沖津正俊(おきつ・まさとし)|第40期相当・第2施設大隊長

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沖津正俊(おきつ・まさとし)は昭和43年1月15日生まれ、山形県寒河江市出身の陸上自衛官。

平成8年に部内幹部として幹部に昇任にしているので、幹候は77期、防衛大学校第40期相当の幹部ということになる。

職種は施設科だ。

 

平成29年12月(2017年12月) 第2施設大隊長兼第2師団司令部施設課長・2等陸佐

前職は東北方面総監部装備部施設科建設班長であった。

なお、第2施設大隊長としての指導方針は以下の通り。

 

【大隊長統率方針】

任務の完遂

【大隊長要望事項】

誇りの堅持

執念の保持


(画像提供:第2施設大隊公式Webサイト


(画像提供:第2施設大隊公式Webサイト

2019年7月現在、北部方面隊の第2師団隷下、第2施設大隊長を務める沖津だ。

なお冒頭から突然、衝撃的な事をお伝えするようだが、実は沖津は2012年1月、陸自施設学校時代に自動車にひかれ重傷を負っていることを、産経新聞のバックナンバーが伝えている。

幹部自衛官が車にひかれるなど、国防上の懸念を含めていろいろなことを想像させられる事件であったが、それから7年余り。

続報も無く、沖津のキャリアも順調であることを考えると、どうやら本当に普通の交通事故であったようだ・・・。

 

そして事故から6年後となる2017年1月には、対ロシア戦の最前線で施設科の指揮官に着任するほどの回復を見せているということになる。

さすがに曹(士?)から上がった部内幹部の頑丈さと言うべきだろうか。

北部方面隊の精鋭・第2施設大隊を任される程に心身ともに強靭な幹部であることが、むしろ沖津のキャラクターの一部にもなっているキャリアだ。

 

さて、その第2施設大隊。

北部方面隊の精鋭・第2師団の大規模な部隊を支える施設部隊だけあって、大隊編成だがその隊員数は500名を数える。

連隊編成でも、軽編成の普通科部隊であれば650名規模であることを考えれば、2等陸佐が率いる大隊としてはやはり大所帯だ。

それもそのはずであり、やはり陸自の北部方面隊は、機甲科だけでなく普通科連隊も、その隊員数、装備、火力は非常に充実している。

特に火力については、十分な演習場の確保という地理的な要因や、仮想敵がロシアということもあって、今となっては北方にしか配備がない装備もとても多い。

そしてそのような部隊の機動力を支え、演習場を整備し、また破壊工作に速やかに対応するためには、正直これでもまだ、十分な規模とは言えないだろう。

そのため北方では、2008年に廃止をされた第3施設団が2017年に復活・再編されるなど、厳しい予算削減が続く陸上自衛隊の中でも、その予算や規模が維持される傾向にある。

沖津が任されている第2施設大隊とはそのような、我が国の最精鋭部隊の活動を支える、極めて重要な任務を帯びる部隊である。

 

では、そのような精鋭部隊を任されている沖津とはこれまで、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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2件のコメント

キャリア官僚と幹部自衛官の比較は無理があるのはご指摘の通りですが、諸外国の士官と日本の幹部自衛官の学歴を比較すると、やはり日本の幹部自衛官は異様なまでの低学歴集団だと思いますが、その辺いかがですか?

S様コメントありがとうございました。
ご指摘について、私は全くそうは思いません。
理由は大きく2つです。
まず「諸外国に比べ」低学歴であるという点。
元になった慶応大学の先生の論文では、諸外国というのを、どの程度の軍隊規模、どのような運用思想を想定している国と比較したのか正直よくわかりません。
またご存知のように、自衛隊は、比較すべき運用思想を持つ軍隊が他に存在しません。
ちなみに慶応の先生のコラムでは、冒頭で
「しかも、それは米軍や韓国軍にも劣るレベルだという。」
と書き始めています。
外征型であり、なおかつ世界最強の米軍を最低ラインであるかのように比較対象にし、また極端な陸軍中心型である韓国軍とも比較するなど、比較のモノサシが相当でたらめです。
軍隊とは国家の安全保障の為に存在するものであり、目的からブレイクダウンして、その構成、さらには幹部曹士の教育はプランニングされるべきです。
にも関わらず、「米軍や韓国軍にすら劣る」と、目的がまるで違う組織を比較して学歴を比較することが間違っています。
また最低限、「諸外国に比べ低学歴」というのであれば、G20 参加諸国の全ての国程度とは比較して欲しいものですが、定量的なデータが示されていません。
国際常識に外れると言う主張をするのであれば、その程度のデータは必要です。

2つ目の理由です。
こちらの方がむしろそう思わないメインの理由です。
もしあらゆるデータを調べた上で、自衛隊の士官が世界的に見て圧倒的に「低学歴」であるという事実が明らかになった場合。
それはつまり、内部から多くの曹士を抜擢し、幹部にしていることが100%の理由です。
幹部に任官するには、防衛大学校や一般大学を卒業し幹部候補生になること。
それ以外に、内部から抜擢されてあるいは大卒資格をとって採用試験を受け、幹部候補生になること。
主にこの2つのルートしかありません。
つまり、「低学歴集団」であるとするならば、それだけ現場を知る曹士経験者を、幹部に抜擢しているという事実を意味します。
自衛隊はそれだけ、「現場を知る幹部を重視」している事を意味するのであり、「知性を軽視」しているのではありません。
これはおそらく、先の大戦での組織運営の失敗も反省した上での編成なのでしょう。
旧軍では、現場を知らないエリートが無謀な作戦を次々に実行し、異常な自滅戦を繰り返しました。
まさに、現場を知らない軟弱な「知性」が、あのような悲劇と国家の破綻を招いたのです。
その反省から、現場を重視した組織になるのは当然の学習です。

なお余談ですが、戦争とは一般に、「底辺同士の戦い」と揶揄されます。
どの国でも、軍隊に入るのは食い詰めもので、字も読めず十分な言葉も話せず、他に仕事がない社会の最底辺層が志願するからです。
にも関わらず、自衛隊に志願をする曹士は文字通り「異常なまでに十分な教育を受けた集団」であり、ボトムのレベルの高さには、米軍の幹部も、
「なぜ自衛隊の曹士は、あんなにレベルが高いんだ」
と驚くことが多いと聞きます。
つまり、諸外国の軍隊ではとても、曹士から幹部に引き上げるレベルにある軍人がいないにも関わらず、自衛隊には幹部に昇任させてしかるべき曹士が多くいるということでもあります。

自衛隊が「低学歴」であるとするならば、それは我が国の国防に照らして目的にかなっているからであること。
但しそれは「知性の軽視」ではなく「現場重視」であること。
加えて、1選抜(将に昇り、最高指揮官になる幹部)の幹部では、例外なく大学院に進み、あるいは諸外国の大学院や研究機関への留学経験があること。
以上の理由から、「自衛隊が異様な低学歴集団である」という侮蔑は、まったく妥当性を欠くと考えています。

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