その谷口が陸上自衛隊に入隊したのは平成9年3月。
原隊(初任地)は第5旅団隷下、帯広に所在する第4普通科連隊であり、同隊の小銃小隊長として幹部自衛官としてのキャリアを歩み始めた。
(画像提供:陸上自衛隊第15旅団公式Webサイト)
さらに、日本海側の最前線であり、多くの最高幹部を排出している第14普通科連隊(金沢)で連隊本部を経験すると、中隊長は第13普通科連隊第2中隊長(松本)。
山深く、雪も多いという地域柄、我が国で唯一の山岳レンジャー訓練が行われる部隊だが、どうやらこの松本での勤務が、谷口の一つのターニングポイントになったのかも知れない。
というのも、松本で中隊長を務め上げたあとに任されたポストは第12旅団司令部の訓練班長。
第12旅団は相馬原駐屯地に所在するが、我が国唯一の空中機動旅団で知られる部隊だ。
つまり、特殊戦闘にも通じる山岳レンジャーに、我が国の南西方面を守る際に不可欠となる空中機動の指揮・作戦遂行能力。
その2つを足し算すれば、次にどこの連隊を任されることになるのか、答えは明らかだ。
現職の、第51普通科連隊である。
小隊長から中隊長に至るまでの初級幹部の下積みは、正面戦力の指揮官として経験。
中隊長以降は、レンジャーや機動戦闘の指揮官としての評価を積み上げ、我が国の国防の最前線を任された、というのが谷口のキャリアということになりそうだ。
我が国の国境防衛を最前線で担う、非常に誇り高いポストである。
谷口自信もおそらく、その重責に武者震いし、そしてその責任の重さを楽しんでいるのではないだろうか。
では最後に、同期である41期組の・・・と言いたいところだが、さすがにまだ将官に昇る年次に達していない41期組の1等陸佐を紹介していればキリがない。
同期の動向については、最初の将官が選抜されればまた、追記していくことにしたい。
なお41期組から最初の陸将補が選抜されるのは、2022年。
将官候補に心当たりのあるエリートたちは、ここからが一番そわそわしだす追い込みの時期ということになるのではないだろうか。
いずれにせよ、41期組は2018年現在で40代なかばになろうという、自衛隊の中核を構成する世代である。
その活躍からは目を離さずに、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第15旅団公式Webサイト)
◆谷口慎(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
9年3月 陸上自衛隊入隊(第41期)
10年3月 第4普通科連隊小銃小隊長
13年3月 幹部候補生学校付教官
15年3月 第14普通科連隊連隊本部運用訓練幹部
18年3月 富士学校レンジャー教官
18年8月 幹部学校付指揮幕僚課程
20年8月 第13普通科連隊第2中隊長
22年8月 第12旅団司令部訓練班長
24年8月 陸上幕僚監部人事計画課予備自衛官室
27年8月 東部方面総監部人事第1班長
29年8月 幹部学校付幹部高級課程
30年3月 教育訓練研究本部付統合高級課程
30年7月 1等陸佐
30年8月 第51普通科連隊長
記事ありがとうございます。41期が一等陸佐に昇任するのはかなり早いですね。10期以上の人でさえまだ一佐の人もいるくらいなのでたぶん、1選抜じゃないでしょうか。となると2023年辺りで陸将補になる可能性もありますね。
それはそうと、経歴を見ると部隊指揮官が特に多いように思えますね。しかも今なっている第51普通科連隊長の前が統合高級課程の学生とあって相当優秀な成績で修了していないと任せられないと想像できます。ただ部隊本部の勤務はともかく陸幕の勤務が少ないのが気がかりですね。最高幹部になっている人は陸幕の班員や班長勤務を勤めて連隊長とかになっているのでこれからいったん部隊勤務から陸幕勤務も増えてくるんじゃないかと思います。
のりまき様コメントありがとうございます。
41期の1選抜1佐は平成28年1月でしたので、意外にも、谷口1佐は特に早いというわけではないようです。
正直私も、これだけのポストをいきなり任された方なので、意外でした。
逆に言うと、現場指揮能力の高さが、それほどまでに際立っている幹部ということなのかもしれませんね。
コメントありがとうございます。28年の1月が1選抜だったのですか。じゃ、おっしゃる通り特に早いってわけじゃないですね。後、もう一つ気になったのですが、15年3月に第14普通科連隊連隊本部の運幹を務めて18年3月に富士学校レンジャー教官となっていますが、この間異動がなければ14普連の運幹時代の連隊長って8月で退役した山之上当時一等陸佐じゃないですか?なんともすごい巡り会わせですね。
のりまきさんこんにちは。
おぉ、本当ですね!
入隊6年目の若かった頃に、山之上連隊長に鍛えられたんですね~
羨ましい(^u^)