佐藤幹彦(さとう・みきひこ)|第39期相当・第6特殊武器防護隊長

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佐藤幹彦(さとう・みきひこ)は平成7年3月幹部候補生学校入校の陸上自衛隊。

幹候は第76期のため、防衛大学校の卒業生であれば第39期ということになるが、卒業種別が不明のため明らかになれば加筆をしたい。

職種は化学科だ。

 

平成31年3月(2019年3月) 第6特殊武器防護隊長・2等陸佐

前職は化学学校教導隊長であった。

なお、第6特殊武器防護隊長としての指導方針は以下の通り。

 

【統率方針】
本質を捉えた任務の完遂

【要望事項】
夢を持て

(画像提供:第6特殊武器防護隊公式Webサイト

(画像提供:第6特殊武器防護隊公式Webサイト

2019年5月現在、第6師団隷下、神町駐屯地に所在する第6特殊武器防護隊長を務める佐藤だ。

特殊武器防護隊はNBC兵器、すなわち核兵器(Nuclear weapon)、生物兵器(Biological weapon)、化学兵器(Chemical weapon)による攻撃に対処する部隊であり、非常に危険な状況下で体を張って任務を遂行することが求められる。

特に我が国の場合、正面からの戦争を仕掛けてくる敵の存在はなかなか想定できないものの、都市部に対するNBC攻撃は極めて現実的な脅威であり、そういった意味では常在戦場の緊張感を求められる部隊だ。

 

その特殊武器防護隊について。

災害派遣の現場においても非常に過酷な任務を求められる事が多く、あの未曾有の国難となった東日本大震災においては、福島第一原発の至近距離で任務にあたったことで知られる。

自衛隊もやはり、どれほどの精鋭集団であったとしても原発が爆発し、致死量の放射線が漏れ出すような事態に対処する能力を持ち合わせるのは、特殊武器防護隊をおいて他に存在しない。

そのため発災直後には、第6特殊武器防護隊を含む全国に所在する特殊武器防護隊の隊員たちは直ちに福島に招集され、中央特殊武器防護隊の臨時の指揮下に編入された。

この際に求められた任務は、原発に対処する自衛隊や東京電力社員の防護対策と、さらに汚染した衣服や各種機材の除染もしくは処理など。

さらに、その特殊知識を活かし、今にも爆発しかねない原発への対応にもあたることになった。

まさに過酷としか言いようがない任務だが、そのピークはやはり、あの水蒸気爆発の瞬間だろうか。

当時、中央特殊武器防護隊で隊長を務めていたのは岩熊真司・1等陸佐。

岩熊隊長は東京電力から、「冷却機能を喪失してしまった3号機に、冷却水を補給して欲しい」という無茶にもほどがある要請を受け、現場に急いでいた。

そして小型のジープに乗り隷下隊員とともに現場に駆けつけたまさにその瞬間、鈍い爆発音と共にあの原子力建屋の大爆発が発生。

岩熊隊長以下、全員が爆発に巻き込まれ隊員4名が負傷する事態となってしまった。

ただこの際にも、あれほどの爆発であったにも関わらず部下の全員がとっさにシートの下に隠れるなどして、重傷を負ったものはおらず、その後も任務を遂行。

そして岩熊隊長は「部下に怪我をさせてしまったのは私の責任」とメディアに語るなど、強い責任感をもって最後まで部隊を率いて、国家の非常時に体を張り続けた。

いくらなんでも岩熊隊長のせいじゃないと申し上げたいところだが、これが自衛隊で指揮官に上番する幹部の心構えということなのだろう。

率先垂範で自ら陣頭に立ち活躍を続けたが、あの大震災の現場ではこのように、第6特殊武器防護隊をはじめとした、多くの特殊武器防護隊員たちが活躍していたことをぜひ、知ってほしいと願っている。

決して目立つことはないが、あらゆる非常事態において、最後の切り札として活躍してくれる頼もしい精鋭集団である。

 

では、そんな精鋭集団の一角である第6特殊武器防護隊を率いる佐藤とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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2件のコメント

コメント頂きましてありがとうございました!
関連箇所を、事実関係不明として書き換えました。

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