北部方面隊の創隊記念行事や、第2師団・第7師団などの師団開設祭と同等以上に大人気のイベント、
「陸上自衛隊北部方面隊 創隊記念音楽まつり」
の2017年度の案内が開始された。
しかも今年は、65年目の自衛隊記念イベント。
例年以上の規模で観客を楽しませてくれる音楽祭になりそうだ。
もともと自衛隊所属の音楽隊は日本有数の練習時間(量)を確保できるとされ、音楽関係者の人気が高い。
音楽大学卒業者にとっては、曹候補生で採用されると一生プロの音楽家として演奏で飯が食えるとあって、毎年相当な応募者が殺到するため倍率も極めて高い。
採用の段階で多くの才能ある演奏家が集まり、かつ文字通り命がけで、自分以外の誰かのために音楽を演奏することで勇気と感動を与え国を守るのが仕事のプロになるわけである。
彼ら・彼女らの演奏技術が低いわけがなく、その音楽祭の人気が高いのも当然といえるだろう。
これまでに陸海空全ての音楽祭に出席したが、総じて陸自の音楽祭は武骨で男らしく力強いのが特徴だ。
いい意味で華麗さなど無い。
ただ、音楽演奏に実直であり飾り気のない真っ向勝負で出演者に「勝負」を挑んでくる。
もちろん、各駐屯地ごとで編成された「地域太鼓」のような力強い演目も前面に押し出してくる。
余談だが昔、中部方面隊音楽祭に招かれ最前列で見学している時、太鼓演奏者のバチが手をすり抜け飛んでいってしまったことがある。
もちろんバチは客席に飛ばずステージに転がったのだが、バチが飛んでいった方にいた演奏者は飛んできたバチには目もくれず一心不乱に太鼓を叩き続け、目の前をかするように床に落ちたバチなどまるで気がついていないかのようだった。
また、バチを飛ばしてしまった方の演奏者も一瞬たりとも表情を変えず、抜け落ちたバチがまるで存在するかのように素手で和太鼓を叩き続けていた。
和太鼓演奏者には女性もいるので、「男らしい」という表現は不適切かもしれないが、想定していなかった事態に対しても表情ひとつ変えず、不測の事態が起こったことをほとんどの観客に感じさせない振る舞いは見事であった。
ちなみに横で見ていた妻はその出来事に一切気が付かず、家に帰り撮影した動画で確認してやっとこの「珍場面」に気がついたほどだった。
なお演目だが、2017年のプログラムは発表されていないので2016年のプログラムを参考にすると、
序章
国歌「君が代」斉唱
第1章
第2音楽隊(旭川)「北の国から」
第5音楽隊(帯広)「アラジン」よりホール・ニューワールド
第7音楽隊(東千歳)旅立ちの時
第11音楽隊(真駒内)バンドのためのゴジラファンタジー
第2章
北海自衛太鼓・滝川しぶき太鼓「北の歩」
北部方面音楽隊(真駒内)赤い翼 ~バロン王国~
札幌国際大学ハンドベルクワイア くるみ割り人形
第3章
北部方面隊 全音楽隊
となりのトトロ・ハイライト
フィナーレ
という内容であった。
これが海上自衛隊音楽祭なら必ず「宇宙戦艦ヤマト 独唱」や「軍艦マーチ」というお約束の演奏があり、それを期待している会場も大いに盛り上がるのだが、陸自にはそのような「お約束」の持ちネタがない。
そういう意味でも本当に実直で真っ向勝負の演奏会だ。
だからこそのサプライズもあり、また演奏外での出し物もあるので、それが陸自音楽隊の楽しみなところだ。
ぜひ、一人でも多くの人に足を運んでもらいたい。
なお音楽祭の応募だが、インターネットや電話、FAXでの応募は一切なく往復はがきのみだ。
往復はがきに必要事項を記入し、2017年9月25日(金)必着で、北部方面総監部広報室に送る必要がある。
入場は無料で、当選者は往復はがき当選通知で2名まで入場できる。
日時は平成29年10月14日(土)で開場は17:00、開演は18:00。
場所は札幌市中央区北1条西12丁目にあるニトリ文化ホール(旧厚生年金会館)だ。
応募多数の場合は抽選になるが、重複応募は全て無効になるので、間違っても2枚以上出さないようにしよう。
人気のイベントであり当選は難しく、また当日は多くの人で混雑するのは確実だが、時間が取れるようであればぜひ応募の上、足を運んでみよう。
【イベントデータ】
名称:北部方面隊音楽まつり
開催場所:ニトリ文化ホール
所在地:札幌市中央区北1条西12丁目
日時:2017年10月14日(土)
開催時間:18:00~
問合せ先:011-511-7116(北方広報)
料金:無料
駐車場:無し
Web:北部方面隊公式Webサイト
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