壇雅昭(自衛隊情報保全隊副司令・1等陸佐)|第32期・陸上自衛隊

壇雅昭は防衛大学校第32期の卒業で、幹候は69期卒業の陸上自衛官。

職種は判明しないが、その部隊歴からおそらく輸送科であると思われる。

平成29年12月(2017年12月) 自衛隊情報保全隊情報保全官・1等陸佐

平成30年5月(2018年4月) 兼ねて自衛隊情報保全隊副司令

前職は陸上自衛隊中央輸送業務隊長兼横浜駐屯地司令であった。

(画像提供:陸上自衛隊横浜駐屯地公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト

2019年2月現在、陸海空自衛隊の統合部隊である自衛隊情報保全隊で、副司令を務める壇だ。

情報保全隊の任務はいわゆる防諜に関するあらゆる任務であり、情報漏洩や情報の故意による持ち出し、あるいはスパイ行為などを防止するためにあらゆる活動を行う。

その目的自体は極めて妥当なものではあるが、かつて民主党政権時代には、  思い上がった政治家  権力の行使に不慣れな一部政治家により政治的な情報統制に用いられるなど、受難の時代を過ごしたこともある。

しかし言い換えればこれは、政治家が自衛隊の能力を私的な目的に悪用すればどれほど恐ろしいことになるのか、という事実を、まざまざと国民に思い知らせる出来事となった。

何のことを言っているのかわからない人も多いかも知れないが、この非難の矛先は自衛隊に向かうべきものではなく、明らかに自らの使命を勘違いした政治家に向けられるべきものである。

気になる人、あるいは忘れている人は民主党政権下で情報保全隊がどのような任務を命じられたのか。

検索しまたは思い出し、当時の政権に対する怒りを新たにして欲しい。

さて、そのような情報保全隊で副司令を務める壇である。

元々、自衛隊では表向き、情報職種というものは存在せず、正式な発足は2010年3月を待つことになった。

とは言え事実上の軍事組織が、敵性勢力の意図や目的の探り出し、あるいは交戦予想地域(海域・空域)の情報、また組織内部からの切り崩しに関する情報といったものを収集していないはずがない。

そのため従来は、陸自においては、後方支援系の職種にある幹部が情報幹部を兼任する形でこれら重要な任務にあたっていたのだが、それがようやく正式に職種化されたということだ。

そのため壇も、輸送科の幹部としての活躍の一方で、情報科幹部としての補職も多く経験した。

その中でも、もっとも重い責任を担っているが現職であり、陸自のみならず、全自衛隊の防諜に関するあらゆる責任を背負う。

また変わったところでは、そのキャリアの中で印象的な補職はやはり、防衛駐在官としてセルビアに赴任していたことだろうか。

壇がこの任務にあたっていたのは、平成18年(2006年)6月から21年(2009年)までの3年間。

セルビアと言ってどこにある国なのか、すぐに分かる人はかなりの地理オタクであろうと思うが、ヨーロッパの内陸国家で、イタリアの東側、アドリア海の対岸を少し内陸に入った所に所在する。

なおかつこのセルビア、独立し国家を宣言したのがちょうど2006年。

つまり、壇が防衛駐在官として赴任していた時期は、ちょうど独立し新しい国家を宣言した時期であった。

というよりも、その政情を収集するために壇が派遣された、というのがおそらく実際のところではないだろうか。

詳細については余りにも長文になるので避けるが、このセルビアという国家は元々ユーゴスラビアの一部であったと言えば、きな臭さと共にその独立に至る複雑で激しい過程がピンと来る人も多いかもしれない。

多民族国家であるユーゴスラビアがどんどん崩壊し分離独立していく中で生まれた国の一つで、その過程では極めて激しい紛争や対立が繰り返された国であり、地域だ。

そのセルビアに防衛駐在官として派遣されるということは、欧州の民族紛争や対立について多くの情報を収集し、我が国の防衛政策はもちろん、外交政策にも有益な情報を提供せよという意味を持つ。

本格的な紛争、戦争と言ってもいいかもしれない戦いを経験し、国家を独立させたセルビア軍との「軍人外交」である。

並の神経ではとてもこなせる任務ではなく、おそらく相当タフで厳しい仕事であったのだと思うが、事実上の情報科幹部であった壇にしかこなせない任務であったのではないだろうか。

では、そんな厳しくタフな任務をこなしてきた壇とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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