森田雄博(航空自衛隊第3補給処長)|第33期・航空自衛隊

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その森田が航空自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等空佐に昇ったのが20年1月、空将補に昇ったのが26年7月であったので、共に33期組1選抜(1番乗り)のスピード出世だ。

そもそも、将官まで昇る幹部の数が非常に少ない空自において、1選抜で将補に選ばれるのは同期で2名程度という狭き門である。

そのうちの一人が森田ということになるので、文字通り同期の中で1、2を争うスーパーエリートと言ってよいだろう。


(画像提供:航空自衛隊西部方面隊公式Webサイト

その補職も、1佐時代の中央では航空幕僚監部で防衛班長に防衛課長を歴任しており、後一つ(防衛部長)揃えばいわゆる3防だ。

2018年7月現在で航空幕僚長を務めている丸茂吉成(第27期)も3防を歴任したことを考えると、やはりこれらポストは語呂の良さだけでなく、スーパーエリートのわかりやすい通過点であるといってよいだろう。

1選抜のスピード出世にエリートらしい補職と、33期を代表する幹部の一人となっている。

 

なおその33期組は、2020年に最初の空将が選抜される年次になっているため、同期の出世頭は空将補と言うことになる。

そして2018年7月現在で空将補の任にある幹部は、以下の通りだ。

 

南雲憲一郎(第33期)・中部航空方面隊副司令官(2014年8月)

森田雄博(第33期)・第3補給処長(2014年8月)

安藤忠司(第33期)・航空戦術教導団司令(2015年3月)

今城弘治(第33期)・航空総隊司令部防衛部長(2015年12月)

影浦誠樹(第33期)・中部航空警戒管制団司令(2015年12月)

石上誠(第33期相当)・防衛装備庁調達事業部総括装備調達官(2016年12月)

増田友晴(第33期)・幹部候補生学校長(2017年8月)

※肩書はいずれも2018年7月現在。( )は空将補昇任時期。

 

以上のような状況になっており、まずは南雲と森田に加え、安藤、今城、影浦までの5名が、1選抜空将の有力候補と言うことになるだろうか。

33期組最高幹部人事の中心になっていく5名ということで、間違い無さそうである。

 

森田については、戦闘機パイロットが優位とされる空自の中でどこまでその存在感を発揮し、空幕長候補として要職を歴任していくのか。

また後職では防衛部長に着任し、3防を揃えることができるのか、といった辺りが注目されることになりそうだ。

 

いずれにせよ、33期組は2020年代半ばにかけて、我が国の国防を中心になって担っていく世代である。

その活躍からは全く目を離すことができず、今後とも注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:航空自衛隊第3補給処公式Webサイト

◆森田雄博(航空自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 航空自衛隊入隊(第33期)
12年1月 3等空佐
15年7月 2等空佐
15年8月 航空幕僚監部防衛課
17年8月 第5高射特科群第18高射隊長兼ねて知念分屯基地司令
19年4月 航空幕僚監部防衛課
20年1月 1等空佐
20年8月 幹部学校付
21年8月 航空幕僚監部防衛課
21年12月 航空幕僚監部防衛課防衛班長
23年7月 第6航空団基地業務群司令
24年12月 航空幕僚監部防衛課長
26年8月 西部航空警戒管制団司令兼ねて春日基地司令 空将補
28年12月 航空自衛隊第3補給処長

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