その山田が陸上自衛隊に入隊したのは平成6年3月。
1等陸佐に昇った時期については、1選抜前期（25年1月）に記録がなく、また同年6月に防衛駐在官としてレバノン・シリア・ヨルダン兼務に着任しているので、このタイミングで1佐に昇任していると思われる。
そのため1選抜後期（1番手グループ）のスピード出世ということになりそうだ。
（画像提供：陸上自衛隊別府駐屯地公式Webサイト）
原隊は我が国最大の普通科連隊、東千歳に所在する第11普通科連隊であり、イカツイにも程がある初任地で初級幹部を任され、その厳しい自衛官生活のスタートを切った。
さらにイカツイのは、平成14年3月から平成17年8月にCGS（指揮幕僚課程）に入校するまでの3年半に渡って務めた、西部方面普通科連隊での勤務だ。
ご存知のように西部方面普通科連隊は「日本版海兵隊」とも評された、わが国初の水陸両用部隊の前身である。
その発足がちょうど平成14年3月だったので、山田はわが国初の「海兵隊」の立ち上げメンバーであったわけだ。
なおかつ当時は尉官の年齢であったことから考えても、おそらく実行部隊の指揮官であっただろう。
いかついにも程がある若手幹部の時代だが、水陸機動団が正式に平成30年3月（2018年3月）に発足するまでの、その基礎を築いた幹部の一人が山田であることも、特筆するべき活躍ではないだろうか。
さらに山田のイカツさは終わらない。
この西部方面普通科連隊時代には、インドネシアから独立を決めたばかりであり、政情不安定であった東ティモールに、第4次東ティモール派遣施設群の一員として現地に赴任。
帰国後は、沖縄に所在してた第1混成群での勤務を経て、我が国の即応精鋭部隊を束ねていた中央即応集団において、国際活動教育隊の国際活動教育隊研究科長に着任している。
その後、先述のようにレバノン・シリア・ヨルダン兼務の防衛駐在官として現地に赴任するなど、国際貢献任務が豊富であり、なおかつ非常に危険な任務を多く任されるキャリアを歩んできた。
またその間、中央では陸上幕僚監部の運用支援・情報部運用支援課、また統合幕僚監部総務部総務課などでも経験を積み、手腕を発揮。
そして29年8月に第41普通科連隊長兼別府駐屯地司令に上番し、米軍との共同訓練などでも成果を上げるなど、指揮官としても非常に顕著な成果を残し続けている。
見た目だけでなく、その実績も極めてイカツく、そして国際色豊かなキャリアを誇る高級幹部の一人と言ってよいだろう。
なお余談だが、上記写真2枚め。
中央に写る岩屋防衛大臣がおわかり頂けると思うが、その右隣に座るのが山田だ。
明らかに体が一回りデカく、筋肉量も凄いことになっているのが一目瞭然である。
ちなみに、岩屋防衛大臣の左側に座るのは陸上幕僚副長の小野塚貴之（第30期）。
小野塚も長身で知られる最高幹部だが、その小野塚よりもさらにデカい・・・。
決して、山田の右隣に座る、上級組織である第4師団で師団長を務める沖邑佳彦（第31期）が小さいわけではないのでご注意願いたい。
あと一人・・・写真右端に写る2つ桜（陸将補）だが、正直こちら、誰だかわからない（泣）
第4師団の副師団長である大場剛（第34期）は明らかに違うし、さらに上級組織の将補で言えば、何となく西部方面隊の幕僚長・小瀬幹雄（第30期相当）に見えなくもないが、眉毛の形が違う・・・。
どなたか、こちらの将補が誰かおわかりになりましたら教えてくださいませ。
m(_ _)m
では最後に、その山田と同期である38期組の人事の動向についてみてみたい・・・
と言いたいところだが、38期組は2019年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜される予定の年次だ。
そのため今回は、そのご紹介は割愛し、改めて加筆することにしたい。
この先2020年代後半にかけて、我が国と世界の平和と安全にさらに重い責任を担っていくことになることは確実な、山田のご紹介であった。
その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
↓米軍の幹部・曹兵の誰よりも山田のほうがデカイ・・・。
（画像提供：陸上自衛隊別府駐屯地公式Webサイト）
◆山田憲和（陸上自衛隊） 主要経歴
平成
6年3月 陸上自衛隊入隊（第38期）
7年3月 第11普通科連隊（東千歳）
13年3月 第3教育団本部付（相浦）
14年3月 西部方面普通科連隊（相浦）
15年10月 第4次東ティモール派遣施設群（東ティモール）
16年7月 西部方面普通科連隊（相浦）
17年8月 幹部学校（目黒）
19年8月 第1混成群（沖縄）
20年8月 中央即応集団国際活動教育隊国際活動教育隊研究科長（駒門）
24年8月 陸上幕僚監部運用支援・情報部運用支援課（市ヶ谷）
25年6月 1等陸佐
25年6月 防衛駐在官（レバノン・シリア・ヨルダン兼務）
27年8月 幹部学校教官（目黒）
27年10月 統合幕僚監部総務部総務課（市ヶ谷）
29年8月 第41普通科連隊長兼別府駐屯地司令（別府）
山田憲和さんは現在中央即応連隊長です。
ううう・・・
更新できておらず申し訳ございません。
時間を見つけ、最新情報にアップデートします！
m(_ _)m