小林卓は昭和36年8月生まれ、群馬県出身の航空自衛官。
防衛大学校第28期の卒業で幹候は74期の卒業だ。
平成30年3月、第3術科学校長兼芦屋基地司令の補職を最後に、退役が決まった。
前職は防衛装備庁調達事業部総括航空調達官であった。
平成28年12月から、第3術科学校長兼芦屋基地司令を務めていた小林だ。
しかしながら、30余年に渡り奉職してきた自衛隊を、2018年3月27日に退役することが決まった。
これまで小林の記事を書いていなかったのだが、これが最初で最後の空将補紹介記事になってしまった。
さて、長年に渡り航空自衛隊の後方支援職種で卓越した手腕を発揮し、我が国の平和と安全に貢献をし続けていた小林だ。
その最後の補職となった第3術科学校長のポストは、航空自衛隊の後方支援職種にあたる隊員を広く養成する教育機関であり、総務、補給、施設管理、輸送といった術科教育を施す。
同職種で非常な功績を上げ、広く現場経験を積み上げてきた小林には、まさに適任のポストであったと言えるだろう。
なお、この第3術科学校長。
かつて、自衛隊初の女性将官(医官除く)となった柏原敬子(第23期相当)・元空将補が補職されていたことでも知られるポストだ。
医官を含む自衛隊史上初の将官に昇った佐伯光・元海将補に続き、梶田ミチ子・元空将補も女性として2例目の将官に昇ってはいるが、梶田の場合、いわゆる営門将補であったため、実質的な将補としての仕事はしていない。
そのため、武官として初めて将官に昇った実質的な女性ということで話題になった柏原であったが、小林は柏原から数えること3代後の第3術科学校長であった。
偉大な先輩に続き小林もまた、全身全霊で航空自衛隊を支える人材の育成にあたり、そして大きな仕事をすべてやり終えて、間もなく退官の晴れの日を迎える。
さて、後方支援系を中心に、我が国の平和と安全に非常な貢献をし続けてきた小林だが、その防大での期別は28期。
28期組と言えば、既に一つ上の27期組が陸空の幕僚長に着任しているので、ほとんどの幹部が退役し、28期組も本格的な退役が始まっている年次にあたる。
非常に寂しいことだが、どれほど優れた手腕を発揮し、我が国の安全保障政策には不可欠なことが疑いようのない人材であっても、軍事組織には新陳代謝が不可欠であり、退役の日が必ず来るということだ。
その一方で、28期組の空将たちは、次期空幕長をいつ発令されても良いよう、最前線で任務にあたり続けている。
そして2018年3月現在で、28期組で空将にあるものは以下の通りだ。
武藤茂樹(第28期)・航空総隊副司令官(2015年3月)
荒木文博(第28期)・航空幕僚副長(2015年7月)
山田真史(第28期)・航空支援集団司令官(2015年12月)
※肩書はいずれも2018年3月現在。( )は空将昇任時期。
この3名は、航空幕僚長である丸茂吉成(第27期)の跡を継ぎ、空幕長に着任する可能性がある最高幹部たちである。
最後まで残った28期組のメンバーということになるが、まだもう少し、のんびりと過ごすことができる日々がくるのは先になりそうだ。
小林が退役をするのは、2018年3月27日火曜日。
奇しくも、芦屋基地が所在する福岡県の桜満開日の予想は3月27日である。
なおかつ3月23日現在、27日の福岡県の天気予報は晴れであり、気温は21度まで上がる予想になっている。
最高のお花見日和の中、満開の桜たちが小林の新しい門出を祝福してくれることだろう。
本当にお疲れ様でした。
小林将補の第2の人生が、これまでと同様に非常に充実したものになりますことを、心よりお祈り申し上げます。
◆小林卓(航空自衛隊) 主要経歴
昭和
59年3月 航空自衛隊入隊(第28期)
平成
7年1月 3等空佐
11年7月 2等空佐
11年7月 航空幕僚長副官
13年3月 統合幕僚会議事務局第1幕僚室
15年4月 幹部学校付
16年1月 1等空佐
16年4月 補給本部防衛援護室長
17年12月 航空幕僚監部装備部補給課計画班長
19年4月 航空幕僚監部装備部装備課装備調整官
19年12月 第1補給処資材計画部長
22年7月 第4航空団整備補給群司令
24年8月 補給本部情報処理部長
27年8月 装備施設本部航空機調達官
27年10月 防衛装備庁調達事業部総括航空調達官 空将補
28年12月 第3術科学校長兼芦屋基地司令
30年3月 退役
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。
【引用元】
防衛省航空自衛隊 芦屋基地公式Webサイト(プロフィール画像及び各種イベント)
http://www.mod.go.jp/asdf/ashiya/kichishirei/index.html
http://www.mod.go.jp/asdf/ashiya/news_paper/index.html
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