【退役】石本龍一(第1空挺団・2等陸佐)|第40期相当・陸上自衛隊

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その石本が陸上自衛隊に入隊したのは昭和57年8月。

真駒内の第3教育連隊に入り、2等陸士として厳しい自衛官生活のスタートを切った。

なお後期教育ではさっそく第1空挺団普通科群に学び、今日に続く空挺戦士としての礎を築き始める。

(画像提供:「ああああ」様撮影画像 運営ツイッターより許可を得て掲載)

その後、陸士・3等陸曹時代を第1空挺団で過ごし、2等陸曹に昇ってからは留萌の第26普通科連隊でも勤務を経験。

そして3等陸尉として幹部任官した平成9年3月には、同じ留萌の第26普通科連隊で重迫撃砲中隊の迫小隊長、さらに名寄の第3普通科連隊第3中隊で小銃小隊長なども務めた。

さらに10年7月には幹部レンジャー課程を修めると、11年8月からは幹部候補生学校での教官ポストを歴任。

以降、第1空挺団での対戦車小隊長、第2中隊長などを務め、また26年8月には再び幹部候補生学校に赴任し、戦術教官や候補生隊長などの要職で手腕を発揮する。

そして28年8月、再び留萌の地に転じ第26普通科連隊の副連隊長を任されると、その後職として30年3月、第1空挺団第3普通科大隊長に上番した。

I幹部(部内叩き上げ)として第1空挺団の大隊長に昇ったのは、石本で史上3人目の快挙であった。

まさに指揮官として、また後進を指導する教育者として、これ以上はない陸自を代表する幹部の一人であったと言ってよいだろう。

 

なお上記写真3枚は、2018年の習志野駐屯地夏祭りでの一コマだ。

これだけの「叩き上げエリート」だからこそできる大騒ぎである・・・(笑)

こんなバカな真似を部下が上司に進言し、そして上司が部下とともに練習をする組織が、果たして脆弱であろうか。

これだけでも、第1空挺団の精強さと、石本がどれほど、人心掌握に長けているのか。

その事がよく分かるエピソードであった。

※ああああ様、画像のご提供、本当にありがとうございました!

 

そんな石本が、間もなくとなる2019年3月23日に退官となるのは、先述のとおりだ。

非常に寂しく、我が国の安全保障に対する大きな損失ではあるが、これもまた自衛隊が精強であり続けるために、仕方のない仕組みなのだろう。

せめて退役の日まで、その活躍を応援し続けたいと願っている。

 

そして2019年3月2日。

その石本2佐の退官記念パーティーである、「石本大隊長を囲む会」に光栄にもご招待を頂き参加してきたので、その際の模様を最後にご紹介したい。

記念品の贈呈に、幹部候補生学校時代の教え子たちから似顔絵と寄せ書き、さらに各種徽章と思われるプレートの贈呈などが続く。

なおこの際の教え子(若手幹部)からのスピーチは、通り一遍の「感謝の言葉」「石本大隊長は凄い」というような型にはまったものではなく、本当にウイットに富んだ、上司への愛情を感じる感動的なものであった。

 

そしてこちら、石本大隊長から美しい令夫人への感謝も忘れない。

長年に渡り、自衛官の妻として石本2佐と共に戦い続けてくれた妻への、感謝の花束の贈呈である。

とても上品で立ち居振る舞いの美しい令夫人であったが、石本2佐への愛情あふれる数々のスピーチを聞きながら、時にそっと涙を拭いていらっしゃるのが印象的だった。

石本2佐の活躍はこの令夫人の活躍もあってこそのものだと、一国民として本当に心から感謝をお伝えしたいと思う。

本当に、お疲れ様でした。

ありがとうございました。

 

会の締めは、やはり第1空挺団長である戒田重雄(第35期)のスピーチだ。

35期1選抜で昇任を続けるエリートであり、2022年には陸将に昇任して、いずれかの師団長に昇ることは確実な我が国の安全保障の根幹を支える最高幹部である。

威厳を感じさせながらもお話しやすいお人柄、巧みなスピーチ、たまに交えるジョークのセンスと併せて国防に対する真摯で熱い想い・・・

これが陸上幕僚長候補たる最高幹部なのかと、その凄さを感じずにはいられない陸将補であった。

なお管理人はこんなサイトを運営してしまうほどに自衛隊と自衛官を愛しているミーハーなので、もちろんスキを見て握手をして頂いた。

戒田団長、お忙しい中、ありがとうございました!

 

こちらは、私がお世話になっている地元の自衛隊協力会幹部の緒方様。

私をこの素晴らしい協力会に招いて頂いたのは、やはり幹部であるS様だが、その他にも多くの幹部の皆様にとてもお世話になり、いろいろな事をお教え頂いている。

※この場をお借りして、皆様に改めて感謝を申し上げます。いつもありがとうございます!

 

なお緒方様のご子息は、高等工科学校で学ぶ現役の自衛隊員だ(まだ自衛官ではない)。

第一教育隊(1年生)の前期で教育委員長(いわゆる学年委員長)を務めるなど、将来が楽しみな若者である。

またお顔を拝見したことがあるが、超イケメンでもあり、実に羨ましいご子息であった。

石本2佐のように、昭和から平成の時代にかけて平和を担い続けた幹部が自衛隊を去る一方で、今や緒方さんのご子息のように、2000年代に生まれた若者が早くもその後に続いている。

このようにして、自衛隊の多くの先輩達が積み上げた多くのものを後進が繋いでいく伝統が、自衛隊の強さの源泉だ。

そんな事を改めて思わずにはいられない、ベテランの退役と若者の活躍に多くのことを考えさせて頂いた一日になった。

なお写真を撮影しているのはS様であり、2枚撮って頂いて2枚ともピンぼけであった・・・。

 

最後にこちら、石本2佐とも親しく握手をして頂いた。

石本2佐の最後のスピーチは笑いあり涙ありで、管理人自身も何度か目から汗が出るほどに素晴らしいものであった。

何かを成し遂げた者にしか見えない風景が、今の石本2佐には見えているのだろう。

誇り高い任務を完遂し続けてきた石本2佐が退役されるにあたり、本当に素晴らしいお時間を共有させて頂いた、素晴らしい体験だった。

 

最後に、その石本2佐について。

略歴ではポストはわかるが、具体的な任務内容まではわかるものではない。

石本2佐は、数々の災害派遣の場でももちろん活躍を続けてきたが、1985年(昭和60年)の日航ジャンボ機墜落事故では御巣鷹山に赴き、あの過酷な救命活動でも現場で力を発揮した。

また東日本大震災にあっても、福島原発至近で緊急任務にあたり、また行方不明者捜索でも震災直後から3ヶ月以上、現地で活動を続けている。

 

これは石本2佐だけに限ったことではないが、これほどまでに国防に尽力し、我が国の平和と国民のために心身を捧げてきた自衛官であるにも関わらず、退役の際に一般にリリースされるのは将官のみである。

余りにも寂しいことだ。

ぜひ、この記事を読んで頂いた人にお願いをしたいことは、このように任務に誠実であり続け、そして人知れず静かに自衛隊を去っていく多くの幹部曹士の皆様にこそ、ぜひ思いを馳せて欲しいと言うことである。

そして機会があればぜひ、自衛隊という組織を今以上に応援して欲しい。

かっこいいポストや目立つ仕事をしている人だけでなく、むしろ一般に知られること無く、しかし重要な任務に真摯に向き合っている自衛官にも注目して欲しい。

そんな思いを新たにした石本2佐の自衛官人生であり、そして退官パーティーでの時間であった。

 

最後に改めて、石本2佐の誇りある自衛官人生とその数々のご活躍に、心からの敬意と感謝を申し上げます。

本当にありがとうございました。

そして、石本2佐を支え続けてこられた令夫人とそのご家族の皆様も、私たち国民の誇りです。

併せまして、心からの感謝を申し上げます。

長年に渡り、本当にお疲れ様でした、ありがとうございました。

 

石本2佐の退役の日が、桜の花に彩られた暖かな良い日になることを。

そして石本2佐とご家族の皆様のご多幸を、心からお祈り申し上げております。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

◆石本龍一(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
57年8月 陸上自衛隊入隊 第3教育隊(前期・真駒内)
57年11月 第1空挺団普通科群(後期・習志野)
58年3月 第1空挺団普通科群第2中隊小銃手 基本降下課程第169期
58年7月 LR手 1等陸士
59年7月 陸士長に昇任
61年7月 第3陸曹教育隊陸曹候補生69期 ※迫撃砲に特技変換
61年9月 第3陸曹教育隊 迫撃砲69期
62年3月  第1空挺団普通科群第4中隊迫分隊長(習志野)
62年8月 降下長課程第58期
62年10月 空挺レンジャー課程第75期

平成
4年3月 第1空挺団普通科群第4中隊運用訓練陸曹
5年1月 2等陸曹に昇任
6年1月 第1空挺団普通科群第4中隊前進観測陸曹
6年8月 第26普通科連隊重迫撃砲中隊前進観測陸曹等(留萌)
8年4月 幹部候補生に指定
8年10月 一般幹部候補生課程第77期
9年3月 第26普通科連隊重迫撃砲中隊迫小隊長 3等陸尉
9年3月 第3普通科連隊第3中隊小銃小隊長(名寄)
9年4月 幹部初級課程第77期
10年7月 幹部レンジャー課程B第7期
11年3月 普通科作業課程第39期
11年7月 2等陸尉
11年8月 幹部候補生学校学生隊第1候補生隊付教官(前川原)
12年8月 幹部候補生学校総務課・校長副官
13年3月 幹部候補生学校学生隊第1候補生隊付教官
14年3月 幹部候補生学校学生隊第2候補生隊付教官
14年8月 第1空挺団対戦車小隊長(習志野)
14年10月 幹部上級課程第116期
15年7月 1等陸尉
16年1月 第1空挺団本部3科運用訓練幹部
19年4月 富士学校付・幹部特修課程第9期(富士)
20年3月 第1空挺団第3普通科大隊本部第3係主任(習志野)
20年7月 3等陸佐
22年3月 第1空挺団第1普通科大隊第2中隊長
24年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課業務計画班(市ヶ谷)
25年7月 2等陸佐
26年8月 幹部候補生学校教育部第1教育課戦術教官(前川原)
26年12月 幹部候補生学校学生隊第1候補生隊長
28年8月 第26普通科連隊副連隊長(留萌)
30年3月 第1空挺団第3普通科大隊長(習志野)
31年3月23日 定年退官

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4件のコメント

管理人様千葉までの取材出張お疲れ様でした、自衛隊幹部と言えば防大や一般大学出身の方々に注目が集まりますが、幹部の半数は部内幹候です、自衛隊の基幹部分を支えているのは部内幹候に他成りません、そしてそれを支えるのは曹の方々です、管理人様今後とも 防衛省 自衛隊 に暖かい声援ょ送って下さい。

すーさん!
こちらこそ、本当にいつもありがとうございます。
承知しました、ますます気合を入れて応援してまいります!
/)`・ω・´)

管理人さま
はじめてコメントさせていただきます。
石本2佐、空挺第二中隊長時代の福1原発帰りに
パーキングエリアで一緒に写真を撮らせて頂き
その写真は私の宝物です。写真をお願いした時、
ただならないオーラを発していたことを鮮明に覚えています。
退官されたのですね。
本当にお疲れ様でした。

わかいさま

コメント頂きましてありがとうございました!
石本さんとそんなご縁があったのですね。
しかも福一のお帰りのときとは、凄いタイミングでご一緒されましたね。
本当に宝物にして、お写真大事にして下さい。

この記事でもお伝えしていますが、本当に卓越した幹部であったことがわかる、素晴らしい退役の会でした。
今頃どうされているのかな・・・。

コメントありがとうございました!

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