松本完は昭和41年10月生まれ、熊本県出身の海上自衛官。
防衛大学校第35期の卒業で幹候42期、出身職種は飛行で固定翼機のパイロットだ。
平成28年7月(2016年7月) 第4航空群司令・海将補
前職は海上幕僚監部人事計画課長であった。
第35期のエースにして、固定翼哨戒機のエキスパートである松本だ。
我が国の広大な領海において、警戒・監視を行う主力であり、陸海空全ての部隊にとっての目となり耳となる部隊であって、世界最高水準にある精鋭部隊を率いる将官である。
その精鋭部隊を率いる幹部自衛官だが、海上自衛隊に入隊したのが平成3年であり、1等海佐に昇ったのが平成22年1月。
35期組1選抜(1番乗り)のスピード出世である。
さらに海将補に昇ったのは平成28年7月で、こちらも同期1番乗りの将官であり、海将補昇任とともに第4航空群司令に着任した。
35期組の中で常にトップを走り続けてきたスーパーエリートであり、10年後の海上幕僚長候補の一人であると言えるだろう。
なお、その松本と共に切磋琢磨する35期組の海将補は、2017年11月現在で以下の通りだ。
伍賀祥裕(第35期)・護衛艦隊司令部幕僚長(2016年7月)
松本完(第35期)・第4航空群司令(2016年7月)
八木浩二(第35期)・第1護衛隊群司令(2017年8月)
※肩書はいずれも2017年11月現在。
( )内の年月は海将補昇任日時。
海上自衛隊では将官の数がそれほど多くないので、同期1選抜で昇任するものは2~3名ほどだ。
そのため、まずはこの時か、或いは1年遅れ程度で昇任したものが、出世レースの最終出走馬である事が多い。
35期組の海上自衛隊でも、この3名を中心に10年後の地方総監や自衛艦隊司令長官、海上幕僚長に着任するものを、切磋琢磨して競っていくことになるだろう。
その将来の海上幕僚長候補である松本が2017年11月現在で補職されているのは、第4航空群司令。
厚木基地を拠点とし、太平洋側に限らず、日本海側まで広く警戒監視を行う第1線級の部隊だ。
また、硫黄島(いおうとう)航空基地隊を隷下に収めるほか、我が国の最東端である南鳥島にも派遣隊を出すなど、その警戒監視区域は非常に広大である。
そのような、非常に厳しく困難な任務を与えられていることもあり、配備される幹部曹士はエリート揃いであり、最新鋭の航空機・航空技術が配備されることも多い。
川崎重工が開発した次世代の国産哨戒機であるP-1も、他部隊に先駆けてここ第4航空群に配備されており、既に実践運用がなされるなど、常に我が国の魁となる航空部隊であり続けた。
なお、そのP-1哨戒機であるが、2016年には初めての海外任務となるニュージーランド沖での、ニュージーランド軍主催で行われた多国間訓練に参加。
日米豪仏などの主要海軍とともに演習を行うが、この時に予期していない任務が舞い込む。
それは、演習期間中に発生したニュージーランドでの大地震対応への要請であり、ニュージーランド政府から公式要請を受けた海上自衛隊は、P-1哨戒機を用いて被災地上空を飛行。
被害状況の迅速な把握を行い、地元政府に速やかな情報提供を行うことで、震災救助活動に一役買うという活躍を見せた。
我が国の最精鋭部隊を預かり、最新鋭航空機を預かる松本だ。
これからも、その活躍が長くP-1哨戒機の基準となり、またその積み重ねが部隊の伝統となってくだろう。
海将補になりたてであるが、これから先10年の、我が国の平和と安全を実質的に預かっていく最高幹部の1人である。
ぜひその活躍を、注目して追って貰えれば幸いだ。
◆松本完(海上自衛隊) 主要経歴
平成
3年3月 海上自衛隊入隊(第35期)
14年1月 3等海佐
17年7月 2等海佐
19年3月 第5航空隊飛行隊長
20年3月 海上幕僚監部補任課
22年1月 1等海佐
24年7月 海上幕僚監部防衛班長
25年8月 第3航空隊司令
26年10月 海上幕僚監部服務室長
27年3月 海上幕僚監部人事計画課長
28年7月 第4航空群司令 海将補
【注記】
このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。
主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。
自衛官各位の敬称略。
※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。
【引用元】
防衛省海上自衛隊 第4航空群公式Webサイト(顔写真及び訓示写真)
http://www.mod.go.jp/msdf/atsugi/gallery/index.html
コメントを残す