2022年3月、海上自衛隊の海将・海将補の人事異動が防衛省から発令された。
さて、今回の海将・海将補人事で注目すべきはやはり、酒井良(第31期)の海上幕僚長着任だろう。
イケメンのナイスガイであり、滋賀県出身の第31期の将官だ。
世界有数の練度・精強さを誇る海上の実力組織を、海無し県である滋賀出身の酒井が率いるというのだから、ある意味で特筆すべき人事である。
滋賀県出身の管理人として、心から歓迎し応援したい。
しかしこれによって・・・
管理人が大好きな将官の一人であり、海幕長着任を事あるごとに推していた湯浅秀樹(第30期)は、自衛艦隊司令官のポストを最後に退役することが決まってしまった。
まーたしても、「あそこの管理人が推したら、海上幕僚長になれない」という伝説を一つ積み上げてしまったわけだが(泣)、しかし湯浅は、潮風の薫りが似合う男なのである。
市ヶ谷の街なかで防衛省職員に見守られながら退役の日を迎えるより、潮風の中、将官艇に乗り込み、令夫人とともに船越を去るほうが、美しい。
きっと退役の日も、「笑う門には福来る」のモットーのままに、「仕事をやりきった、爽やかな笑顔」で帽振れをしてくれるのだろう。
まだ少し気が早いとはいえ、本当に心からの敬意と感謝を申し上げたいと思う。
なお余談だが、実は筆者は、新海上幕僚長の酒井と同じ滋賀県出身である。
酒井の時代にあったかどうかは定かではないが、管理人の時代は、小学校5年生で琵琶湖にカッターを浮かべ、漕艇訓練をするというイベントが有った。
滋賀県全土の小学校5年生が対象で、1泊2日で「うみのこ」という学習船に乗り込み、カッターに移乗して、琵琶湖の上でボートを漕ぐのである。
また淡水浴に馴染みのない人であればほとんど知らないと思うが、実は淡水は浮力が弱く、泳ぐのが難しい。
そのため毎年、琵琶湖では多くの水難事故が発生しているのだが、琵琶湖は高波もあり最大深度は100mを越え、実はけっこう危険な湖なのだ。
まあそれでも、外洋の危険性に比べるべくもないが、海無し県だからといって水になじんでいないわけではないということである。
ぜひ、そんな滋賀県出身の酒井ちゃんを、国民挙げて応援して頂きたいと思っている。
なお例によって、アイキャッチ画像の美しい女性は人事異動とは何の関係もない。
海上自衛隊伝統の初級幹部による世界1周・遠洋練習航海において、帰国時に開催された入港セレモニーを写した一コマだ。
おそらく、長らく会っていなかった愛娘との再会を喜ぶママさん自衛官だろうか。
心温まるようでいて、お子さんもまだまだ幼い中で、男性・女性の区別なく国防に従事する自衛官という職場の厳しさも感じられる一枚である。
しかしだからこそ、「今この時」を大事に、密度の濃い人間関係と人生を歩むことができるのも、自衛官という生き方ではないだろうか。
ぜひ、臆すること無く一人でも多くの若者に、この誇り高い仕事を志して欲しいと願っている。
その他、詳細な人事異動の内容は以下の通り。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:海上自衛隊公式Webサイト)
海将補に昇任させる
(海上幕僚監部防衛部防衛課長)
1等海佐 清水徹
(航空集団司令部訓練主任幕僚)
1等海佐 髙田哲哉
(情報本部情報官)
1等海佐 南厚
防衛大学校訓練部長を命ずる
(護衛艦隊司令部幕僚長)
海将補 西脇匡史
海上幕僚監部総務部副部長を命ずる
(情報本部情報官)
海将補 南厚
海上幕僚監部人事教育部長を命ずる
(第5航空群司令)
海将補 金嶋浩司
海上幕僚監部防衛部長を命ずる
(潜水艦隊司令部幕僚長)
海将補 竹中信行
海上幕僚監部監察官を命ずる
(防衛大学校訓練部長)
海将補 保科俊朗
護衛艦隊司令部幕僚長を命ずる
(第2護衛隊群司令)
海将補 今野泰樹
第2護衛隊群司令を命ずる
(海上幕僚監部防衛部防衛課長)
海将補 清水徹
第2航空群司令を命ずる
(航空集団司令部訓練主任幕僚)
海将補 髙田哲哉
第5航空群司令を命ずる
(第2航空群司令)
海将補 降旗琢丸
潜水艦隊司令部幕僚長を命ずる
(海上幕僚監部総務部副部長)
海将補 小杉正博
大湊地方総監部幕僚長を命ずる
(海上幕僚監部監察官)
海将補 中村敏弘
退職を承認する
(大湊地方総監部幕僚長)
海将補 横田友範
令和4年3月30日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2022/0330c.pdf
海将に昇任させる
(統合幕僚監部総務部長)
海将補 伍賀祥裕
(海上幕僚監部人事教育部長)
海将補 泉博之
(海上幕僚監部防衛部長)
海将補 大町克士
統合幕僚監部運用部長を命ずる
(統合幕僚監部総務部長)
海将 伍賀祥裕
舞鶴地方総監を命ずる
(統合幕僚監部運用部長)
海将 下淳市
大湊地方総監を命ずる
(海上幕僚監部人事教育部長)
海将 泉博之
教育航空集団司令官を命ずる
(海上幕僚監部防衛部長)
海将 大町克士
退職を承認する
(教育航空集団司令官)
海将 森田義和
令和4年3月30日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2022/0330b.pdf
海上幕僚長を命ずる
(横須賀地方総監)
海将 酒井良
横須賀地方総監を命ずる
(大湊地方総監)
海将 乾悦久
呉地方総監を命ずる
(舞鶴地方総監)
海将 伊藤弘
退職を承認する
(海上幕僚長)
海将山村浩
(呉地方総監)
海将園田直紀
令和4年3月30日付
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2022/0330a.pdf
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