2019年12月、海上自衛隊・海将人事が発令された。
今回の異動で海将に昇任したのは2名。
海幕の艦船・武器課長や装備計画部長、装備庁の艦船設計官など、一貫して技術畑を歩んできた柴田弘(第32期相当)。
それに、第2航空隊司令、第4航空群司令、第31航空群司令など、航空畑で活躍を続けてきたいかにもスマートな海自らしいイケメン・二川達也(第32期)の2名だ。
32期組からは、2019年夏の将官人事で伊藤弘(第32期)が一足先に1番乗りで海将に昇任しているが、この3名が32期組からの1選抜海将と言うことになりそうだ。
中でも伊藤と二川が、近い将来の海上幕僚長候補ということになるのではないだろうか。
また今回、2名の昇任に合わせるように3名の海将が退役の時を迎えた。
海上自衛隊でもっとも重い責任を担うポストの一つである横須賀地方総監を務めた、渡邊剛次郎(第29期)。
一貫して技術畑で活躍をし続け、技術畑としてのポストを極めた防衛装備庁長官官房装備官として退役をする、佐藤直人(第28期)。
そして、27期どころか28期の海上幕僚長が2019年4月に着任をしてもなお、現役として活躍を続けた大塚海夫(第27期)。
3人が3人とも、もちろん印象深いキャリアの海将ばかりだが、中でも渡邊については1選抜で海将まで昇り、海上幕僚長候補のコースを最短距離で昇り続けてきた最高幹部だ。
その渡邊が、29期の最短距離で退役を迎えたのは「???」という気がしないでもない・・・。
もちろん、偉くなりすぎて次に行くことができるポストなどもう無いのだが、それにしても特急列車がそのまま終点の輪止めを突き破り、どこかに走り去るのをポカーンとしてみている気分である。
29期組でもっとも優秀な男が、29期の海将の誰よりも早く海上自衛隊を去ることになった。
この辺りは、本当によくわからない海自ならではの人事である・・・。
その他、今回の人事ではその横須賀地方総監を始めとした各地の総監クラスが異動になるなど、非常に印象深い大きな異動が発令されている。
詳細は以下から確認して欲しい。
なお例によって、アイキャッチ画像の美しい女性は、将官人事とは何の関係もない。
平成30年4月10日に横須賀教育隊で行われた入隊式において、晴れて海上自衛官になった若く強く美しい女性隊員の皆様だ。
この時に入隊を迎えたのは、第11期一般海曹候補生課程、第16期自衛官候補生課程として新たな海上自衛官になった840名。
長年に渡る務めを終えて自衛隊を去るものもいれば、新たに国防を志し海自の門を叩く者もいる。
退役の晴れの日にふさわしい一枚だと思い、選ばせて頂いた。
大塚海将、佐藤海将、渡邊海将。
本当に長い間お疲れさまでした、ありがとうございました。
皆様の活躍は記録だけでなく、多くの国民の記憶にも残り続けるでしょう。
その誇りある自衛官人生に、心からの敬意と感謝を申しあげます。
そして明日から始まる第二の人生も、自衛官人生と同等かそれ以上に、充実した素晴らしいものとなりますことを、心よりお祈り申し上げております。
重ねまして、本当にお疲れさまでした。
ありがとうございました。
その他、人事異動の詳細な内容は以下の通り。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:海上自衛隊公式ツイッター)
海将に昇任させる
(海上幕僚監部人事教育部長)
海将補 柴田弘
(自衛艦隊司令部幕僚長)
海将補 二川達也
横須賀地方総監を命ずる
(呉地方総監)
海将 杉本孝幸
呉地方総監を命ずる
(大湊地方総監)
海将 酒井良
大湊地方総監を命ずる
(自衛艦隊司令部幕僚長)
海将 二川達也
防衛装備庁長官官房装備官を命ずる
(海上幕僚監部人事教育部長)
海将 柴田弘
退職を承認する
(横須賀地方総監)
海将 渡邊剛次郎
(情報本部長)
海将 大塚海夫
(防衛装備庁長官官房装備官)
海将 佐藤直人
(以上、2019年12月20日付)
防衛省発表資料
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2019/1220a-1.pdf
あくまで私の推測ですが、渡邊海将はストレートの同期より1学年上なので、それも関係しているかもしれません。また、29期空将で最初に退官なさった長島空将は同期より2学年上で、井上空将は1学年上です。
何の根拠も無いので、参考程度にお考えください。
なるほどー。
陸自では、山崎陸幕長よりも年上の湯浅西方総監が陸幕長に昇ったりしましたが、海自では年齢も大きいのかも知れませんね。
ありがとうございました!