片岡義博(かたおか・よしひろ)は昭和39年4月生まれ、兵庫県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第31期の卒業で幹候68期、出身職種は野戦特科だ。
平成29年8月(2017年8月) 第35代第1特科団長兼ねて北千歳駐屯地司令・陸将補
前職は第4師団副師団長兼ねて福岡駐屯地司令であった。
なお第1特科団長としての統率方針は以下の通り。
【統率方針】
「明るく、爽やかに」
【要望事項】
「あらゆる任務に即応せよ。」
「地域と共生せよ。」
【駐屯地指令要望事項】
「明るく、爽やかに」
(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト)
2018年12月現在、我が国で最大の火力を誇る野戦特科部隊、第1特科団を率いる片岡のご紹介だ。
年々、どんどんと縮小再編されていく野戦特科部隊の中にあって、今のところはまだ、今以上に組織が縮小されるという話は聞かない。
またその隷下には、野砲の部隊である第1特科群、第4特科群だけでなく、地対艦ミサイルの部隊である第1地対艦ミサイル連隊、第2地対艦ミサイル連隊、第3地対艦ミサイル連隊があることから、地対艦ミサイル部隊についてはまず、縮小されるという話は当面ないはずだ。
特科群の方についても、平成29年3月の第4特科群第120特科大隊の廃止以降は特段のアナウンスもなく、これで当面、野戦特科にある者にとっての誇り、第1特科群はその規模を維持することになると思われる。
なお、急に生々しい話をするようだが・・・。
このように一つの職種が急激にその規模を減らす時。
もちろん、時代が変わりそれら職種の力が重要になった時に非常に困ることになるのではないか、という心配もあるのだが、管理人には実は、それ以上に心配なことがある。。
それは、野戦特科の指揮官ポストが急激に、その数を減らしていることだ。
もはや野戦特科では、連隊編成を維持する予定の部隊は数えるほどになってしまった。
さらに大隊の廃止も相次ぎ、またこれからも予定されており、小隊長→中隊長→大隊長→連隊長という指揮レベルのステップアップなど、望むべくもなくなる。
近い将来には、野戦特科の指揮官ポストは、中隊長の次は方面隊直属の特科部隊と、いくつかの特科群、それに地対艦ミサイル連隊のみになるかも知れない。
これでは、どう考えても野戦特科にある幹部にとって、中隊長以降の指揮官ポストなど着任するものの方が珍しい補職になるだろう。
であれば、陸幕(陸上幕僚監部)や統幕(統合幕僚監部)で仕組みづくりに携わる要職に就く幹部にすら、上級指揮官未経験者が当たり前になるかもしれないということだ。
素人ながら、本当に気がかりだ。
野戦特科という職種は、上陸側に莫大なコストを想定させるという意味において、専守防衛の我が国にとって絶対に無くてはならない抑止力として機能している。
本土上陸戦は想定できないのではなく、強力な火砲の存在が敵性勢力に想定を許してこなかったという側面は、非常に大きい。
もちろん、野戦特科にある幹部自衛官のモティベーションという側面も、決して無視できる要素ではないだろう。
そんな中、この片岡率いる第1特科団は、野戦特科にありながら将官が指揮官に着任する最後の職種部隊であり、その火力を維持するべき北の伝家の宝刀だ。
ぜひ、現有勢力を最低限の抑止力として、維持されることを期待したいと願っている。
では、そんな野戦特科にあって、最大最強の組織を率いる片岡とは、一体どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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