1佐人事・昇任1佐人事|2021年1月・航空自衛隊

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2021年1月、航空自衛隊1佐人事・昇任1佐人事が発令された。

 

まずは、今回の人事で1等空佐に昇任された皆様、本当におめでとうございます!

長い間の努力と国家への貢献が認められ、1等空佐に昇られたことに、心からのお祝いと敬意を申しあげます。

厳しい国際情勢の中で、またコロナ禍の中で、心身ともに厳しい任務が続いているかと拝察申し上げますが、どうぞお体にお気をつけになって任務に励んでください。

そして、さらなるご活躍をされることを心よりお祈り申し上げます。

 

さて、本題に進みたい。

今回の人事で1選抜の1等空佐に昇ったのは、平成14年入隊、すなわち防衛大学校第46期(相当)の幹部たちである。

寄り道なしのストレートの場合、昭和54年度生まれということになり、2020年度(当年度)で41歳の若きリーダーだ。

今後、中央での班長や課長ポスト、方面隊幕僚長、団副司令、群司令(基地司令)、隊司令、地方本部長・・・といった要職に就き、まさに国家防衛の現場指揮官として多くの活躍を重ねていくことになる。

そして、1選抜前期で空将補に昇るのが6年半後の2027年夏の将官人事。

12年後の2033年夏~2034年春の将官人事で1選抜の空将に昇るものが選抜され、そして概ね2036~2038年頃に、それらエリートから航空幕僚長も選抜されるのが、一つのモデルケースだ。

 

但し航空自衛隊の場合、陸上自衛隊のように「1選抜前期の1佐が将来の将」候補というわけではない。

もちろん、1選抜の1空佐がエリートであることに変わりはないが、例えば山田真史(第28期)・元空将などが良い例だろう。

山田は2015年12月の将官人事で空将に昇り、当時も今も国防の最前線であり要である西部航空方面隊司令官を務め、後職で航空支援集団司令官も務めるなど、要職中の要職を歴任した自衛官であった。

西部航空方面隊司令官と言えば、前・航空幕僚長の丸茂吉成(第27期)や、現・航空幕僚長の井筒俊司(第30期)なども務めたほどの要職である。

西方に脅威を抱える今の我が国の安全保障環境にあっては、航空幕僚長に昇る者にとって通過点とも言えるポストだ。

そして山田は、空将に昇り最初に就いたポストがその西部航空方面隊司令官であったほどの幹部であったにも関わらず、1等空佐に昇ったのは、同期1選抜(前期)から2年後となる平成17年1月であった。

しかしその後、人事考課規定の最短期間で空将補に昇り、さらに空将にも、空将補在任期間わずか5年で昇り詰め、同期3人目の空将となっている。

これぞまさに、「勇猛果敢・支離滅裂」と評される空自の真骨頂ともいうべき人事と言ったところだろうか。

おそらく、なにか事情があるのだと思うが、それにしたところでこんな人事で将にまで昇った自衛官はなかなか他にいないと思われる。

航空自衛隊は、時にこんなこともやらかすので、今回1選抜で1佐に昇った幹部だけでなく、その他のリーダーたちにもぜひ、注目して欲しい。

 

ところで繰り返しになるが、今回、1選抜前期で1空佐に昇った幹部は、平成14年の入隊である。

そして現・統合幕僚長の山崎幸二(第27期)が1選抜で1佐に昇ったのは平成14年1月で、第8施設大隊長の時であった。

その3ヶ月後に幹部候補生学校に入校してきた若者たちが、今回1選抜で1佐に昇ったのが今回の昇任人事だった。

そう思うと、トップと1佐の間には、最大でこれほどの世代年齢差があることを改めて思わずにはいられない。

そしてその山崎も、おそらく間もなく退役を迎えると思われる。

文字通り、世代交代を感じさせる昇任人事ではないだろうか。

 

なお、例によってアイキャッチ画像の美しい女性は、人事異動とは何の関係もない。

航空自衛隊那覇基地名物の「空女file」から借用した一枚で、APG(航空機整備員)として活躍する、美しい女性隊員を撮影したひとコマだ。

元々戦闘機が大好きだったということで、思う存分戦闘機を始めとした航空機の整備のお仕事に携われるというのは、本当にやりがいがあるのではないだろうか。

私達の国防の最前線は、このような隊員さん一人ひとりの活躍によって支えられている。

 

全国の若い女性諸君!

今や自衛隊では、戦闘機、潜水艦、整備士・・・などなど、ありとあらゆる部署とポジションで、皆さんの活躍の場を用意して待っているぞ!

さあ、自衛官候補生、曹候補生、幹部候補生と自分のやりたいポジションを選んで、今すぐ最寄りの地本に願書を貰いに行こう!

 

その他、人事異動の詳細は下記の通り。

 

(※文中、自衛官および関係者の敬称略)

(画像提供:航空自衛隊公式ツイッター

1等空佐に昇任させる

(中部航空方面隊司令部)
2等空佐 相澤直樹

(航空幕僚監部)
2等空佐 石田智広

(航空幕僚監部)
2等空佐 上田和人

(防衛医科大学校)
2等空佐 川本博嗣

(航空幕僚監部)
2等空佐 坂本まゆみ

(航空幕僚監部)
2等空佐 佐藤太郎

(航空自衛隊幹部学校)
2等空佐 佐野公則

(防衛装備庁)
2等空佐 澤田雅栄

(航空開発実験集団司令部)
2等空佐 品川千鶴子

(航空自衛隊幹部学校)
2等空佐 高橋裕司

(航空幕僚監部)
2等空佐 田中崇史

(航空幕僚監部)
2等空佐 東田和也

(統合幕僚監部)
2等空佐 藤幡健介

(航空幕僚監部)
2等空佐 巻田明輝

(航空幕僚監部)
2等空佐 松崎友和

(航空幕僚監部)
2等空佐 眞部誠司

(航空自衛隊幹部学校)
2等空佐 村林芳雄

(中部航空警戒管制団)
2等空佐 森孝二

(航空自衛隊第5術科学校)
2等空佐 湯淺幹生

(第6航空団)
2等空佐 吉滿淳一

(航空幕僚監部)
2等空佐 渡辺憲彦

令和3年1月1日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2021/0101a.pdf

 

兼ねて航空幕僚監部防衛部防衛課勤務を命ずる
(航空幕僚監部首席法務官付法務官)
1等空佐 田中愛久

 

航空幕僚監部防衛部防衛課の兼務を解く
(航空幕僚監部首席法務官付法務官兼航空幕僚監部防衛部防衛課)
1等空佐 坂本まゆみ

 

南西航空方面隊司令部防衛部防衛課長を命ずる
(第12飛行教育団航空学生教育群司令)
1等空佐 佐藤薫

 

第12飛行教育団航空学生教育群司令を命ずる
(南西航空方面隊司令部防衛部防衛課長)
1等空佐 宮崎剛

令和3年1月15日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2021/0115a.pdf

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