その片岡が陸上自衛隊に入隊したのは、昭和62年3月。
1等陸佐に昇ったのは平成18年1月だったので、31期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。
原隊(初任地)は第126特科大隊(現・第2地対艦ミサイル連隊)であり、2018年現在の安全保障環境の中で大きな期待を集める地対艦ミサイル部隊で、初級幹部としての知見を積み上げた。
(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト)
(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト)
その後、職種部隊においては大隊長ポストを第1特科群の第129大隊で経験。
連隊長には、久留米に所在するFH-70主兵装の第4特科連隊で上番した。
その間、中央(陸上幕僚監部)や各地の司令部においては、陸上幕僚監部では防衛部や装備部の他、教育訓練部教育訓練計画課の制度班長として活躍。
また第9師団幕僚長や東北方面総監部防衛部長などの要職も歴任し、そして平成27年8月に陸将補に昇任した。
そして第4師団副師団長兼福岡駐屯地司令を経て、第1特科団長兼ねて北千歳駐屯地司令に着任し、現職で活躍を続けている。
文字通り、我が国を代表する野戦特科の最高幹部のひとりであると言ってよいだろう。
なお上記写真1枚め。 中央に写るのは北部方面総監の田浦正人(第28期)だが、部隊視察の記念撮影でこれほどの笑顔を見せる方面総監は久しぶりに見た気がする。
その笑顔で、周りまで笑顔にしてしまう田浦の力や人間力は改めて凄いと思わされる一枚だ。
それにしても、その左横に写る片岡は、やはりデカイ・・・。
では最後に、その片岡と同期である31期組の人事の動向について見てみたい。
31期組は、2018年夏の将官人事でまさに、1選抜の陸将が選抜されたばかりの年次にあたる。
そして2018年12月現在では、以下の幹部たちがその任にあたっている。
竹本竜司(第31期)・第1師団長(2018年8月)
沖邑佳彦(第31期)・第4師団長(2018年8月)
前田忠男(第31期)・第7師団長(2018年8月)
※肩書はいずれも2018年12月現在。( )は陸将昇任時期。
上記のようになっており、31期組についてはこの3名で、同期の陸幕長候補が出揃ったと考えてよいだろう。
本来であれば、4名が1選抜で陸将に昇任するのが慣例なのだが、2018年夏の将官人事では3名の陸将昇任に留まっているのが、31期組人事の特徴だ。
程なくして4人目が陸将に昇ると思われるが、あるいは陸自大改革の影響で、また人事の流れが少し変わったのかも知れない。
片岡については、島しょ部防衛において非常に大きな抑止力を発揮している地対艦ミサイル部隊をその原隊とし、野砲部隊でも指揮官ポストを歴任した、野戦特科の現場に精通する最高幹部だ。
31期という年齢を考えると、恐らく次のポストが退役ポストになる可能性もあるかも知れないが、更に関連する要職で、力を発揮してくれることになるだろう。
我が国の国防政策の中で、抑止力として非常に大きな力を発揮する野戦特科のエキスパート、片岡のご紹介であった。
その活躍からは今後も目を離さず、そしてますます、声を大にして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト)
◆片岡義博(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
62年3月 防衛大学校卒業(第31期)
63年3月 第126特科大隊
(補職年月日不明)
第2地対艦ミサイル連隊
富士学校特科部
陸上幕僚監部防衛部
第1特科群第129大隊長
内閣官房副長官捕付
陸上幕僚監部装備部
平成
5年3月 第2地対艦ミサイル連隊
10年1月 3等陸佐
13年7月 2等陸佐
18年1月 1等陸佐
18年3月 幹部学校付
19年3月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課制度班長
21年7月 第4特科連隊長兼久留米駐屯地司令
23年12月 第9師団幕僚長
25年12月 東北方面総監部防衛部長
27年8月 第4師団副師団長兼福岡駐屯地司令 陸将補
29年8月 第1特科団長兼ねて北千歳駐屯地司令
コメントを残す