瀨戸慶一(瀬戸慶一)は昭和38年2月生まれ、神奈川県出身の海上自衛官。
東海大学を卒業し、昭和63年3月に海上自衛隊に入隊しているので、防衛大学校の期別でいうと第32期に相当する幹部ということになる。幹候は39期。
平成30年3月(2018年3月) 第2航空群司令・海将補
前職は呉地方総監部管理部長であった。
(画像提供:海上自衛隊八戸航空基地公式Webサイト)
2019年5月現在、第2航空群司令を務める瀨戸だ。
第2航空群は青森県八戸の八戸航空基地に所在し、P-3C哨戒機を運用し我が国周辺海域の警戒監視活動を行うことを任務とする。
その担当海域は能登半島以北の日本海側から北関東以北の太平洋側、それに北海道までを管轄するものであり、非常に広大な海域を受け持つ。
さらにその哨戒能力の高さから、他隊の担当海域にも展開することがあるなど、海自を代表する精鋭航空部隊だ。
その海自の哨戒部隊だが、近年では通常の周辺海域に対する監視活動を併せ、アフリカのソマリア沖・アデン湾における海賊対処部隊、すなわち派遣海賊対処行動航空隊としての活躍も顕著だ。
ご存知のように、アラビア半島周辺海域は世界の要衝であり、主要各国にとってもシーレンとして非常に重要な海域となる。
そのアラビア半島とアフリカとの間に位置するアデン湾は、紅海から続く狭小な海域にあり、地元武装勢力による海賊行為で、世界の物流に深刻なダメージを与えるに至っていた。
そのため、同海域における治安を維持し、物流の正常化を図ろうというのがこの派遣対処隊の任務だが、我が国は2009年3月の水上艦艇派遣に続き、同年5月の航空部隊派遣以来、2019年現在も同活動に要員を拠出し続けており、その国際的な評価は非常に高い。
もちろん、瀨戸率いる第2航空群もその中で主要な役割を果たし続けている。
直近では2018年6月から、第2航空群から派遣された高橋英樹・2等海佐率いる第31次隊が現地で活躍し、任務を完遂し全員無事の帰国を果たした。
なお余談だが、派遣航空部隊は2009年の第1次部隊以来、
第4航空群第3航空隊
↓
第5航空群第5航空隊
↓
第2航空群第2航空隊
↓
第1航空群第1航空隊
の4ローテーションで行われていたのだが、2015年10月からは、
第5航空群第5航空隊
↓
第2航空群第2航空隊
↓
第1航空群第1航空隊
の3ローテーション体制となった。
恐らくこれは、2015年3月から始まった第4航空群第3航空隊のP-3C哨戒機が、新型のP-1哨戒機に更新され始めたオペレーションの影響によるものではないだろうか。
新型機の運用には十分な習熟が必要な上に、複数機材が混在していれば、日常のオペレーションにおけるローテーションのやりくりにもきっとさまざまな苦労があるはずだ。
やがて第4航空群もこのオペレーションに復帰するとは思われるが、それまでは3つの航空隊による、極めて厳しい国際貢献活動が続く。
ただでさえ不足する人員と機材の中で、海自の航空部隊はここまで工夫に工夫を重ね、現場の幹部曹士による献身的な活動により、国内の監視活動と国際貢献活動を両立している。
ぜひ、そんな隊員の頑張りにも、目を向けてもらえれば幸いだ。
では、そんな精鋭部隊を率いる瀨戸とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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