金刺基幸(かねざし・もとゆき)|第36期・海上自衛隊

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その金刺が海上自衛隊に入隊したのは平成4年3月。

1等海佐に昇ったのが23年1月なので、36期組1選抜(1番乗り)のスピード出世だ。

海将補に昇ったのが30年3月の昇任人事であったため、36期組1選抜後期での、こちらも堂々のスピード出世となる将官昇任であった。


(画像提供:海上自衛隊第1掃海隊公式Webサイト

現場では、掃海隊の他に第7護衛隊でも司令として指揮を執った金刺だが、中央では人事系の部署を多く歴任。

課長職は、エリートポストの一つである補任課長を経ての海将補昇任で、将官昇任後の最初のポストが防衛大学校訓練部長の要職であった。

なお防大の訓練部長は学生指導の責任者であり、防大の学生にとっては恐怖の存在とされているそうだ。

とはいえ、訓練部長はさすがに海将補職なので、直接蹴られたり怒られたりするわけではもちろんない。

訓練部長が視察に訪れる日は教官たちも気合が入り、カッター訓練など厳しい抜き打ちのイベントが入ることが多い、ということで恐れられているようだ。

ちなみに現職では、防衛大の訓練部長を務めた経験があるのは以下の幹部たちとなる。

 

山下万喜(第27期)・自衛艦隊司令官

湯浅秀樹(第30期)・海上自衛隊幹部学校長

伊藤弘(第32期)・内閣審議官(国家安全保障局担当)

俵千城(第33期)・海洋業務・対潜支援群司令

※肩書は全て2018年7月現在。

 

ご覧の通り、そうそうたるメンツであり、いずれも同期のエースばかりが着任するポストであることがおわかり頂けるのではないだろうか。

そして、俵の跡を継いたのが金刺ということになる。

その期待の大きさが、十分に伝わってくる人事だ。

 

では最後に、その36期組の人事の動向を見ておきたい。

36期組は、2017年夏の将官人事で最初の海将補が選抜されたばかりであり、2018年7月現在でその任にある幹部は、以下の通りになっている。

 

竹中信行(第36期相当)・舞鶴地方総監部幕僚長(2017年8月)

金嶋浩司(第36期)・第4航空群司令(2017年12月)

金刺基幸(第36期)・防衛大学校訓練部長(2018年3月)

※肩書はいずれも2018年7月現在。( )内は海将補昇任時期。

 

以上のような状況になっており、まずはこの3人が、36期組のトップエリートとして、今後もさらに要職を歴任していくことは確実だ。

金刺については、喫緊の安全保障環境の中でもっとも重要な役割を期待される掃海部隊の指揮官として非常に大きな期待がかかっている。

その動向と活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:海上自衛隊掃海隊群公式Webサイト

◆金刺基幸(海上自衛隊) 主要経歴

平成
4年3月 海上自衛隊入隊(第36期)
15年1月 3等海佐
18年7月 2等海佐
19年4月 掃海隊群幕僚
20年3月 第1掃海隊司令
21年3月 海上幕僚監部人事教育部教育課
22年3月 海上幕僚監部補任課
23年1月 1等海佐
25年8月 海上幕僚監部指揮通信情報部指揮通信課指揮通信班長
26年8月 護衛艦隊司令部
26年12月 第7護衛隊司令
27年12月 海上幕僚監部補任課長
30年3月 防衛大学校訓練部長 海将補

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