根本勉(ねもと・つとむ)|第42期・第14普通科連隊長

その根本が陸上自衛隊に入隊したのは平成10年3月。

1等陸佐に昇ったのは先述のように平成29年の1月なので、第42期組1選抜前期の、スピード昇任ということになる。

原隊は宮崎県都城市に所在する第43普通科連隊で、同地で初級幹部として鍛えられ、厳しい陸上自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:自衛隊石川地方協力本部公式ツイッター

(画像提供:第14普通科連隊公式Webサイト

その後平成16年3月、獅子連隊としてその勇猛さを知られる福島の第44普通科連隊に異動になるが、おそらくこれは中隊長ポストではないだろうか。

そして根本はこれ以降、職種部隊の指揮官としての任務からは少し遠ざかることになる。

一方幕僚やスタッフのポジションでは、陸幕の防衛部運用課、運用支援・情報部運用支援課、防衛部防衛課などを経て、班長ポストでは1佐に昇任直後のタイミングで、装備計画部装備計画課の後方計画班長に着任。

またその間、平成18年2月からはUNDOF司令部の一員として現地に渡っている他、幹部教育では陸自のCGS以外に、英国の指揮幕僚課程も修了しているのが印象的だ。

そして令和2年3月、普通科連隊の幹部として非常に名誉あるポストの一つ、第14普通科連隊長兼ねて金沢駐屯地司令に上番し、活躍を続けている。

近い将来の将官候補として間違いなく名乗りを上げるであろう、注目の幹部の一人である。

なお上記ではサラッと流したが、根本が経験したUNDOFでの活躍については、これも必ず特記すべき事項だ。

UNDOFは中東・ゴラン高原で行われた自衛隊の国際貢献活動で、イスラエル軍とシリア軍の間に物理的に割って入り、その停戦を監視することを任務とするものである。

自衛隊は主にその後方支援活動を行ったが、後方だからといって安全であるはずもなく、むしろ兵站の撹乱は戦場の常だ。

そのため命の危険と隣り合わせの非常に厳しい任務であり、主に、

・各宿営地や港湾・空港間における輸送業務

・輸送に必要となる道路など各種インフラの整備及び補修

・山岳地帯における除雪作業

・その他、UNDOF(国連兵力引き離し監視隊)の活動に必要な後方支援業務

といった重要な任務を任された。

なおここで言う任務はもちろん、一般に想像される平時・平地での輸送及び土木工事と言った生ぬるいものではない。

そもそもが、イスラエルと中東諸国が、国連軍が間に入らないと戦争を始めるような地域のど真ん中である。

その任務は非常な危険が伴うだけでなく、山岳地帯では2800m級の道路で除雪作業を行うなど、非常な困難を極めた。

治安だけでなく、自然環境にも命の危険を晒す非常に厳しい任務に、私達の自衛隊は赴いていたわけだが、この国際貢献活動はもっと特筆されるべきもののはずだ。

実際に、平成25年にこの任務が打ち切られ、撤収が決まった際の理由は、治安の悪化による。

根本自身のバイオには、「UNDOF司令部」とだけ記載されているのでUNDOF司令部要員としてなのか、あるいは派遣輸送隊の幹部としてであるのかは定かではないが、いずれにせよ極めて困難で危険な任務であったことには変わりないだろう。

ちなみに当時、現地にあって活動を続けていたのは第21次ゴラン高原派遣輸送隊で、指揮官は上野和士(第37期)・3等陸佐。

現在の陸上自衛隊教育訓練研究本部研究部長であり、37期1選抜前期で陸将補に昇った、近い将来の陸上幕僚長候補の一人だ。

恐らく根本も、そんな上野から厳しい現地の環境の中で、大いに薫陶を受けたのではないだろうか。

では最後に、いつもどおりその根本と同期である42期組の人事の動向について・・・

見ていきたいところではあるが、42期組は最初の陸将補が選抜されるのが2023年夏の将官人事の予定である。

そのため2020年5月現在、1選抜の幹部が1佐であり、本稿でご紹介するには人数が多いので割愛したい。

いずれにせよ、根本を始めとした42期組は、2020年代後半~2030年代前半にかけて、我が国の国防を中心になって担う世代である。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:第14普通科連隊公式Webサイト

◆根本勉(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
10年3月 陸上自衛隊入隊(第42期)
11年3月 第43普通科連隊(都城)
14年3月 幹部候補生学校(前川原)
16年3月 第44普通科連隊(福島)
17年8月 陸上幕僚監部防衛部運用課(市ヶ谷)
18年2月 陸上幕僚監部防衛部付(国際平和協力隊 UNDOF司令部)
18年8月 陸上幕僚監部運用支援・情報部運用支援課付(市ヶ谷)
19年8月 幹部学校・指揮幕僚課程(目黒)
21年8月 第6師団司令部(神町)
23年4月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
24年3月 英国指揮幕僚課程(市ヶ谷)
25年8月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
28年8月 防衛研究所一般課程(市ヶ谷)
29年1月 1等陸佐
29年8月 陸上幕僚監部装備計画部装備計画課後方計画班長(市ヶ谷)

令和
2年3月 第14普通科連隊長兼ねて金沢駐屯地司令

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コメント

  1. のりまき より:

    まず最初に41期か42期かというご懸念の方ですが、実は防大同窓会機関紙小原台だよりの同窓会長・代議員名簿の項目の中に根本一佐の名前があります。しかも42期の期成会(同窓会)会長兼陸上代議員にもなっているので、仮に41期だとこの小原台だよりの方が訂正を入れなければいけないと思います。

    この人を確かYahooニュースのテレビ金沢ニュースの中で見た時、管理人様が敬愛する山之上元陸将の再来かと思いました。しかも名札の上に勲章?みたいなのをつけていたので「外国軍隊から勲章もらったのか」と思いました。それと経歴見るとたぶん尉官ですでに陸幕入り?しているのでかなりのエリートですよね。

    最後に気になったのが第14普通科連隊長の連隊長紹介のコーナーに根本一佐から略歴とか入れるようにしたんだろうなと思います(前連隊長の梨木一佐は顔写真のみだったので)。

    • ytamon より:

      のりまきさま、いつもありがとうございます!
      おっしゃるように、根本1佐は42期で間違いないと思います。
      幹候入校を原隊着任とするバイオにしているひとは多いので、おそらく何か、そのような慣例があるのでしょうね。

      絵に書いたようなエリートですよね!
      勲章についてはちょっとわからないのですが、あるいは英国の指揮幕僚課程に学んでいるので、英国からなにか送られたかも知れませんね。
      何れにせよ、42期組の1選抜将官候補であることは間違いないでしょう。
      注目して、応援しましょう!