山口尚(やまぐち・たかし)は福井県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第36期の卒業で幹候73期、職種は普通科だ。
平成29年8月(2017年8月) 陸上自衛隊冬季戦技教育隊長・2等陸佐
前職は第14普通科連隊副連隊長であった。
なお、冬季戦技教育隊長としての指導方針は以下の通り
【統率方針】
「For The Team」
【要望事項】
先駆者たれ
部隊に還元せよ
(画像提供:陸上自衛隊冬季戦技教育隊公式Webサイト)
(画像提供:陸上自衛隊冬季戦技教育隊公式Webサイト)
2019年6月現在、札幌の真駒内駐屯地に所在する、陸上自衛隊冬季戦技教育隊長を務める山口だ。
冬季戦技教育隊は冬戦教とも呼ばれることがある、文字通り雪中戦や冬季山岳戦などを想定した訓練を行う部隊である。
この課程の修了者には、通常のレンジャーバッチとは異なる特別なレンジャー徽章が与えられることでも知られ、その訓練は極めて過酷だ。
部隊としては平時、北部方面混成団の隷下にあり、教育訓練を実施することが任務ではあるが、有事の際には特殊部隊としての任務を担うことが想定されている。
特に対ソ連(ロシア)戦闘において、上陸した敵性勢力に対し特殊攻撃・特殊作戦を敢行する役割が期待されてきた歴史を持つなど、「飛び道具」としての存在感が今も極めて大きい。
そういった意味では、特殊作戦群に先立つ、我が国で最も古い特殊部隊という言い方をしても、おそらく的はずれな評価ではないだろう。
そんな精鋭部隊を率いて、また有事の際には先頭に立ち任務を遂行することが求められる山口だ。
数々の印象深い任務をこなしてきたが、これまでのところ、やはり印象深いポストといえば現職であろうか。
先述のように、冬季戦技を想定した非常に厳しい訓練を実施する組織だが、同時にそれは、装備や作戦面でのさらなる改良や研究・開発を行うことで、陸自の部隊全体に、その収穫をフィードバックする役割も担う。
特に北海道の普通科の場合、冬季における訓練や想定は過酷なものばかりであり、まただからこそ、冬季戦技競技会の対抗戦では部隊の名誉をかけた本気の戦いが繰り広げられる。
ある意味において、北部方面隊にある普通科にとって、冬季戦技を極めることが一つのアイデンティティであり、プライドであると言ってもよいのではないだろうか。
そしてこの冬も、隷下30度の原野に進み、カチカチに凍った糧食で命を繋ぐ過酷な訓練に臨む。
では、そんな精鋭部隊を率い、また教育訓練を実施する責任者たる山口とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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