宮内雅也(みやうち・まさや)|第38期・第11普通科連隊長

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その宮内が陸上自衛隊に入隊したのは平成6年3月。

1等陸佐に昇ったのが25年7月であったので、38期組1選抜後期(1番手グループ)となるスピード出世だ。

原隊(初任地)は日本原に所在する第13戦車大隊であり、同地で初級幹部として鍛えられ、厳しい自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:陸上自衛隊第11普通科連隊公式Webサイト

その後、職種部隊で見ると、同じ日本原の第13戦車中隊を経て、第10戦車大隊、第10偵察隊などでも現場経験を積み、CGS(指揮幕僚課程)に合格し2年間の学生生活を送る。

そしてCGSを終えると配属されたのが、なんと今度は、日本原に所在する第13特科隊である。

思わず「え・・・?」と二度見をしてしまったが、機甲科の幹部が特科で勤務をすることなどあるのだろうか。。

もしかしたら、中の人にとって見れば「当たり前じゃん、何いってんの?」と言われそうだが、これまで陸自の幹部の皆様を270名以上記事にさせて頂いてきて、初めて見たキャリアだ。

普通科と機甲科、施設科と普通科というクロス配置はたまに見るが、機甲科の幹部が特科勤務をする例は初めて見た。

きっと、そう多くはないのではないだろうか。

そういった意味でも、宮内がこの第11普通科連隊を率いる指揮官であることは、とても自然なことに思われる。

そして中隊長ポストは、またも同じ日本原であり、初代となる第14戦車中隊長を務めた。

なお第14戦車中隊は2018年3月、陸自大改革により廃止となり、第15即応機動連隊に吸収され機動戦闘車隊として新たな歴史を刻み始めている。

 

その間、スタッフや幕僚としては、中央(陸上幕僚監部)では人事部厚生課で勤務。

地方では北部方面隊が中心であり、第7師団司令部第3部、北部方面総監部防衛部防衛課、第7師団司令部第3部長などで要職を歴任した。

そして平成29年8月、東千歳の精鋭・第11普通科連隊長に着任し、1500名もの大所帯を率いて活躍している。

我が国を代表する機動戦闘集団を率いるにふさわしい、非常に充実したキャリアを誇る1等陸佐であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その宮内と動機である38期組の人事の動向について見ていきたい・・・と言いたいところだが、38期組は2019年夏の将官人事で、最初の陸将補が選抜される予定の年次だ。

そのため2019年5月現在では同期のご紹介は割愛し、また将官人事が発令されてから加筆をしたいと思う。

 

いずれにせよ宮内は、これからの時代の陸自に不可欠な、諸職種協働を指揮するにふさわしいキャリアに長けた高級幹部だ。

その活躍の場がますます広がっていくことは疑いなく、さらに重い責任を担っていくことになるだろう。

その活躍にはこれからも注目を続け、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第11普通科連隊公式Webサイト

◆宮内雅也(陸上自衛隊) 主要経歴

6年3月 陸上自衛隊入隊(第38期)
7年3月 第13戦車大隊(日本原)
11年3月 第13戦車中隊(日本原)
12年3月 第10戦車大隊(今津)
14年3月 第10偵察隊(春日井)
15年8月 第49期指揮幕僚課程(目黒)
17年8月 第13特科隊(日本原)
18年3月 第14戦車中隊長(日本原)
20年3月 第7師団司令部第3部(東千歳)
21年8月 陸上幕僚幹部人事部厚生課(市ヶ谷)
24年3月 北部方面総監部防衛部防衛課(札幌)
25年7月 1等陸佐
26年8月 第68期幹部高級課程(目黒)
27年3月 第18期統合高級課程(目黒)
27年8月 第7師団司令部第3部長(東千歳)
29年8月 第11普通科連隊長(東千歳)

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2件のコメント

迫撃は別の部隊にすれば良いと思います。第6中隊は本来予備中隊です。本部管理中隊とかいらないと思います。

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