小田島邦弘(おだしま・くにひろ)|第37期相当・第12特科隊長

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小田島邦弘(おだしま・くにひろ)は昭和46年3月13日生まれ、熊本県出身の陸上自衛官。

一般大学を卒業し、平成5年3月に陸上自衛隊に入隊しているので防衛大学校第37期相当、幹候74期の幹部ということになる。職種は野戦特科。

 

平成29年3月(2017年3月) 第12特科隊長兼ねて宇都宮駐屯地司令・1等陸佐

前職は陸上自衛隊富士学校主任教官であった。

なお、第12特科隊長及び宇都宮駐屯地司令としての指導方針は以下の通り。

 

【統率方針】任務完遂

【要望事項】即動 たゆまぬ練磨

【駐屯地司令要望事項】地域から信頼される駐屯地 思いやり


(画像提供:陸上自衛隊宇都宮駐屯地公式Webサイト

2019年7月現在、第12特科隊長兼ねて宇都宮駐屯地司令を務める小田島だ。

我が国唯一の空中機動旅団・第12旅団の隷下にあり、唯一の特科部隊として北関東から日本の防衛に重い責任を担う。

ところでいきなり身もふたもないことを言うようだが、詳細な時期は決まっていないものの、この第12特科隊は間もなく廃止になると思われる。

というのも、第12旅団が間もなく機動旅団に改変される予定であり、現在の部隊再編の状況を概観すると、おそらく新設されるであろう即応機動連隊に統合・再編されることになると思われるからだ。

 

2018年3月から始まった陸自大改革では、非常に多くの組織改編と運用思想の変更が、大胆に取り入れられた。

その中の一つが、諸職種協働による戦闘単位のパッケージ化であり、ざっくりいうと、普通科、機甲科、野戦特科などが一つの連隊に集約され、あらゆる事態に即応できる能力を高めようとするものだ。

この戦術単位では、機甲科では、主力戦車に代わり時速100kmで公道を移動し、また空中輸送も容易な16式機動戦闘車を配備。

野戦特科では、FH-70などの大規模火力から迫撃砲などの移動・攻撃が比較的容易な軽武装に衣替えをする。

そして普通科も、その被輸送性を確保し、あらゆる事態への初動に備える。

そしてこれら戦力を一体化したものが、新たに生まれた戦闘単位である即応機動連隊だ。

この即応機動連隊に、第12特科隊は統合される形でまた新たな歴史を作っていくことになるだろう。

おそらくそれはここ数年以内のことであることは間違いなく、今現在宇都宮駐屯地では、小田島がその改変準備に忙しい毎日を送っているはずだ。

 

一般に、会社組織であっても組織再編というのは非常な手間暇と労力がかかる。

ましてそれが、本能的に保守的であり新しいことを取り入れることが苦手な軍事組織であれば、その苦労たるや相当なものがあるだろう。

書類の整理や責任の所在、新たなルールや運用の策定など、その仕事は民間のそれと比べ、おそらく数倍、数十倍の手間に昇ることは明らかだ。

そのような組織改編期に、この重い責任を任され、大きくは国の未来像を作っているのがこの小田島である。

 

わたしたち国民は、よほどの自衛隊マニアでなければ「陸自大改革」などという言葉などまず知らない。

奇跡的に知っていたとしても、さらに機動旅団や即応機動連隊への再編計画などとなると、もはや専門家レベルだ。

しかしその全てが私たちの平和な暮らしに直結する重大事であり、そのために粛々と準備を進める小田島以下の、幹部曹士たちがいる。

ぜひ、少しでも良いので、いま日本と陸上自衛隊で何が進んでいるのか。

そんなことにも思いを馳せて、その苦労を知ってもらえれば幸いだ。

 

では、そんな重い責任を担い日々任務に励む小田島とは、一体どのような経歴を歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、そのキャリアを見ていきたい。

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