坂田が陸上自衛隊に入隊したのは平成7年3月。
1等陸佐に昇任したのが平成26年1月なので、39期組1選抜(1番乗り)のスピード出世だ。
その初任地は頭号師団(第1師団)隷下の第1後方支援連隊輸送隊であり、いきなりの大舞台で、初級幹部としての知見を積み上げたことになる。
(画像提供:陸上自衛隊第8師団公式Webサイト)
その後、各地の輸送科部隊で指揮を執る傍ら、平成14年には第2次東ティモール派遣施設群の本部管理中隊要員として現地に赴任。
道路の補修や架橋を行うのみならず、これら重機のオペレーターを育成するなど、現地の人が自立して生活できるような、日本らしいPKO活動を展開し、我が国の国益に大きく貢献した。
その後は、陸幕装備部や防衛部など中央での勤務が続いたが、平成29年8月、東北方面輸送隊第309輸送中隊長以来となる現場指揮官として現職に着任。
我が国の最前線である第8師団の輸送幹部として、新しい防衛体制構築に汗を流している。
なお坂田の第39期であるが、最初の陸将補が選抜されるのが2020年夏の将官人事となっているために、2018年7月現在ではまだ誰が抜け出すのか、全く人事の先が見えるような状況ではない。
逆に言うと、2年後の昇任人事を睨み、心当たりのある1等陸佐が気合を入れて任務に励んでいる真っ最中と言った状況だ。
もちろん坂田も、1選抜で1佐に昇ったことや、あるいは平成16年から2年間の幹部学校付ではCGS(指揮幕僚課程)に学んでいたのであろうと推測されること。
またその後のキャリアから考えても、将来の将官候補の一人となるであろう。
かつての日本軍では、輸送科の士卒が軽く見られたという非常に不名誉な歴史があるが、現在の我が国の防衛構想の中ではその中心にあると言っても良い非常に重要な職種だ。
そしてその幹部である坂田にかかる国民の期待も、言うまでもなく非常に大きい。
輸送科の幹部という意味でも、その動向と活躍からは今後とも目を離せそうにない。
目を離さずに注目を続け、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第8師団公式Webサイト)
◆坂田裕樹(第39期) 主要経歴
平成
7年3月 陸上自衛隊入隊(第39期)
7年 月 第1後方支援連隊輸送隊(練馬)
14年3月 東北方面輸送隊第309輸送中隊長(霞目)
14年9月 第2次東ティモール派遣施設群本部管理中隊
15年3月 東北方面輸送隊第309輸送中隊長(霞目)
16年8月 幹部学校付(目黒)
18年8月 防衛医科大学校学生部(埼玉)
19年7月 陸上幕僚監部総務部総務課(市ヶ谷)
20年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
26年1月 1等陸佐
26年3月 統合幕僚監部防衛計画部計画課(市ヶ谷)
27年4月 陸上幕僚監部装備部装備計画課(市ヶ谷)
27年10月 陸上幕僚監部装備計画部装備計画課(市ヶ谷)
29年8月 第8後方支援連隊長
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