鮫島建一(第3航空団司令・空将補)|第36期・航空自衛隊

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その鮫島が航空自衛隊に入隊したのは平成4年3月。

1等空佐に昇ったのが23年1月、空将補に昇ったのが29年8月だったので、共に36期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。


(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト


(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト 広報誌みさわ438号)

航空自衛隊では、陸上自衛隊のように1選抜で将官に昇ることが、必ずしも同期の幕僚長候補に残ったことを意味するわけではないが、それでも将官に昇る幹部の数が少ない空自のことだ。

更にその上で1選抜なのだから、文字通り同期で1、2を争う最高幹部であり、近い将来の航空幕僚長候補の一人であることに間違いはないであろう。

 

ところで鮫島のキャリアについて。

教育集団司令部での教育を終え、第3航空団に配属となったのは先述のとおりだが、それ以降は中央などでの補職が続き、航空団の現場に戻ってきたのは平成26年8月、南西航空混成団の防衛部長が13年ぶりの現場であった。

その間、防衛大学校訓練部の指導指揮官や航空幕僚監部防衛課防衛班、航空幕僚監部人事計画課養成班長といったポストで要職を歴任。

教育課程では、陸上自衛隊の幹部学校で指揮幕僚課程に学び、また米空軍大学の幹部高級課程でも学ぶなど、航空自衛隊に限らない非常に広い視野を身に着けた幹部だ。

そして平成29年8月、米軍との協力と友好関係の構築も非常に大きな仕事となる第3航空団司令兼三沢基地司令に着任。

1選抜空将補として、非常に大きな仕事を任されている。

 

なお上記写真だが、上2枚は三沢基地で主に哨戒の任務につく、警備犬のサン号だ。

北海道胆振東部地震で被災地に入り、不明者の捜索などに多くの功績を挙げたことで、防衛大臣表彰を受けることになったのだが、その時の模様である。

なお犬的には栄誉を貰ってもおそらく理解できないという配慮なのだろうか。

当時の小野寺防衛大臣から、副賞としておいしいドッグフードも贈られたとのことだ。

その栄典を、防衛大臣に代わりサン号に授与する、鮫島の様子である。

 

そして一番下が、鮫島が三沢基地司令に着任した際の、基地の広報誌である広報みさわの一ページである。

もちろん鮫島自身が描いたものではなく、漫画の上手い担当空士が毎号描いているのだが、この4コマ漫画が毎月なかなか凄い。

基地司令ですらこんな風にイジってしまうのでおわかりだと思うが、2018年8月に史上2人目(営門将補除く)となる女性空将補に昇任した小野打泰子(第31期相当)もかつてその的になり、厚化粧のブルゾンちえみにされてしまった。

陸自や海自ではちょっと許されない空気を平然とやってしまうところも、「勇猛果敢、支離滅裂」な航空自衛隊の所以かも知れない。

 

では最後に、その鮫島と同期である36期組の人事の動向について見てみたい。

36期組は、2017年夏の将官人事で最初の空将補が選抜されたばかりだ。

そして2018年10月現在では、以下の幹部たちがその任にあたっている状況にある。

 

鮫島建一(第36期)・第3航空団司令兼三沢基地司令(2017年8月)

寺﨑隆行(第36期)・第2航空団司令兼千歳基地司令(2017年9月)

門間政仁(第36期)・第6航空団司令兼小松基地司令(2018年3月)

加藤康博(第36期)・第3術科学校長兼ねて芦屋基地司令(2018年3月)

※肩書は全て2018年10月現在。( )は空将補昇任時期。

※2018年夏の将官人事で昇任した幹部については、期別未確認のため追記する可能性あり。

 

以上のような状況になっており、まずはこの4名が2023年夏の将官人事で、36期組最初の空将に昇る有力な候補者と言うことになるだろう。

そして、その中でも1選抜でトップを走るのが、この鮫島ということになる。

その広い視野から、空自だけに留まらずに全軍を俯瞰する能力にも優れた最高幹部だ。

その活躍は非常に楽しみであり、これからも特に注目をして、応援をしていきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト

◆鮫島建一(航空自衛隊) 主要経歴

4年3月 航空自衛隊入隊(第36期)
4年9月 教育集団司令部付
8年3月 第3航空団
13年3月 防衛大学校訓練部指導指揮官
14年8月 幹部学校付
15年1月 3等空佐
16年7月 陸上自衛隊幹部学校・指揮幕僚課程卒業
18年7月 2等空佐
19年8月 航空幕僚監部防衛課防衛班
22年2月 幹部学校教育部作戦教官室
23年1月 1等空佐
23年3月 幹部学校付
24年5月 米空軍大学幹部高級課程卒業
24年7月 航空幕僚監部人事計画課養成班長
26年8月 南西航空混成団司令部防衛部長
27年8月 航空幕僚監部防衛部装備体系課長
29年8月 第3航空団司令兼三沢基地司令 空将補

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