陸将人事|2019年12月・陸上自衛隊

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2019年12月、陸上自衛隊・陸将の人事異動が防衛省から発令された。

 

今回の人事で陸将に昇任したのは1名。

少年工科学校第24期の卒業生で、幹候68期(第31期相当)の  ヤクザのオッチャン  凛々しいイケメン・小和瀬一(第31期相当)である。

年齢を感じさせないガタイ、気合の入った眼力、迫力のある風格など、戦闘服を着ていても、一人で歩いていたら恐らく誰も自衛官とは思わないだろう・・・。

別の仕事の本職だと、きっと思う・・・

これで31期組の陸将は6人目だが、恐らくこれで概ね、同期の陸将は出揃ったのではないだろうか。

 

その上で、31期組の人事は波乱含みだ。

まず、概ね2018年頃までの最高幹部人事の常識で言えば、陸上幕僚長候補に昇るような最高幹部は、1選抜で陸将補に昇り、さらに陸将にも昇った上で、

師団長 → 陸幕副長・統幕副長・防大幹事 → 方面総監 → 陸幕長

と異動するのが常道だった。

そしてこのうち、師団長(クラス)まで同時に昇る同期が2~3名。

陸幕副長・統幕副長・防大幹事クラスまで同時に昇る同期も2~3名。

方面総監は、年次によって異なるがやはり同時に2~3名という流れだ。

そして最終的に、方面総監に在るものの中から1名が、陸幕長に選抜されていた。

 

ところがご存知のように、2018年3月から進んでいる陸自大改革、さらに定年延長の影響で、この人事の流れは様変わりしている。

というよりも、これまでの流れが崩れているので、新しい「陸幕長候補」の人事の流れが読めない。

特に、「陸自大改革1期生」とも言うべき31期組は、さっぱりわからない・・・。

 

少し情報を整理すると、31期組は2018年夏の将官人事で、1選抜の陸将が昇任している年次だ。

この際に陸将に昇任したのは、以下の3名。

竹本竜司(第31期)・陸上幕僚副長

沖邑佳彦(第31期)・第4師団長

前田忠男(第31期)・第7師団長

(肩書きは2019年12月現在)

 

これに遅れること7ヶ月で、原田智総(第31期)が、31期組で4人目の陸将に昇った。

ここまでは、前の3人が「1選抜前期」、原田の昇任が「1選抜後期」と呼ばれ、同期の出世頭とされるスピード出世となる。

とはいえ従来、陸幕長に昇るものは1選抜前期でのスピード昇任で階級を駆け上がってきたものばかりだ。

そういった意味では、この時点で従来の常識では、原田は陸幕長候補からは選外になったかと思われた。

 

そして、2019年夏の将官人事で、「師団長の次のポスト」とも言うべき陸幕副長、統幕副長、防大幹事の要職に昇ったのは、竹本1名だけというやや異例の人事があった。

自衛隊は通常、どれほどのエリートであっても「誰か一名だけを突出して昇任させる」ような人事は余り発令しない(無いわけではない)。

そのような慣例の中で、竹本1名だけが「師団長の次のポスト」に異動になったのは驚きであったが、さらに驚きの人事が、この冬にあった。

1選抜後期で陸将に昇った原田の、防大幹事への異動である。

前田、沖邑の2名の異動は発令されなかった。

つまり原田だけがこの冬、師団長を経験せずに、「師団長の次のポスト」に異動になったということだ。

なおかつ、原田の前々ポストは国防の最前線である第15旅団長。

前職は、部隊・職種の統合作戦を重視する陸自において極めて重いポストである、陸上総隊幕僚長だ。

それら要職を歴任して防大幹事に就いたのであれば、竹本と並び一気に、31期組の陸幕長候補に名乗りを上げたと言ってよいだろう。

 

一方で、31期組では第一空挺団長も務め、「人格者」としても知られる第7師団長の前田が、長きに渡り同期の陸幕長候補ではないか、と噂されてきた。

第1空挺団長の時代以来、管理人(私)が所属する習志野の自衛隊協力会の中でも、前田の人格に惚れ込み、特別視する会員がとても多かったほどだ。

沖邑については、残念ながら管理人個人としては特別な情報はないものの、この緊張感が高まっている時代に、国防の最前線である第4師団長を任された程の男が、凡庸な幹部であるはずがないだろう。

つまり、異例のルートの中で、31期組の4人が、「いびつな横並び」で、陸幕長候補として切磋琢磨していることが改めて判明した、2019年冬の陸将人事であった。

 

恐らく今後、先に挙げたような陸幕長候補の出世ルートはどんどん、過去の古いものになっていくのだろう。

あるいは海空のように、幕僚副長が幕僚長候補になる時代が来るかも知れない。

新設された陸上総隊司令官から陸幕長に昇るものが現れるのも、時間の問題だ。

富士学校長に教訓研本長(教育訓練研究本部長)のポジションも、人事の実務ではどこまで重いポジションになるのかも、まだまだ未知数と言えるだろう。

しばらくは、陸自の最高幹部人事の予想が、さっぱり当たらない時代が続きそうである(言い訳である)

 

なお例によって、アイキャッチ画像の美しい女性は、将官人事とは何の関係もない。

こちらの美しい女性、お名前を夏3尉という。

なんと、陸上自衛隊始まって以来の、普通科職種初の女性幹部自衛官だ。

平成29年に防衛大学を卒業し、30年から第46普通科連隊第2中隊を原隊として活躍する、笑顔の美しい極めて優秀な女性幹部だ。

あるいは30年後に将官に昇っているかもしれないと思うと、このお写真を大事に取っておきたいと思う・・・。

 

以下、その詳細な内容は以下の通り。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第13旅団公式ツイッター

陸将に昇任させる
(第14旅団長)
陸将補 小和瀬一

 

防衛大学校幹事を命ずる
(陸上総隊司令部幕僚長)
陸将 原田智総

 

陸上総隊司令部幕僚長を命ずる
(第14旅団長)
陸将 小和瀬一

 

情報本部長を命ずる
(防衛大学校幹事)
陸将 納冨中

 

(以上、2019年12月20日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/1213a-1.pdf

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5件のコメント

ご無沙汰しています、私も今回の人事を見て アレッ と思いましたよ、ここ数年少し変わっいてきましたね、やっぱり定年延長や私の持論のO陸幕長辞任の影響か、はたまた官邸指導の影響か混沌としてきました、私は防大幹事は前田さんだと思っていましたよ、前田陸将ファンの小生としては少し気になる処です、本年もご苦労様でした来年もご活躍ください、少し早いですが、よいお年をお迎えください。

すーさん!
こちらこそ、今年もいろいろとお世話になりましてありがとうございました。
初降下に連れて行って頂いてから、早くも1年近くになるのですね。。
どうぞ来年も、よろしくお願いします!
夏祭りには、必ず行きますよー!
(≧∇≦)b

陸上自衛隊の人事って全然戦略的じゃあないですね。海空は将来人事まで慮ってるのに。海空の副長や総監人事はさすがですね。陸はいつも負け人事で。トップのお友達人事、野球部の次は少林寺ですか(笑)

修親1月号のリーダー論は幹部必読。あっぱれ。陸の幹部は鍛えられてるね。警戒監視、スクランブルも大事だが、究極、戦闘準備だよな。

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