柴田俊司は愛知県出身の航空自衛官。
法政大学工学部を卒業し、昭和60年3月に海上自衛隊に入隊していることから幹候は36期で、第29期に相当する年次だ。
職種は飛行で、主としてP-3C哨戒機のパイロットを務めた。
なお生年月日は判明しないが、昭和60年3月の入隊であれば、ストレートであれば昭和37年度の生まれにあたる。
平成28年12月(2016年12月) 小月教育航空群司令・1等海佐
前職は海上自衛隊幹部学校図演装置運用課長であった。
指導方針は「真心」。
2017年12月現在、小月教育航空群司令を務める柴田だ。
小月教育航空群は、その隷下に小月教育航空隊や第201教育航空隊などをおさめ、海上自衛隊のパイロットやTACCO(タコー;戦術航空士)のタマゴたちの教育を実施する。
特に海上自衛隊の場合、パイロットになるもの、戦術航空士になるものは全員が小月教育航空隊で初等教育を学ぶために、一生忘れ得ぬ思い出の地として深く心に残る教育課程となる。
その小月教育航空隊を含む、教育群全体を指揮するのが柴田の役割となるが、将来の航空要員を養成する責任者として、その考え方や自衛官としての矜持に与える影響は極めて大きい重要なポストとなる。
その柴田の職種だが、自らも固定翼機を操縦するパイロットであり、特にP-3C哨戒機のキャリアが長いのではないだろうか。
海上自衛隊の固定翼哨戒機は、その対潜能力や情報収集能力で世界有数の能力と運用実績を誇る、我が国海上防衛の要として活躍する部隊だ。
近年では我が国の防衛のみならず、活躍の場を広げ、特に国際貢献活動の一環としてソマリア沖で行っている海賊対策活動などでは大きな成果を挙げており、国際的な評価は高い。
なお、ソマリア沖の海賊対策について、柴田は第1航空隊司令にあった頃、隷下の大内研治を指揮官として送り出すなど様々な形でこの重要な任務にも携わっている。
我が国の安全保障環境を考えると、今後も海自哨戒機部隊はますますその存在感を高めていくことは間違いない。
2013年からは、国産哨戒機であるP-1の配備が始まるなど、予算・人員ともに充実が図られている途上にあることから、柴田のような現場に精通した高級幹部にかかる期待は、ますます大きなものとなっていくであろう。
一方で、柴田の防衛大学校卒業年次は第29期。
にわかには信じがたいが、2017年12月現在で少なくとも55歳以上の年令になる。
55歳にしてこの体躯であり、若々しさとイケメンを維持しているとは、どれほどストイックな生活を送っているのか目に浮かぶようだ。
そして小月教育航空群司令のポストは、現場経験の豊富な1等海佐が、退役前のポストとして最後に補職されることが多い。
柴田の場合も、あるいは1等海佐としての定年を考えると、小月教育航空群司令が勇退ポストとなる可能性が高いだろう。
海幕や統幕で要職を歴任し、また小月教育航空隊司令、第1航空隊司令、小月教育航空群司令など、飛行要員としてこれ以上はない名誉あるポストを重ねた海上自衛官人生だ。
柴田の築き上げた功績は我が国の大きな財産となり、柴田の指導で大きく育ったパイロットや戦術航空士たちが、その魂を引き継いで行ってくれることだろう。
最後までその活躍を見届け、そして応援したい。
※
本記事は当初2017年7月15日に公開していたが、加筆修正が重なったので2017年12月23日に整理し、改めて公開した。
なお、ここから下の部分は2017年7月に公開した当時のものをそのまま残している。
◆柴田俊司・海上自衛隊 主要経歴
昭和
60年3月 法政大学工学部卒業(第29期相当入隊)
平成
15年8月 自衛艦隊司令部幕僚(神奈川県横須賀市)
19年3月 小月教育航空隊司令(山口県小月航空基地)
20年8月 海上幕僚監部総務課渉外連絡官兼ねて運用支援課(東京都市ヶ谷)
21年12月 航空プログラム開発隊司令(神奈川県厚木航空基地)
23年12月 統合幕僚監部後方補給室長兼ねて企画班長(東京都市ヶ谷)
25年8月 第1航空隊司令(鹿児島県鹿屋航空基地)
26年7月 海上自衛隊幹部学校図演装置運用課長(東京都目黒区)
28年12月 小月教育航空群司令(山口県小月航空基地)
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。
【引用元】
防衛省海上自衛隊 小月教育航空群公式Webサイト(顔写真及び着任式)
http://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/aisatu/aisatu.html
http://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/event/2016/commander/commander.html
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