壇雅昭(自衛隊情報保全隊副司令・1等陸佐)|第32期・陸上自衛隊

その壇が陸上自衛隊に入隊したのは昭和63年3月。

1等陸佐に昇った時期は自衛隊が発表した公式人事に見られないので定かではないが、おそらく平成18年6月であったはずだ。

セルビア防衛駐在官が1陸佐ポストである上に、32期組1等陸佐の昇任は、1選抜でも19年1月であることによる。

陸空の自衛官には、詳細は理解していないが、防衛駐在官に赴任する前には1選抜より早くとも、1佐や将補に昇任させる慣例がある。

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

(画像提供:防衛省防衛白書2010公式Webサイト

その職種部隊歴は、輸送科幹部と情報科幹部としての補職が混在する。

中央調査隊を皮切りに、東部方面総監部では調査部調査課長を、また陸上幕僚監部では情報保全室長など情報系ポストで要職を歴任。

また東部方面輸送隊長や中央輸送業務隊長兼横浜駐屯地司令を務めるなど、輸送科幹部としても指揮官ポストを多く務めた。

またその間、平成16年からイラク復興支援隊の一員としてイラクに渡っているのだが、平成16年といえばイラク復興支援隊の現地での活動が始まった年にあたる。

おそらくこの任務も、輸送科幹部としてのそれではなく、情報科幹部として、現地情勢の把握と分析が主任務であったのではないだろうか。

同様に、平成18年6月から務めたセルビア防衛駐在官の任務も、先述のように激しい内戦の末に独立したばかりの同国に赴任する任務だった。

厳しい世界情勢の中で、我が国の国益を最大化し、また自衛隊と自衛官の安全を最大限確保するための先遣隊の役割に、このように壇の姿が見え隠れする。

そして平成29年12月、自衛隊情報保全隊情報保全官に着任し、30年4月に自衛隊情報保全隊副司令兼補となって現在に至る。

一般国民には任務の性質上、その活躍が知られることは全く無いが、ぜひ自衛隊にはこんな職人がいることを知ってもらいたい、影の仕事師であると言ってよいだろう。

では最後に、その壇と同期である32期組の人事の動向について見てみたい。

32期組は、2019年夏の将官人事で最初の陸将が選抜される年次であり、2019年2月現在では、1選抜の幹部でも陸将補ということになる。

そしてその陸将補にある幹部たちは、以下の通りだ。

梶原直樹(第32期)・統合幕僚監部防衛計画部長(2013年8月)

大塚裕治(第32期)・陸上幕僚監部装備計画部長(2013年8月)

森下泰臣(第32期)・陸上幕僚監部防衛部長(2013年8月)

堀井泰蔵(第32期相当)・第5旅団長(2013年8月)

中村裕亮(第32期)・教育訓練研究本部副本部長兼ねて総合企画部長(2014年3月)

田尻祐介(第32期)・第12旅団長(2014年8月)

鬼頭健司(第32期相当)・陸上自衛隊幹部候補生学校長(2014年12月)

木口雄司(第32期)・高射学校長兼ねて下志津駐屯地司令(2015年8月)

腰塚浩貴(第32期)・施設学校長(2015年8月)

青木伸一(第32期)・水陸機動団長兼ねて相浦駐屯地司令(2015年12月)

池田頼昭(第32期)・第10師団副師団長兼守山駐屯地司令(2016年3月)

檀上正樹(第32期)・警務隊長(2017年3月)

小谷琢磨(第32期)・第4施設団長(2017年8月)

斎藤兼一(第32期相当)・第7師団副師団長兼ねて東千歳駐屯地司令(2017年12月)

叶謙二(第32期)・開発実験団長(2018年3月)

佐々木俊哉(第32期)・自衛隊情報保全隊司令(2018年3月)

岩名誠一(第32期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年2月現在。( )内は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降の将官人事で昇任した将補の期別は未確認のため、追記する可能性あり。

以上のようになっており、まずは梶原、大塚、森下、堀井の4名が1選抜で昇任し、同期の最高幹部人事の中心になっている状況だ。

2019年夏の陸将人事も、おそらくこの4名を中心に選抜が進められるのではないだろうか。

壇については、情報科と並びその重要性が高まっている輸送科の幹部としても、ますますその活躍が期待されるところだ。

後方支援系としても情報系としても、これ以上はない実務経験を積んでいることから、あるいは将官に昇任し、ますます重い責任を担っていくことも考えられるのでは無いだろうか。

いずれにせよ、2020年代前半にかけてますます活躍が期待される幹部の一人であることだけは間違いのない、壇のご紹介であった。

その動向にはこれからも注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊中部方面隊公式Webサイト 第3次イラク復興支援隊)

◆壇雅昭(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
63年3月 陸上自衛隊入隊(第32期)

平成
7年8月 幹部学校指揮幕僚課程学生(市ヶ谷)
9年8月 中央調査隊(市ヶ谷)
11年 月 三菱総合研究所
12年 月 陸上幕僚監部調査部(市ヶ谷)
13年 月 内部部局(市ヶ谷)
15年 月 陸上幕僚監部装備部(市ヶ谷)
16年 月 イラク復興支援隊(イラク)
16年 月 陸上幕僚監部装備部(市ヶ谷)
18年6月 セルビア防衛駐在官
21年7月 東部方面総監部調査部調査課長(朝霞)
22年3月 東部方面総監部情報部情報課長(朝霞)
23年12月 陸上幕僚監部情報保全室長(市ヶ谷)
25年12月 東部方面後方支援隊東部方面輸送隊長(朝霞)
26年12月 陸上自衛隊中央輸送業務隊長兼横浜駐屯地司令(横浜)
29年12月 自衛隊情報保全隊情報保全官(市ヶ谷)
30年4月 兼ねて自衛隊情報保全隊副司令(市ヶ谷)

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