影浦誠樹(かげうら・せいき)|第33期・航空自衛隊

影浦誠樹は昭和41年6月生まれ、愛媛県砥部町出身の航空自衛官。

防衛大学校第33期の卒業で幹候89期、出身職種は恐らく要撃管制と思われる。

平成27年12月(2015年12月) 防衛大学校教育学群長・空将補

前職は航空幕僚監部補任課長であった。

第33期のトップエリートにして、航空幕僚長候補の一人と言って良いであろう、影浦である。

スーパーエリートであるにも関わらず、防衛省の公式Webサイトから画像を探し出すのに苦労したが、恐らく上記の1枚が、顔を判別できる形で写り込んでいる唯一の画像であった。

右端の空将補が影浦だ。

その自衛官としてのキャリアは徹底した研究肌であり、現場指揮を執っていたのは尉官時代まで。

3等空佐に昇ってからは空幕か統幕にあり、また海外留学を繰り返すなどして、2015年からはその幅広い学識を活かし防衛大学校教育学群長に着任。

統率及び防衛学特論の授業を受け持ち、20年~30年後に我が国の平和と安全を請け負う最高幹部のタマゴたちを育てている。

その研究者としてのキャリアは極めて充実している。

空自に入隊してまだ5年目であった20代後半には、米国チャップマン大学院に留学。

チャップマン大学はカリフォルニア州に位置する私立大学で、この地において人材管理開発学の修士課程を学び、その研究者としての最初のスタートを切る。

平成12年には、指揮幕僚課程を韓国の空軍大学で履修。

また平成16年にはハーバード大の大学院修士課程を履修し、国際問題研究所のアソシエイトとしても経験を積んだ。

さらに平成24年からは、米国ブルッキングス研究所のエグゼクティブフェローとして勤務するが、ブルッキングス研究所は米国の有力シンクタンクの一つであり、特に民主党系の議員や政権に大きな影響力を持つ組織だ。

そして面白い事に、同期でライバルでもある安藤忠司(第33期)は、影浦に先立つこと2年前の平成22年から、同じ米国に所在する、スタンフォード大学のフーバー(フーヴァー)研究所に留学している。

フーバー研究所はブルッキングス研究所と対照的に、保守系議員や政権に大きな影響力を持つシンクタンクであり、その研究成果は時に世界の歴史観にも影響を及ぼすものである。

影浦はリベラル系のシンクタンクに学び米国人の意識を探る。

安藤は保守系のシンクタンクに学び米国人の意識を探る。

同じ33期の同期にそれぞれ異なる役割を任せることもまた、空幕の人材配置の妙を感じさせる人事であった。

さて、それら知見に溢れたキャリアを活かし、防衛大学校教育学群長のポストにある影浦だが、その33期の航空幕僚長候補レースはどのようになっているのか。

2017年12月現在の情報だが、以下の空将補たちがそれぞれ、切磋琢磨しながら任務に励んでいる。

南雲健一郎(第33期)・中部航空方面隊副司令官(2014年8月)

森田雄博(第33期)・第3補給処長(2014年8月)

安藤忠司(第33期)・航空戦術教導団司令(2015年3月)

今城弘治(第33期)・航空総隊司令部防衛部長(2015年12月)

影浦誠樹(第33期)・防衛大学校防衛学教育学群長(2015年12月)

石上誠(第33期相当)・防衛装備庁調達事業部総括装備調達官(2016年12月)

増田友晴(第33期)・幹部候補生学校長(2017年8月)

※肩書はいずれも2017年12月現在。( )は空将補昇任時期。

33期組はまだ空将に昇る年次には達しておらず、最初に空将に昇るものが誕生するのは2020年の予定だ。

そのため、この7名が33期のトップ集団と言って良いが、中でも南雲と森田が頭一つ抜けており、それを安藤、今城、影浦が追う展開となっている。

石上と増田については、空将補に昇った時期の関係で、1選抜での空将着任の可能性はまず無い。

恐らく2020年夏の将官人事で空将に昇るのは南雲、森田、安藤のうちの2名であると思われるが、航空幕僚長人事と空将人事は、陸海自衛隊に比べ、空将補昇任時期が絶対的とも言えるほどの差とはならないことも多い。

そのため、33期組の空幕長レースは、上記3名に比べ、今城と影浦も可能性は十分あると言って良いだろう。

一方で影浦の場合、全軍を俯瞰し統率することを求められるキャリアというよりも、研究者として知見を蓄積し、その高い能力で組織を作り、後進を育てることが期待されている役割という側面が大きい。

あるいはこのままこの路線でキャリアを積んで、教育系の要職を歴任することで我が国の平和と安全に貢献する活躍を見せてくれるのではないだろうか。

この先の5~10年間の国防を、中心になって担う33期の最高幹部である。

その活躍と動向には今後とも注視し、随時レポートを更新していきたい。

◆影浦誠樹(航空自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 航空自衛隊入隊(第33期)
年 月 中部、南西、西部の各航空警戒管制団
6年5月 チャップマン大学院人材管理開発学修士課程修了
12年1月 3等空佐
12年12月 大韓民国空軍大学指揮幕僚課程修了
13年1月 航空幕僚監部防衛課
15年7月 2等空佐
16年6月 中央業務隊付(ハーバード大大学院修士課程)
18年7月 航空幕僚監部防衛課
19年8月 統合幕僚監部計画課
20年1月 1等空佐
21年8月 統合幕僚監部庶務班長
22年8月 航空幕僚監部業務計画班長
24年2月 航空幕僚監部防衛課付(ブルッキングス研究所エグゼクティブフェロー)
24年8月 航空幕僚監部人事計画課調整官
25年8月 航空幕僚監部補任課長
27年12月 防衛大学校教育学群長 空将補(統率、防衛学特論 担当)

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省 防衛大学校公式Webサイト(集合写真及び卒業式写真)

http://www.mod.go.jp/nda/times/no195.html

http://www.mod.go.jp/nda/times/no190.html

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