:タコー)であれば、この学校を卒業していないものはいない。

 

候補生たちはこの学校に入校後、T-5練習機による基礎的な操縦訓練過程を経て、回転翼(ヘリコプター)パイロット要員、固定翼パイロット要員、戦術航空士要員に分かれ、それぞれの適正に応じた能力を磨いていくことになる。

 

なお近年の海上自衛隊では、戦術航空士であってもソロフライトまでの操縦訓練を受けパイロット資格を取得してから専門訓練を受けることになっている。

そのため海上自衛隊の航空機においては戦術航空士が機長になることもある。

 

固定翼哨戒期の搭乗員である國松自身もまた航空学生出身であり、この小月の地の卒業生だ。

今はまだ若くあどけない若者たちの中から、35年の時を経れば國松のような貫禄ある司令が誕生するのかと思うと、なかなか複雑な思いである。

 

 

海上自衛隊が世界に誇る救難飛行艇US-2は、海洋国家である日本が生んだ、日本らしい航空機といえるだろう。

戦時中、作戦地域での空港建設を十分に行う機材も資材も人員も不足し、それでいて離島などに拠点を多く構えていた日本軍にとって、水上機という選択肢は合理的なものであった。

その日本軍が開発した九七式飛行艇、その後継機である二式飛行艇(二式大艇)は、単に水上輸送だけでなく敵艦の雷撃や爆撃も可能で、最大2トンの爆弾を搭載可能であったにも関わらず、最高速度は派生型で470kmにも達する。

 

これはレシプロエンジンの飛行艇として類を見ない性能であり、川西航空機が作り上げた世界的な傑作機であるといえるが、その川西航空機は戦後、新明和工業と名を変え、このUS-2を生み出した。

まさに日本海軍からの伝統が生み出した傑作機であり、日本らしい飛行艇と言えるだろう。

 

なおUS-2を操縦するには、もちろん小月で固定翼操縦士の訓練を積まなければならないが、それだけではUS-2の操縦士にはなれない。

というのもこの飛行艇、水上に着水した直後から船舶とみなされるため、船舶操縦士の免許も必要になるからであり、別途取得する必要がある。

 

またこの傑作機を生み出した新明和工業は現在、様々な工業用用途で輸送部品の製造を行っているが、もし街で昇降機付きのトラックを見かけたら、注意深くリフトの辺りをみて欲しい。

高確率で「ShinMaywa」のロゴを見つけられるはずだ。

飛行艇という独自技術から発展した様々な輸送技術は、私達の生活を様々なところで支える力にもなっている。

 

また國松についてだが、その立場上様々な講演会などに講師として招かれることが多いが、その中でも印象的なものは「統率と指揮」をテーマにしたものであろうか。

まだ2佐で海幕勤務時代の講演だが、部下から信頼される条件と して挙げたものは次の3つ。

「仕事に精通し、部下の力になる」

「誠実・公正に部下に対応する」

「オープンで率直である」

 

反対に信頼されない指揮官の条件として

「事なかれ主義で頼りない」

「部下の尊厳を傷つける」

「保身と出世しか考えていない」

という内容を挙げ、実力部隊を率いる現役自衛官として説得力のある話を述べている。

 

人の上に立つものであれば、誰しも心に刻みつける教訓であろう。

 

◆國松 剛(海上自衛隊) 主要経歴

1982年3月 海上自衛隊入隊(航空学生34期)
1998年2月 小月教育航空隊(山口県小月 航空基地)
2000年3月 第9航空隊(沖縄県那覇航空基地)
2002年8月 海上幕僚監部(東京都市ヶ谷)
2004年12月 第51航空隊(神奈川県厚木航空基地)
2009年3月 海上幕僚監部(東京都市ヶ谷)
2011年8月 第51航空隊(神奈川県厚木航空基地)
2013年2月 第51航空隊調査研究隊長(神奈川県厚木航空基地)
2015年3月 下総航空基地隊副長(千葉県下総航空基地)
2016年8月 小月教育航空隊司令

 

◆姓名判断

何事にも積極的に取り組む性格、人並み外れた行動力、それを裏付ける優れた知性を持ち合わせる、類まれなリーダーになる人物に多い相。

上司にも好かれ部下の面倒見もよいなど社交性に優れ、特段の非の打ち所がない。

博打や賭け事にはあまり強くないので、地道な努力と経験に裏打ちされた冷静な判断で人生の岐路を選択することで、何事も良い結果になる。

 

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的とし、軽量化処理やオリジナルからトリミングし切り取って用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 小月教育航空隊公式Webサイト(顔写真及びUS-2写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/butai/ozats/ozco/captain.html

http://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/butai/ozats/pilot/pilot.html

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