中畑康樹(なかはた・やすき)|第30期・統合幕僚監部運用部長

その中畑が海上自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

1等海佐に昇ったのが平成17年1月、海将補に昇ったのが23年8月であったので、ともに30期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。

海将には31年4月、同期で4番目となる昇任を果たしている。

(画像提供:海上自衛隊公式Webサイト

2佐以降のキャリアでみると、艦長ポストは護衛艦せとゆきで経験。

その後第4護衛隊司令として活躍したことは先述のとおりだ。

また護衛隊群は第3護衛隊群司令として指揮を執った他、26年12月からは練習艦隊司令官にも着任するなど、幅広く水上艦艇の現場で手腕を発揮する。

その間中央では、班長ポストを統合幕僚監部運用第1課の日米共同班長で、課長ポストを統合幕僚監部指揮通信システム部の指揮通信システム運用課長を務めた他、防衛監察本部の監察官や第1術科学校長といった要職も歴任。

幕僚やスタッフのポストでも、護衛艦隊司令部幕僚、第1護衛艦隊群司令部幕僚、潜水艦隊司令部幕僚長として活躍し、海外留学は米海軍の指揮幕僚課程に学ぶなど、エリートらしいキャリアを積み上げてきた。

そして平成31年4月、海将に昇任し統合幕僚監部運用部長として辣腕を振るっている。

30期組のみならず、海上自衛隊を代表する最高幹部の1人と言ってよいだろう。

なお中畑は第3護衛隊群司令に在った時、2014年5月に行われた環太平洋合同演習(リムパック)2014において、副司令官に着任したキャリアも持つ。

中国が初参加となったこの演習は、23カ国から2万5000人余りの将兵、470隻の水上艦艇、6隻の潜水艦、200機余りの航空機が参加するという大規模なものになった。

中国が初めて参加をするという意味で非常に意義深い演習であったが、ここでも中畑は副司令官として手腕を発揮。

海軍外交の現場でも実績を残すなど、ますますその活躍の場を広げることになった。

これもまた、中畑の活躍を振り返る上で、特筆しておきたいキャリアの一つだ。

では最後に、その中畑と同期である30期組の人事の動向について見ておきたい。

30期組は、2017年夏の将官人事で最初の海将が選抜された年次に当たり、同期の海上幕僚長候補たちが名乗りを上げた。

そして2019年4月現在で、その候補者たる海将の任には、以下の幹部たちがあたっている。

出口佳努(第30期相当)・海上幕僚副長(2017年8月)

湯浅秀樹(第30期)・護衛艦隊司令官(2017年12月)

西成人(第30期)・教育航空集団司令官(2018年3月)

中畑康樹(第30期)・統合幕僚監部運用部長(2019年4月)

※肩書は全て2019年4月現在。( )は海将昇任時期。

以上のようになっており、いずれも錚々たる顔ぶればかりの海将である。

30期組から海上幕僚長が選ばれる巡り合わせになった際には、間違いなくこの4名のいずれかということになると見てよいだろう。

中畑については、これほどまでに充実した水上艦艇の現場と、「軍人外交」のキャリアを積み上げてきた幹部だ。

統合幕僚監部での活躍も幅広いことを考えると、いずれ統合幕僚副長や、あるいは海上幕僚副長と言った各幕での実務を担う責任者に昇ることもあるのではないだろうか。

いずれにせよ、中畑を始めとした30期組の活躍は、現在の日本と世界の安全保障そのものを直接左右する重要なものだ。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:海上自衛隊公式Webサイト

◆中畑康樹(海上自衛隊) 主要経歴

昭和
61年3月 防衛大学校卒業(第30期)

平成
9年1月 3等海佐
11年3月 筑波大学大学院修士課程(地域)卒業
12年3月 海上自衛隊幹部学校第48期指揮幕僚課程
12年7月 2等海佐
13年3月 海上幕僚監部運用課
15年3月 せとゆき艦長
16年3月 護衛艦隊司令部幕僚
17年1月 1等海佐
17年3月 海上幕僚監部防衛課(米国海軍指揮幕僚課程)
18年8月 第1護衛艦隊群司令部幕僚
19年8月 統合幕僚監部運用第1課
19年12月 統合幕僚監部運用第1課日米共同班長
20年12月 第4護衛隊司令
21年10月 第3次ソマリア沖派遣海賊対処水上部隊司令官
22年4月 統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム運用課長
23年8月 潜水艦隊司令部幕僚長 海将補
24年12月 第3護衛隊群司令
26年12月 練習艦隊司令官
27年12月 防衛監察本部監察官
28年12月 第1術科学校長
31年4月 統合幕僚監部運用部長 海将

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